3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

画像

本日紹介いたしますのはこちら、「キン肉マン2世 究極の超人タッグ編」第18巻です。
集英社さんの週刊プレイボーイ・コミックスにて刊行、週刊プレイボーイにて連載されています。

作者はゆでたまご先生。
今までの紹介などは「キン肉マン」のテーマにてまとめておりますのでそちらもあわせてごらんくださいませ。

さて、第17巻ではウォーズマンが再びマンモスマンの餌食、「ウギャアキン肉マーン!」となってしまいました。
それだけでは終わらず、スグルに次の試合開始666秒後に死んでしまう魔の砂時計という呪いがかけられてしまいます。
正義超人たちに次々降りかかりまくる災厄に、どう立ち向かうと言うのでしょうか!

と言うわけで第18巻。
呪われた体といえど勝負は目前ということでいつもどおりトレーニングに励むマシンガンズですが、やはりスグルは呪いに蝕まれ息も絶え絶えになってしまいます。
解呪するためには世界に1人だけいるというスグルを愛するキーパーソンを見つけ抱擁させるしかないのですが、母も父も恋人もキーパーソンではありません。
そこで残されたスグルを愛する人物がマリでした。
原作ではいつの間にか出なくなっていたマリさんですが、一応ビビンバのことを考えて身を引いたことになっている彼女。
アニメ版ではスグルと結婚しているだけに確かに刺客は十分なのですが、そういった背景もあってスグルに会いに行く踏ん切りがつかないのでした。
命かかってるんだからそんなこと言ってる場合じゃないでしょマリしゃん!

その頃、悪行超人連中も真面目に特訓していらっしゃいました。
ネプ&マンモスのヘルエキスパンションズは「どうせ21世紀には姿を消すんだから引導を渡してやろうぜ!」みたいなこといってこの頃まだ普通に現役なはずの0系新幹線を練習台にしてぶっ壊しまくります。
画像

……新幹線好きにぶっ飛ばされますよ!!
更に偵察に来ていたミートから「宇宙超人大全」を奪い取り、その本に書いてある知識をマンモスマンに吸収させてしまいます!
画像

……鼻から!!すげえ能力持ってますね!!!!
知識を吸収し、心体共に完璧な超人となったマンモス!
ミートのおかげさまでより強大な敵となってしまったわけです!
ちなみに宇宙超人大全、「こいつはいい物が手に入った~っ」とほくそえんでいたネプですが、ちゃんとこの後ミートに返してあげてました。
いいヤツだな、ネプ……

時間超人はその時間を操る能力を利用したらしいバキもまっさおのリアルシャドーでマンタ・カオス組やマシンガンズを圧倒し、その自身を高めています。
ですがその時マンタたちは何故か突然海から現われた亡霊状態のプリンスカメハメとであい、短時間とは言えメキメキとその実力を挙げていたのです!

各々が各々の特訓を終え、いよいよやってきた試合当日。
選手控え室でいまだ呪いが解けず苦しんでいるスグルのもとにマリがやってきました!
ビビンバがスグルを救えるのはあなたしかいないと涙ながらに説得し、何とか連れてきたのです。
ですがビビンバはスグルとマリがいまだ惹かれあっていると察したのか、スグルとまりの二人だけを部屋に残して外に出た後号泣。
うーん、とにかく抱き合いさえすれば命がたすかるっぽいのに、マリといいビビンバといい凄い真剣に考えているんですなぁ。
確かに昔の恋人(ではないですけど)が抱き合ったり、婚約者を差し置いて抱き合ったりするのは面白くないとは思うんですが……命かかってるんだから割り切れよ!!とか思うから俺はリア充になれないんでしょうか!!

とにかく準決勝の組み合わせを決める抽選綱引きの場に全員が集合。
運命の準決勝が決定します!
無難なにマンタ・カオスVSヘルエキスパンションズ、マシンガンズVS時間といった組み合わせになるのかなーと思っていると……
画像

なんと正義超人同士、悪行超人同士の組み合わせになったではないですか!!
これは予想外&楽しみな組み合わせです!
流石ゆで先生、決めるところではしっかり決めてくれます!!
対正義超人のリアルシャドーしかしてない時間超人がちょっぴりまぬけになってしまいましたが!!

とうとう決定した準決勝の組み合わせ。
驚愕の親子対決が実現、これはもう楽しみで仕方ありません!
抽選綱引きの際感じたスグルの底知れぬ戦闘能力にマンタのやる気も燃え上がっているようで、お互い負けられないこの勝負は激闘になること間違い無しでしょう!
心配と言えばやはり呪いです。
いくらこまけぇことはいいんだよ!精神溢れるゆで先生といえど、あれだけ引っ張った呪いを戦いに何の影響ももたらさないまま無かったことにするなんてことはしないのではないでしょうか!
とにかく目の離せない一戦です!
また、もう一戦の時間VSネプ・マンモスも注目せざるをえません!
とにかく圧倒的な強さを見せ続けてきた両者の勝負だけにこれもまた熱いバトルになることは必死!
ただ、ネプチューンマンがなんだか電波を……いや、体調に問題があるのか
画像

嬉しすぎて血を吐いているところが勝負のカギとなりそうです。
これってネプはやっぱり正義側だったよフラグのような気がするんですが……どうなんでしょうか。
悪党が病気とか無理がたたってダウン、って言われてもあんまり盛り上がりませんから……
どちらにしろこっちも面白い展開になってくれることでしょう!

予想を裏切り期待を裏切らなかった「キン肉マン2世 究極の超人タッグ編」最新第18巻は好評発売中です!
最近1戦1戦が長すぎじゃね?と読むのを中断していた方はすぐに戻ってきていただきたい急展開を迎えています!
中断中の方も未読の方も、とにかく注目の親子対決が迫ってきた今、読むしかない!と言いきってしまいしょう!
さぁ、本屋さんにダッシュ!!





画像

本日紹介いたしますのはこちら、「CLOTH ROAD(クロスロオド)」第7巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラにて刊行、ウルトラジャンプにて連載されております。

作者は脚本に倉田英之先生、漫画がokama先生。
両先生と本作の簡単な紹介は08年9月15日の記事にて触れておりますのでそちらもよろしければご覧下さい。

第6巻ではファーガスとジェニファーが更なる技術を身につけるため新たなる国、世楽へと旅立ちました。
一方の父でありラスボスのガーメントはトップモデル二人に狙われますが、寵愛する少女ジェニファーの手により返り討ちにあってしまいます。
トップモデル二人をあっさりとあしらうジェニファーの驚くべき才能と、底知れぬガーメントの技術。
はたしてファーガスとジェニファーは太刀打ちできるのでしょうか?

そしてこの第7巻。
世界を混乱に陥れたガーメントを倒すべく、世界に名だたる7ブランド中4ブランドが協力することに。
画像

ガーメントは私兵に更なる強力なドレスを着せて迎撃するのですが、そのドレスは今までのドレスとは一線を画す驚くべきものでした。
画像

巨大で強力なだけでなくドレスと人間を完全に一体化させた、さながら生物兵器の様相を呈しています。
その戦闘力は圧倒的というほか無く、ジュリエットすら参加していないたったの3人で4大ブランドの総力を挙げた艦隊があっけなく全滅してしまうではないですか!
その頃ユニイズムのトップモデル、カピスルは偶然出会った美美介と共に補給部隊の守りについていました。
補給をたつのは戦争の鉄則。
そこにも当然のようにガーメントの刺客がやってきます。
いままで感心なさげに振舞っていたカピスルですが、ユニイズムの人々が作り出した補給物資を守るため静かに闘志を燃やしていました。
画像

カピスルに怪我を治療してもらった恩義がある美美介も参戦し、トップモデルVS生物兵器という注目の一戦が始まります!

一方のファーガス達は、世楽で一人の老婆に出会います。
基盤などを使わずに自立して動く機械人形、「からくり」を作り出す腕利きの技術者である老婆は、なんとガーメントの育ての親であることが判明。
老婆の口からガーメントの生い立ちが語られました。

老婆とガーメントの出会いは海岸でした。
ガーメントが乗っていたロイヤルカストラートの船が難破し、たった一人生き延びて海岸にたどりついていたのです。
身寄りがわかるまで預かるつもりだった老婆ですが、いっしょに暮らすうちに情がうつり、身よりもまったくつかめないことやガーメントの持つ才能を感じたこともあって自らの工房の後継者にしようと考え始めます。
ガーメントは老婆の教えを素直に聞き、めきめきとその技術を上げていきました。
ですがある日、老婆がガーメントに自分の夢である未完成の「いっしょに歳をとっていっしょに生きていける人形」を見せた時から決定的な事件が起こります。
画像

ガーメントは老婆の技術を全て吸収しきり、熟練の技術者しか作れないクローゼットをたった一日で作り上げていずこかへと消え去ってしまったのです!
そもそもガーメントが世楽に来たきっかけである船の難破も幼い子供だったガーメントがおこしたもので、全て自分の求めるドレスの知識のために仕組んでいたのです!
老婆の愛情や親切心から与えたものは全てガーメントの「天才」を加速させ、「天災」を招く結果になっていたのでした!

衝撃の過去が明かされたその頃、もはや勝負を決したかに見えたガーメントの部下VS4大ブランド連合のもとに1人の人物がやってきました。
恐ろしいほどの華やかさと、他の誰よりも絶大な人気を誇るその人物は
画像

ジューン・メイ!
華麗すぎるジューン・メイの舞台が突然に、そして美しく開幕します!!

今までも目が放せない展開の続いてきた「CLOTH ROAD」ですが、この第7巻では更なる盛り上がりを見せます。
明かされた過去から痛感させられる、ガーメントの圧倒的才能は今後いったいどうやって立ち向かえばいいのかを判らなくさせ、より一層ラスボスの強さを引き立てています。
そして何より今巻から始まったガーメントVS世界は、まさにクライマックスと言う他無く、最終決戦が近づいている様をありありと感じさせてくれます。
ついに姿を見せたジューン・メイの登場シーンと言ったらもう盛り上がっているの一言では片付けられない、待ってました!感が凄いことになっています!
その上八面六臂の大活躍を見せ、今までの連合軍のフルボッコぶりでたまりにたまったもやもやを一気に解消するカタルシスを感じさせてくれるんですから流石メイ様というほかありません!
カピスル達の戦いも驚きの展開を迎えますし、とにかく面白すぎる展開が凄まじい勢いで続いている大満足の内容ですよ!!

新感覚ファッションバトル漫画、「CLOTH ROAD」最新第7巻は好評発売中です。
クライマックスまっしぐらに盛り上がり続けているこの作品、okama先生の美麗作画とあわせて話、絵両面で高水準の一作になっています!
読まずにすごすのは勿体ないですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


CLOTH ROAD 7 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
倉田 英之

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



画像

本日紹介いたしますのはこちら、「クロとマルコ」です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスにて刊行されました。

作者は掘骨砕三(ほりほねさいぞう)先生。
95年にデビューし、成年向け作品を10年以上一線で生み出し続けてきた漫画家です。
成年向け漫画家ということで二の足を踏む方もいるとは思いますが、物語全体に漂う独特なムードや丁寧で可愛らしい絵柄はエロス描写関係なく高い評価を得ています。
ですが青年向け作品の数々は扱っているジャンルが特殊すぎて、とてもじゃありませんが普通の方には薦められません!
よいこむけコミックスしょうかいサイトをめざしているここではとてもしょうかいできませんので、しりたかったらぐぐってね!

さて、こちらの作品はヤングチャンピオン烈に連載された表題作、「クロとマルコ」を中心に、同誌に掲載されていた短編をまとめたものとなっています。
ディープな漫画好き(と、業の深いエロス趣味の持ち主)に評価の高い掘骨先生初の全年齢向け単行本ということで、注目すべき一冊と言えるのではないでしょうか。

表題作の「クロとマルコ」は、宇宙を舞台にした二人の少年の日常漫画です。
と言ってもスペースオペラ的な超サイバーなメカメカしい世界観ではなく、獣人型から半サイボーグ型、爬虫類型などの様々な種族の人類が、太陽系の名を冠した宇宙で交流している不思議な世界観になっています。
主人公の二人、クロとマルコはその半サイボーグ型(と言っても厳密にはメカじゃないんですが)の人類で、アステロイドベルト内の小さな星に二人で暮らしています。
画像

さすがショタを得意とする掘骨先生だ!必要以上に可愛らしいぜ!!
そんなかわいらしい彼らが大小さまざまな事件に巻き込まれながらも楽しい毎日をすごしている様子を描かれております。
注目すべきなのはその温かみのある繊細な絵柄と、しっかりと構成された独特な世界観でしょう。
様々登場する人種はそれぞれに仔細な設定がされており、僅かに4話70Pの作品だと言うのに驚くほど細かく世界が構築されています。
日常漫画という楽しみ方も勿論ですが、知らない土地のガイドブックを見るような……旅漫画っぽい楽しみ方もできるのではないでしょうか。

表題作以外の短編もかなり個性の強い作品がそろっています。
殆どの作品に共通しているのが現実世界(もしくは作中の主人公)からすると物凄く異常なことが当然のように行われていると言うこと。
不老不死の妙薬とされる竜の血をを取る為にドラゴンを捕獲しようとするハンター達と、狙われた竜を必死に助けようとするネズミの話「鼠と竜のゲーム」では竜も鼠も半分人間ですし、
画像

山深い田舎の友人宅を訪ねるとタイシサンと呼ばれる不思議な生物と出会うことになる「湖のひみつ」では、タイシサンがこんな姿ですし、
画像

夜明け前の公園で出会った少女と繁殖(!)する「翼のざわめき」では繁殖と言ってもこんなですし、
画像

とにかく「おぉ!?」と声に出てしまうような想像もつかない物語ばかりです。
基本的にはおかしなことをやってはいるけど平和な作品が収録されているのですが、さりげなくホラー調の作品も混ざっていてホラー好きのオレには嬉しい不意打ちでした!

単行本オマケ要素として各作品のネーミングの由来を解説した「元ネタ集」が書かれており、そのネタはウルトラセブンからスティーブンキング、ナイトライダーからキン肉マンに到るまで幅広いにも程があるというもの!
カバー下には4コマ漫画3本が書き下ろされており、無駄なスペースのない充実の一冊に仕上がっています!

あの掘骨先生のつむぐ新世代ファンタジー漫画、「クロとマルコ」は好評発売中です!
その独特な作風はかなり特異で楽しめるものになっていますので、掘骨先生を知らない方にこそ読んで欲しい作品と言えるのではないでしょうか!
……他の作品は成年向けだし半端無いディープぶりなので他作品が薦めづらいと言うのもあるんですが!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





画像

本日紹介いたしますのはこちら、「ジェネラル・ルージュの凱旋」です。
宝島社さんのワンダーランドコミックスにて刊行されました。

この作品、ドラマで人気を博した海堂尊先生の「チーム・バチスタの栄光」シリーズの1作、「ジェネラル・ルージュの凱旋」を漫画化したものです。
09年3月には劇場映画も公開されました。

正直な話この「チーム・バチスタ」、オレは原作はおろかドラマも映画もみたことがありません。
当然「ジェネラル~」も全然見たことがありませんでしたし、ドラマをやっていた当時に「よく名前聞くけど面白いのかな?」程度の興味しかありませんでした。
では何故この漫画版を買ったかといいますと……作画が高遠るい先生だからです!
そんなわけでまったく原作の知識が無い人間の、漫画版のみを読んでの紹介となっていることを先にお断りしておきたいと思います。

主人公は大病院の救命救急センター部長、速水晃一。
彼は「ジェネラル・ルージュ」との異名をとる凄腕の医師で、わがままで傲慢ではあるものの目前の人命を救うことに全力を尽くすと言う皆に一目置かれる存在です。
画像

いつものように仕事をこなす彼を尻目に、同病院のリスクマネジメント委員長の田口に一通の文書が届きました。
それは「速水部長はメーカーと癒着している」と言うもの。
彼がそんなことをして私服を肥やすような人物ではないことを知っている田口は何かの間違いではないかと奔走するのですが、沼田と言う院内での政治力が強い人物に目をつけられてしまいます。
画像

ウホッ、いい悪役面!
その後、田口は沼跡の話し合いを繰り返したり、告発文書が2通あることが判明し、告発した人物が複数いることがわかったりしたものの、結局は速水を救うことには繋がりません。
そしてとうとう速水を糾弾する臨時委員会が開かれることに。
委員会が始まってもなかなか姿を現わさない速水ですが、しばらく立った後血まみれの姿でやってきました。
直前まで手術をしていたそのままの姿で委員会に登場したのです!
画像

沼田は速水に様々な質問を投げかけますが、速水は「ノーコメント」でのらりくらりとかわします。
激昂する沼田ですが、速見は冷静なまま驚きの発言をするではないですか。
画像

「文書の内容は全て事実だが、癒着を改善するつもりは無い」と!

速水の言っていることは本当なのでしょうか?
告発文書を出した二人の人物は誰なのか?
そして速水の今後の動向は?
全ての謎は明かされ、物語は激動のクライマックスを迎えます!

というわけでこの作品、緊迫感溢れる人間ドラマが魅力的な作品に仕上がっています。
原作を知る人からすればダイジェスト的になってしまっているんだそうですが、知らない俺からすればぎっしりと内容が詰まってはいるものの、破綻していない濃い内容の一冊としか認識できません!
そしてなんと言っても凄いところは250Pほどのこの単行本が完全書き下ろしだと言うことでしょう!
「ミカるんX」を連載中だというのにもかかわらず、この250Pを書き下ろしですよ!
これは本格的に凄い!高遠先生頑張りすぎです!
挙句にお値段はなんと460円(税込)。
B6版の250P超の漫画がこの値段と言うのは脅威ですよね!

ドラマも映画も放映はもはや昔ですが、それでも色あせない本格的な漫画作品となっている「ジェネラル・ルージュの凱旋」は好評発売中です。
単なる映画とのタイアップ漫画ではない気合を感じさせる一作、お値段もお手ごろなのでぜひ一読してみてはいかがでしょうか。
こういう企画もの的な漫画って増刷されなさそうなのでご興味のある方は早めに確保しておいた方がいいような予感がします!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


ジェネラル・ルージュの凱旋 (ワンダーランドコミックス)
宝島社
海堂 尊

ユーザレビュー:
絵のアクが強すぎ原作 ...
コミカライズとしても ...
意外と出来が良い勿論 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



画像

本日紹介いいたしますのはこちら、「赤い妹」です。
竹書房さんのバンブーコミックスマーブルセレクトにて刊行されました。

作者は外薗昌也先生。
外薗先生は80年に月刊チャンピオンでデビューした漫画家。
師は藤原カムイ先生で、デビュー作はギャグ漫画、その後ファンタジー漫画を経てSF漫画と様々なジャンルを描いていらっしゃいます。
代表作は「犬神」などで、近年では「ガールフレンド」等漫画原作も手がけていらっしゃいます。

さて、こちらの作品はホラー漫画の短編集です。
収録されているのは5編。
わけあり物件にまつわる恐怖を描いた「いわくあり」、
画像

ただそばに立つだけのストーカーのような幽霊に悩まされる男の物語「死者といっしょ」、
画像

とある団地で自殺があるたびに現われる野次馬達の真実の姿があばかれる「mob【群集】」、
画像

使われていないはずの古びた病棟に住む謎の少女と若い研修医の出会いから始まる事件を描く「イノセント」、そして表題作の「赤い妹」です。
基本的に休刊となったコミックマーブルに掲載された作品なのですが、「イノセント」だけは00年にアフタヌーン増刊に掲載された作品で、少々古め。
ですがホラーテイストの作品なので統一感は崩れていません!

どれもがオリジナリティ溢れる恐怖が味わえるのですが、やはりここで紹介したいのは「赤い妹」でしょう。
なんと言ってもこの作品、外薗先生自身が体験した恐怖が基になって作られているのだそうです!!

主人公はレンタルビデオ店のアルバイト。
一度でいいからオバケを見てみたいと嘯く主人公に、店長は一本のビデオを貸してくれました。
それは「赤い妹」と言う自主制作映画で、それを見た人物の元には「妹」がやってくるんだそうです。
なんだかよくわからない説明ですが、本当に妹がいる人物がそのビデオを見ると確実にそれが現われるそうで。
主人公はビデオを押し付けられて店長に後でレポートするように言いつけられてしまいました。
気は進まないもののとにかく深夜自宅でビデオを見る主人公。
「赤い妹」は意外にもなかなかいい出来で、主人公に故郷にいる妹に会わせたくなる様な魅力的な作品でした。
余韻に浸っていると主人公の部屋のドアを乱暴に叩く音がします。
サークル仲間か何かがふざけて押しかけてきたのかとドア越しに声をかけると、
画像

そのドアの向こうにいたのは「妹」だったのです。
遠い田舎に住み、東京に出てくることなど無かった妹が予告も無く突然、しかも深夜にやってくるなど考えられません。
戸惑っているとその「妹」は更に乱暴にドアを叩き、中に入れろと高圧的に命令をしだします。
いったい何者なのかと窓から外をうかがうと、そこにいたのはやはり紛れも無い妹でした。
画像

全身が真っ赤ですが。
その窓から手を伸ばし、強引にドアを開けようとする妹。
慌てて力いっぱい窓を閉めると、手首がちぎれ落ちるではないですか!
あまりの恐怖に動けないでいると、妹は「手を返して」とつぶやきながらいずこかへと消えて行きました。
しかしちぎれ落ちた手首はその場に残っています。
どうしていいかわからないその時、妹からメールが届きました。
本文は無く、一枚の風景写真が添付されたているだけのそのメールは、主人公の田舎にあるとある場所を示していました。
妹に連絡を取ろうとしても電話は通じず、不安に刈られた主人公は急遽田舎へ帰ってその写真の場所へと向かいます。
そこにいたのは……!!
画像


というお話。
ビデオ云々、メール云々は流石に漫画化向けの脚色のようですが、「真っ赤な妹の突然の訪問」は事実であると発言している外薗先生。
その時は怖くてコタツに潜り込んでいた(その時テレビではイデオンが流れてたそうな)と言うのですが……
ネタ、ですよね……?
マジなら相当恐ろしいんですけど……
とにかくこのお話に代表されるように、得体の知れない恐怖が淡々と描かれた作品の詰め合わせとなっています。
表題作以外もかなり逝けてるイケてる作品ばかりなので、ホラー好きなら避けて通れない一冊ですよ!
また、なんかよくわかりませんが開いているページには出し抜けに意味不明な落書きと心霊写真が掲載されており、オマケページにも得体の知れない恐怖が漂っている徹底振り!!
さすがベテラン漫画家だぜ!!

あなたにも今すぐ襲い掛かりかねない身近に潜む恐怖を描く、「赤い妹」は全国書店にて発売中です!
夏の暑さもはだしで逃げ出す涼しさをあなたも味わってみませんか?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


(バンブーコミックス)マーブルセレクト 赤い妹 (バンブーコミックス マーブルセレクト)
竹書房
外薗昌也

ユーザレビュー:
怖い! 1980年に ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



↑このページのトップヘ