3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

本日紹介いたしますはこちら、月刊少年シリウスにて好評連載中の「まじもじるるも」です!
講談社さんより発行のシリウスKCにて刊行中。本日第2巻発売!

作者の渡辺航先生は以前紹介した「弱虫ペダル」も連載している人気漫画家。
スポーツものだけでなく、のんびりした日常を中心としたギャグも得意とする方です。

そしてこの「まじもじるるも」はこんなお話。
ある日ただのスケベな高校生、柴木耕太の前に黒衣の少女、るるもが現れます。
彼女はこういいました。
「お前は2日後 死ぬ」と。
なんでも柴木が部活動で実験した「魔界との契約」が成功した代償として命を奪いにきたというのです。
柴木がその契約で手にしたものとは「女子のパンツ」!
照れくささから「かわいい彼女」をお願いできなかった為苦し紛れに頼んだのですが……
家に帰ると彼に机の上に女性のパンツが置いてあったのです!
話を聞いているとどうやらそのパンツはるるものもので、それを回収しに来たというのも目的のひとつなんだそうで。
パンツはそれ一枚しかもっていない、という彼女の発言をきいた柴木はみるみる元気を取り戻し、なんとか彼女のスカート(というよりローブですが)をめくろうとします!!
ああ何という執念!ここまですがすがしい馬鹿も珍しい!
なんとかめくろうと苦心しているうちになにやら様子は変わってきます。
最後にいい思い出ができたから死んでも悔いは無い、だけどパンツは墓場まで持っていくよ!とあほらしい宣言をする柴木。
それを聞いた少女は暗い表情でうつむき、こうつぶやきました。
魔女が人間に物を譲るのは禁じられている、そのパンツを返してもらえなければ禁固130年の刑になる、と。
制限時間が来たのか、刑の番人がやってきて今にもるるもを連れ帰ろうとにじり寄ってきます。
それをみてもるるもは動じず、じっとするのは得意になったと寂しげな顔で嘯きました。
柴木はるるもを必死で説得します。
俺は死んでもいいからパンツをはけ!と。
ですがるるもは断ります。
「人前でパンツはくのははずかしい もん」
その表情にキュンときた柴木は無理やりパンツをはかせます!(目をつぶりながら!)
すると刑の番人は姿を消し、るるもは刑の執行を免れるのでした。
パンツを返したことで「女子のパンツ」を欲した契約も不完全なものになった、だから命を奪うのも半分にしてやる。
そういって死なない程度に痛い目を見ることになる柴木でしたとさ……

そして半年の時間がたちます。
またるるもにあいたい、などと考えながらすごす柴木の元に「あなたののぞみかなえます 魔法のチケット」とかかれたチケットの束のようなものが届けられました。
単なるいたずらだと思っていた柴木ですが、その頭上にるるもが文字通り「降って」きました。
るるもとの再開を喜ぶ柴木ですが、落下の衝撃でボロボロになったるるもはかなりのダメージを追っている模様。
しっかりしろ、と声を掛けると先ほどのチケットが数枚消えるるもはたちどころに回復してしまいます。
なんでもそのチケットは本物で、柴木が願うとチケットを消費して魔法を使うことが出来る。
半年前の柴木との契約の代償を半分にしたことで魔女から降格したるるもはそのチケットを全て使い切らせるまで魔女に戻れない、のだそうで。
これはチャンスと欲望の赴くままにチケットを使える!と喜び勇む柴木。
ほくそえんでいたその場所にるるもの使い魔である黒猫がやってきていいました。
るるもはこのことを知らないが、「そのチケットを使い切ると同時にあんたは死ぬ」と……

柴木は己のあふれ出るエロスな欲求に耐え、チケットをどれだけ使わずにいられるのか!?
るるもは果たして魔女に戻れるのか!?
そんなこんなで物語はどたばたと進行していきます!

基本的には1話完結形式で柴木のエロス心が巻き起こす事件を軸に笑いあり感動もちょろりとありの展開で進んでいくのは本日発売の第2巻でも変わっておりません。
この巻ではるるもがとある事情から働き始めたり、柴木の所属するFHK(不思議発見クラブ)に新入部員がやってきたりするのですが、なんといっても今回の目玉は幼馴染でもありエロス大王の柴木と対極の存在である風紀委員でもある井上との騒動が語られる第7話!
幼少の頃よりスカートめくりを徹底的にガードしてきた井上は不覚にも柴木にばっちりパンツを見られてしまいます。
それをきっかけに井上は子供の頃に柴木にだけはスカートをめくられていたことを思い出しました。
何故忘れていたのかを考えると、小学生の頃他の女子に「女子としての魅力が無いってことじゃない?」といわれたことにショックを受けその記憶を封印していたことをも思い出してしまったのです。
そのつらさを思い出し、涙が浮かんできてしまう井上は柴木を問い詰めます。
「なんで私のパンツを見たんだ!見なければ余計なことを思い出さずにすんだのに……」
それを聞いた柴木は迷うことなくこう答えるのです。
「女子のパンツは 空よりやさしいんだぜ」
……さっぱり意味がわからねぇ!
でもその不思議な説得力に井上はなぜか心を解きほぐされるのでした。
めでたしめでたし……とはまぁ行きませんが、柴木はもちろん作者さんのパンツへの愛があふれるこの台詞、あなたも是非その目で確かめるべきです!
初回に女子のパンツを願ってしまったのもこの情熱から考えれば必然なのか!
今すぐ本屋さんへダッシュ!勝平!!(古い)




しかし俺今日何回パンツって書いたんだろう……渡辺先生の情熱に引っ張られて高いステージに上った気分ですよ。
そしてこのパンツへの熱い熱い情熱は明日紹介予定のあの作品からもひしひしと感じられます!!
次回紹介予定、「制服ぬいだら♪」に乞う御期待!!

本日紹介いたしますはこれ、「孔雀王 曲神紀」です。
一世を風靡した「孔雀王」シリーズの最新作で、長らく待ち望まれていた「孔雀王 退魔聖伝」の正当なる続編となっております。

信仰の対象であるはずの神々の邪なる陰謀により、故郷である裏高野は壊滅。
仲間である蓮華の命は奪われ、裏高野の長である月光は敵の一人と相討ち、盟友である王仁丸、家族同然の存在である阿修羅と師匠の慈空は生死不明……
そんな絶望的な状況に追い込まれた孔雀は怨敵である天津神を倒すことの出来る唯一の武器、スサノオの牙を集め、復讐を果たすことを決意します。
スサノオの牙を3つ手に入れた孔雀。
敵であるはずの天津神、少彦名(すくなひこな)を味方につけ、残り5つのスサノオの牙を探すたびをはじめるのでした。

というのが「孔雀王 退魔聖伝」のあらすじ。
作者さんの考えもあって連載はここで中断されました。
ファンは再開を待ち続けます。
神道の勉強の為に連載をすると公言し開始された「夜叉鴉」
それが終わると今度の連載は「小類人」
そしてその次は「拳銃神」
そろそろいいんじゃ……?と思っていたらなんと「おぼこ」
みんなそろそろ孔雀の完結は諦めはじめてきた頃に始まった「怨霊侍」
「怨霊侍」はあえなく3巻で打ち切りになってしまったのですが、その巻末のコメントで荻野先生はあるコメントを出しました。
「打ち切られたが、まったく別のタイトルでこの作品の続編をこっそりやる」
怨霊侍は比較的孔雀王に近い作風だったので、連載の開始を楽しみにしていた俺。
そこでなんと始まったのがこの「孔雀王 曲神紀」だったのです!!
その空白期間は実に13年!!
うおおお!なんと嬉しい裏切り方なんでしょうか!!

何より嬉しかったのが気になってしょうがない退魔聖伝の続きだったということ!!
更にはいままで直接的な名言のなかった「退魔聖伝は初代孔雀王の続きである」という関係性までが明らかになるというサービスぶり!!
これはファンにはたまらない展開です!!

連載開始されてからは良くも悪くもあいかわらずの寄り道しながらのまったり展開。
ですが続々と消息の明らかになってくる以前の仲間たち、という展開はニヤニヤが止まりません。
挙句の果てに怨霊侍のキャラまで出てきて公言していた怨霊侍の続編というのもしっかり実現。
さすが荻野先生!やるときはやりますなー!
夜叉烏とか小類人とか読んでたときは、荻野先生って風呂敷広げるのはめちゃくちゃうまいんだけどクシャクシャッって適当に畳んじゃう人だなぁ……などと思いながら読んでおりましたが、この曲神紀では畳み方に期待せざるを得ませんよ!

で、この第7巻。
孔雀と阿修羅のラブラブ過去話がとってつけたように出てきます。
アレ……こんな二人が相思相愛だったなんて描写あったっけ……
まぁ設定変更は以前からありますし、この曲神紀第1巻あとがきに孔雀の設定は変えてあると書いてありますので良しとしましょう!
明確なヒロインがいたほうがドラマ立てもしやすいでしょうしね!!
個人的に阿修羅は初代孔雀王の初期の儚げな少女の頃が一番好きなんですが……俺の好みはどうでもいいよね!!
とにかく一人の天津神を苦難の末撃破する様子がほぼ1巻丸々使って描かれています。
次巻では退魔聖伝ではヒロインだったような気がする月読様の登場、そして王仁丸の活躍があとがきにより宣言されており、期待も膨らみますな!
つう事は王仁丸って阿修羅助けらんなかったって事だよね、退魔聖伝で……
あと曲神紀になってから一切触れられてない阿久谷の出番は果たしてあるのでしょうか!!
不憫な彼の様子も気になる今後にますます注目です!
従来より20Pほど厚い上に巻末には恒例の壁紙入手用パスワード付きのカードも付いてお得な第7巻は好評発売中!
今すぐ本屋さんにダッシュ!四駆郎!!(古い)




本日買って来ましたのはこちら、「シグルイ」第11巻です。
まさかのアニメ化を果たした狂気の残酷剣術劇。
アニメ化に慢心することなく今巻もアクセル全開でぶっ飛ばしてます!!

前巻である10巻で死してもなお襲い掛かってくる牛股を紙一重で打ち斃した伊良子。
岩本虎眼を斃し、宿命の敵でもあった藤木の左腕を落とし虎眼流を事実上滅ぼすことに成功。
引き換えに右足の自由を失いますが、かねてよりの念願であった富と権力を得るのでした。

そしてこの第11巻。
伊良子の圧倒的な才に敗北を認めざるを得ない藤木。
その上岩本家はこの敗戦を受け最下級の禄高へと落とされてしまいます。
そこへ駿河藩より使いがきます。
仇討ちの結果、双方が生き残っていてはしめしが付かない。
もう一度伊良子と立会い、決着をつけるのだとのこと。
しかし藤木ははっきりと勝負は完全に決した、自分の完敗であると断ります。
藤木はすでに自刃したと同じ覚悟である事を確認したその使いはこう告げます。
「伊良子清玄との再戦の儀 上意である」
これは武士であれば絶対に従わねばならない命令であることを意味します。
それを聞いた藤木。
……藤木の中に熱く滾る何かが蠢きました……

ここで舞台はガラリと変わります。
あの「ぬふぅ」で一世を風靡した舟木家。
その新たな跡継ぎと目される千加は婿取りをしようとします。
ですが千加の体にはとある秘密があり、それゆえに当初の婿に考えられていた男との関係が反古になってしまいます。
それだけではありません。
その体の秘密を知った醜悪で奇怪な異形の男、屈木頑之助は異形である自分と人と異なる体を持つ千加こそ結ばれる運命にあるという妄想を確かなものと感じてしまったのです。
まだそれを知らない舟木家は新たな婿を探します。
婿となる条件はあの舟木兄弟も達成した偉業、兜割りを完遂すること。
その挑戦者を募っていると、なんとあの屈木までもが挑戦します。
千加の父である一伝斎はそれを認めます。
屈木などに出来るはずがないという打算の末の許可なのですが、いざという場面で屈木の秘めるその力に気がつき兜を屈木の顔面に力の限り投げつけ失敗させます。
そして一伝斎は「戦場において兜が欲するところに飛んでくることはない」と侮蔑の言葉を投げかけたのでした。
それにより一層屈木は醜悪な妄想を暴走させていきます。
自分の姿が美しくなったと錯覚し、千加の婿にふさわしいと認められたものを次々と惨殺。
あげく自分の汚物で「せんじょうのこころえ」などと文字を描き舟木家を挑発しました。
それを聞きつけた笹原という剣豪。
舟木兄弟の親友であったこの男は蛇を思わせる奇妙な男。
かなりの手練であるこの男は屈木を討ち取り、千加を嫁に娶ると宣言します。
必勝の策を持って挑む笹原。
ですが屈木はその特異な剣術をもちい、驚愕の手段で笹原を容易く討ち取ってしまいます。
そしてその血液で千加を娶る邪魔をするものは全て殺すといった旨のメッセージを残すのでした。

たびたび蝦蟇に例えられる屈木頑之助。
そのあまりにも奇怪で醜悪な剣術は蝦蟇を飲み込むはずの蛇、それに例えられる笹原をもこともなげに丸呑みにしてしまいました。
蛇をも呑む蝦蟇。
彼と千加との運命を決するのは奇しくも藤木、伊良子の運命が決する御前試合。
いったいどんな相手と立ち会うのか、そしてどう決着するのか。
原作では当の昔に決着が付いておりますが、山口先生がどういった味付けをするのかはまったく予想が付きません。
楽しみにして待ち続けるしかありますまい!

そんなわけでますます混迷と怨念を深めていく「シグルイ」
手に汗握る第11巻は本日発売!
今すぐ本屋さんに走りましょうっ!!

シグルイ 11 (11) (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
南條 範夫

ユーザレビュー:
ガマですかぃ!!屈木 ...
蟇蛙かわいそう…なの ...
がまがメインこの巻は ...
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本日は色々と漫画を買ってまいりましたが、ネタ切れ防止の為小出しにします!
まずは「ハチワンダイバー」の第8巻!!
ドラマ化もされたいまや言うまでもない史上最熱の将棋漫画です!

とうとう鬼将会にたどりついた菅田は怪しげな建物の中に通されます。
案内された個室にいたのはなんと第1巻で対局した「マムシ」でした。
そしてマムシは衝撃的な事実を語ります。
マムシが勝てば菅田の小指を奪う。
菅田が負ければ……マムシは死ぬ。
逃げることは許されない、と。
マムシは鬼気迫る形相でここはそんなことが許される世界なんだ、ここにあるのは将棋の勝ち負けだけなんだと迫ります。
たじろぎ、怯える菅田をよそに対局は始まる……

というのがこの第8巻での対局の背景。
そしてとうとう菅田が意を決し、本格的に勝負が始まるのです!

あまりにも必死なマムシの気迫に圧される菅田ですが、今までの幾多の勝負を乗り越え、更なる成長を遂げた菅田はマムシを危なげなく撃破します。
そしてマムシは謎に包まれていた鬼将会の目的を赤裸々に語ります。
将棋のレベルはあまりにも高く、人口が多いもののプロ棋士はわずか200人程しかいない。
最強の将棋指しは200人のプロ棋士である。
その最強のプロ棋士をアマチュアの将棋指しが倒したらどうなるのか?
プロを鬼将会が倒す!
それは「夢(ロマン)」なのだ。
命を掛ける価値がある「夢(ロマン)」だ!
マムシはなんともいえない表情でそう告げると、菅田に帰れと指示をします。
あまりの出来事に外へ出るなり腰を抜かす菅田……
すると後方で足音がします。
振り返るとそこにいたのは大きな鉈を手にしたマムシ。
左腕の指と引き換えに仮釈放されてきた。
どうしても「夢」を見届けたい。
そのためには菅田の指が必要だ。
お前の小指をもらう。
そういって尋常ならざる雰囲気をまとい、マムシは菅田に迫る……!

この後もまだまだ目の離せない展開は続くのですが、そこは是非読んでいただきたい!
ハチワンダイバー、というより柴田ヨクサル先生の作品はたとえネタバレしたとしてもその圧倒される勢いがある為に痛くも痒くもないのですが……
将棋漫画の常識をまたも覆す圧巻の展開が貴方を待っています!!
菅田の将棋に対する熱すぎる感情がグイグイと感じられるそのさまは手に汗を握るどころではすみません!
ついでに受け師に対するピュアラヴもありますけどね!!
更に更に、一回りも二回りも強くなっていく菅田を見届けましょう!!

恒例の書き下ろし漫画も10P収録!!
雑誌派の人も大満足の出来となっております緊迫の第8巻!
今すぐ本屋さんにGO!です。


ハチワンダイバー 8 (8) (ヤングジャンプコミックス)
集英社
柴田 ヨクサル

ユーザレビュー:
もう息切れ?鬼将会、 ...
今後に期待序盤は前巻 ...
相変わらずテンション ...
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やっとお盆期間が終わりを告げ、新刊が出始めました。
今まで秋田書店さんのまわしものサイトのような活動をしてきた当ブログもやっとこさ本来の買ってきた本の紹介&感想みたいなことが出来そうです。……それ今までとかわらねえな……

そんなわけで本日買って来ましたのは「ミスミソウ」第2巻です。
ぶんか社さんのぶんか社コミックスホラーM(ミステリー)B6シリーズより刊行されております。
作者の押切蓮介先生は幽霊を肉弾戦で破壊する独自のホラーギャグと、自虐的な嘘とも本当とも付かない過去話を暗く描写する鬱過去ギャグなどを様々な雑誌で連載する大人気漫画家です。
ヤングマガジンで連載している「でろでろ」でブレイクし、ホラーファンなら誰もが知っている清水崇監督と親交があるようで怪奇大家族のイラストを手がけたり、短編が映像化されたりもしています。

そんなホラーギャグが持ち味の押切先生ですが、この作品「ミスミソウ」はかなり毛色の違う作品となっています。
幽霊などのオカルティックな要素は一切排除し、それでいて人間関係などから来る陰鬱なホラー臭を先生の作品中最も強く放っている意欲作なのです。

主人公の野咲春花は家庭の事情により過疎の進んだ寒村へと引っ越してきます。
今年廃校が決まった大津馬中学校に転入するのですが、よそ者であり美人でもあった春花はいじめの対象となってしまいます。
毎日続くいじめられる日々。両親からももう学校に行かなくてもいいと諭されます。ですが両親に心配を掛けたくない春花はけなげにもいじめに耐え続け、学校に通い続けるのです。
しかしそんな春花の姿はいじめグループの首謀格、小黒妙子の更なる怒りを呼んでしまいます。
閉塞的な冬の寒村が生み出す空気がそうさせたのか、彼女たちはとうとう一線を踏み越えてしまいました。
なんと春花の家に火をつけ、全焼させてしまうのです。
その火事により両親は焼死、妹は全身やけどの重体。
外出していた春花は難を逃れますが、目の前で我が家が炎に包まれ、黒焦げになった妹の姿を目の当たりにすることになります。
春花の心にやりばのない、どす黒い感情が渦巻いてしまったのは仕方が無いことなのかもしれません……

そして春花の復讐は始まります。
凄惨な、血の惨劇が。


という話がこの「ミスミソウ」の導入です。
本日買ってまいりました第2巻には春花の復讐の姿が淡々と、そして悲痛に描かれています。
放火事件に関与していた同級生3人、そして逆に先手を取ろうと襲い掛かってくる男子生徒を2人……続々と復讐を成就させていく春花。
担任教師である南、春花の転入前にいじめられ放火事件を起こしたことで逃れた佐山なども緩やかに自我を崩壊させていきます。
そしていまや春花の心の拠り所となっている相場にもなにやら黒い背景が見え隠れしてきたのです。
相場の口付けに人の心を取り戻したかに見える春花。
しかし相場は春花に口付けをしてわかれた後、野に咲く花を踏みつけてしまいます。
その踏みつけ、無残につぶれた花をなんともいえぬ壮絶な形相で見つめる相場。
……これは相場のゆがんだ愛情の形を示しているのでしょうか。
物語は簡単に収束してくれないようです……

連載誌はホラーM(ミステリー)、ぶんか社さんが刊行されています。
あのいろいろな意味で話題になった「ソンビ屋れいこ」と同じ雑誌です。
なんだか隔月刊になってるようですが……
掲載誌がマイナーなせいか今ひとつ話題になっていない感がある「ミスミソウ」ですが、その圧倒的なまでの黒い情念を感じさせてくれる注目作に仕上がっています。
幸せな結末は待っていないでしょう。ですが劇中では語られていない悲痛なまでの春花の情念が読者に何かを感じさせ、結末を見守らなければならない気分にさせてくれるはずです。
貴方の本棚の彩りにぜひ1冊、いかがなもんでしょうか。
ミスミソウ 1 (1) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
ぶんか社
押切 蓮介

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