本日紹介いたしますのはこちら、「肉の唄」第2巻です。
講談社さんのヤンマガKCにて刊行されました。
作者はコウノコウジ先生。
本作第1巻の紹介は09年5月12日の記事にて触れておりますのでそちらもよろしければご覧くださいませ。
さて、第1巻でプロレスとのショッキングな出会いを果たした亮太。
完全にプロレスをバカにしきっていた彼ですが、徐々にプロレスに惹かれているようで……
運命的ななにかだったのか、第2巻で亮太は本格的にプロレスの道へと踏み込むことになります。
亮太は自宅の前で新世紀プロレスの関係者、涼子と出会いました。
彼女が亮太の家にやってきた目的は新世紀プロレスに勧誘する為。
しかしまだ総合格闘技に比べればプロレスなど児戯にも等しいと考えている亮太はあっさりと断ります。
針の穴を通すようなほんの僅かな正解を導き出すかのごとき高度な競技である総合格闘技に比べれば、プロレスなど茶番である、と。
ですが涼子は総合が針の穴を通すような精密な世界であるなら、プロレスは
「それ以外の全て」であると返すのでした!
借金まみれで総合にも戻れない、かといってあっさりプロレス入りなどもってのほかと言うにっちもさっちもいかない亮太にその夜電話が来ました。
電話の主は亮太が金を借りていた高利貸しの上の人物であり、亮太とかつて同級生であった極道でした。
彼はその電話で亮太に組に入らないかと勧誘してくるではないですか!
組に入れば借金はチャラ、美味い物も女も好き放題!……と、仕事内容はともかくとしてかなり恵まれた待遇を提示してきます。
彼は高校生の時にみた亮太の底知れぬ猛獣のような殺気に惚れ込んでいたのでした!
返事を返す待ち合わせの時間、亮太は現われます。
……新世紀プロレスの道場に!!
といっても入門に来たわけではなく、アメリカにわたって再び総合格闘技のスターダムにのし上がろうという足がかりを作りに来た様子。
目的は二つで、軍資金の入手と煙にまかれてしまった新世紀プロレスの長、佐島との真剣勝負の遂行!
相手は貧乏団体で、更にシュートはくだらないと言い切る佐島です。
どう考えても勝負を受ける流れにはならない……と思いきや、佐島は勝負をあっさりと受けるでは無いですか!
驚く周囲をよそに始まる真剣勝負。
亮太は持ち前の素晴らしい総合の技術を見せつけ、佐島を一方的に攻め立てます。
技術に裏打ちされた高速のパンチは目視することすら出来ない程なのか、佐島はサンドバックのようになっています。
まさかこのまま……?というムードが広がる中、あるきっかけから勝負は大きく動き始めました。
一方的に攻撃を加える姿にかつていじめられていた自分の姿を重ね、思わず嘔吐してしまった小坪。
嘔吐の飛沫が亮太の拳にかかり……汚れた拳から繰り出されたパンチを佐島があっさりと避けたのです。
その行動が意味すること、それは佐島はいつでも亮太のパンチを避けることが出来た、ということ。
佐島があえて攻撃を「受け」ていた、つまり佐島はシュートではなくプロレスをしていたのです!!
今まで反撃をしなかったのは、
佐島はプロレスに欠かせない愛の無い攻撃をしないから、だと確信する小坪。
その事実に加え、叩いても叩いても立ち続ける佐島に脅威を感じ始める亮太は焦りからか闇雲な打撃の反動からか、拳をいためてしまいます。
一瞬の後悔の後亮太が選んだのは
高速タックルからの腕ひしぎ十字固め!!
いかに階級が違えど、いかに体が強靭であろうと、ここまで腕が伸びきった腕ひしぎを返せるものなどいません!
しかし腕を折ってしまえば試合は止められる総合格闘技に生きてきた亮太は「腕が折れても終わらずに、まだ戦いを挑んでくるのではないか」という今まで体験したことが事の無い恐怖を感じ、躊躇してしまいます。
期せずして亮太は総合格闘技には無い、その先……プロレスの領域に足を踏み入れ始めたのでした!
この後この勝負は凄まじい盛り上がりを見せ、意外な決着を迎えました。
そして亮太とプロレスの物語は新たな展開を見せることになります。
二人の勝敗は?
明かされる亮太が内に秘めていた衝撃的な欠点とは?
どんどんと変わっていく亮太の内面と状況は先が読めないドラマを演出し、読者の目を離しません!
いよいよ収録された、力強い描画が活きている戦闘シーンは迫力満点!
読み手の中に熱い何かを滾らせてくれますよ!!
肉踊り汁が飛び散るプロレス漫画、「肉の唄」最新第2巻は好評発売中です!
黄昏の時代を迎えている感のあるプロレス、しかしその中に燃え盛っている熱い魂と愛を総合格闘家と言う視点から描いているこの作品、「プロレス?つまんねーよ」と思い込んでいる貴方もきっと楽しめる作品になっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!