3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「暁!!男塾 青年よ、大死を抱け」第23巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスデラックスより刊行、スーパージャンプにて連載されています。

作者は宮下あきら先生。
先生とその作品は「男塾」のテーマにて紹介をまとめておりますので、ご興味などが湧きましたらご覧下さいませ。

さて、第22巻ではあの赤石が不思議生物と化した敵に大苦戦。
必殺の斬岩念朧剣をも逆に切り裂かれ、絶体絶命に追い込まれてしまいました。

苦境に立たされた赤石は父の教えを思い出します。
ありがたい父の言葉、それは
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「生きて勝とうなどとと思うな、死んで死んで死にまくれ」。
えーと、流石に無茶があると思います!……が、赤石はその言葉を思い出し発憤。
最後の力を振り絞り、「一文字流秘奥儀 念朧微塵界」を放ちました!
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周囲の氷塊を利用して吹雪のような物を起こし、敵を凍り漬けにしてしまうと言う恐ろしい技!
さすがのとっておき、あっと言う間にあれだけ苦戦していた敵を完全凍結して勝利を収めました!!
しかしこの氷世界ステージじゃなかったらどうしたんでしょうね……
まあ細かいことを気にしてたらこの後のさらなる驚くべき展開についていけません!
赤石はやっぱり強いぜ!と素直に受け止めましょう!!

激戦で体力を使い果たした赤石は獅子丸達にメダルを託し、海中へと消えていきました。
残るはあの赤石すらも命を落としてしまう(多分いつものように死んでないんですけどね)強豪を統べる聖紆塵(ゼウス)のみ!!
ここで対戦相手として名乗り出たのは他でもない、謎の助っ人です。
そしてこの勝負、とうとうこの謎の助っ人の正体が明らかになるんですよ!
誰も予想すらしていなかったであろう正体が!!

遠く日本ではちょうどそのとき平八と熊田がその助っ人に関しての話をしています。
なんでも助っ人は「男塾の塾生でも卒業生でもない」「かつての宿敵」「正体を聞くと熊田がガチで驚く」人物であるとのこと。
賢明な男塾ファンならばこの条件に当てはまる人物など1人か2人位しかいないであろうことが予想がつくのではないかと思います。
でも年齢やら体型やら既に死亡してるやら、条件には合わなそうだとも考えるのではないでしょうか。
大丈夫です。
年齢や体型、ましてや生死など男塾にかかれば問題に含まれません!!
正体はこの男です!!
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まさかの藤堂兵衛!!!
あんた魁はおろか暁でも死んでるっぽい描写されてるじゃねーかよ!!というツッコミはどこ吹く風。
若々しい体は若歳灸という奥義を使って作り出されたものだそうで、体型的な問題はクリアしております。
とにかく藤堂が男塾と手を組む理由も定かではないまま戦いは続行されるのでした!
……で、散々正体をひっぱって明らかになったと思ったら、協力したわけは謎のまま負けて死んじゃいます。
もっとなんか、こう、大切にしてあげましょうよ!元ラスボスだったわけですし!!
……まあ多分例によって死んでないんでしょうけどね!!

ともかく藤堂の最後に報いるために獅子丸はゼウスとの勝負に挑みます。
桃ほどの安定感はない物の、流石の主人公ということで苦心の末ゼウスを倒すことに成功!
いよいよ優勝となった男塾の面々は敵のボスである五芒星の本拠地へと招かれるのですが、なんとそこは
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宇宙にありました!!
いよいよ宇宙に飛び出した男塾!
これ以上はもう行くさきがないことを考えても最終決戦となるでしょう!!
どうなる!男塾!!!

……流石に獅子丸達は平八みたいに宇宙は泳げないですよね……?

というわけでますます快調にとばしまくる宮下先生。
もう矛盾がどうとかファンタジーの領域には行ってきたとかそんなことを気にするのはバカらしくなってまいりました!
敵側にはどうやら邪鬼の息子である煌鬼までも洗脳されて手下となっているようで、いよいよ負けられません!
っていうか煌鬼もやっぱり生きてたんですね!!もう驚かないよ!!
ストーリー面でもあれだけ反目しあっていた藤堂が何故男塾に、平八に協力する事になったのかという謎を残すという宮下先生らしからぬ伏線のような物まで張られました!
これが明かされる日が楽しみでなりません!
矛盾なんて気にしない宮下先生といえど忘れて放置、とかは流石にないはず、ですよね!!
そのほかお馴染みの男塾名物や民名書房もまたまた登場し、お約束もしっかり収録!
ビックリだけでなく、押さえるところも押さえております!

とにかく驚くしかない展開が連続する「暁!!男塾 青年よ、大死を抱け」最新第23巻は好評発売中です。
予測不能、驚天動地のストーリーはもう読み手を捕らえて放さないこと必至ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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本日紹介いたしますのはこちら、「フープメン」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスにて刊行されました。

作者は川口幸範先生。
前巻と先生の紹介は09年7月4日の記事にて記載しておりますので。そちらもご覧いただければ幸いです。

さて、第1巻で通訳としてバスケ部に入部した雄歩が徐々にバスケにのめりこみ始めます。
チーム自体も要であるジョシュに加え、鐘という強い味方を得てパワーアップ。
盛り上がる中、因縁のライバルである常盤中央高校との練習試合が始まるのでした。

鐘が試合開始早々ダンクシュートを決め、いきなり今までと違う八柴を見せつけることに成功。
一人レベルが違うとしか言い様の無い圧倒的な技術を見せつける鐘ですが、常盤中央はならばと鐘に3人のマークをつけて無効化しようとします。
ですが八柴にはもう一人の凄腕、ジョシュがいるのです!
ジョシュは雄歩曰く「魔法のパス」によって常盤中央を完全に翻弄。
去年までならば50点差つけられるほど実力が上だったはずの常盤中央を相手に残り時間5分の段階で逆に40点差以上の差をつけてしまったのです!

勝ち誇った八柴の監督は強豪であるはずの常盤中央にメンバー全員の出場という余裕を見せ付けます。
私生活でも仲の悪い常盤中央の監督も半ば自棄になり2軍どころか3軍を出場させ、1・2軍を連れ出していずこかへと消えてしまいました。
もはや負ける要素は無いといった状況のこの試合ですが、この状況でめぐってくるのはわれらが主人公、雄歩の初出場!
今までの自分を作り上げてきた周囲に感謝しつつコートにたった雄歩は、試合開始直後からひたすら野次りつづけてきた態度の悪い常盤中央の1年生を仮想敵に想定。
ひたすら文句をたれる彼を以前の自分を超えると言う意味をこめてサトー君(仮)と命名し、
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磨いてきた実力を見せ付けて抜きさるのでした。

強豪である常盤中央を下し、更に上を目指そうと盛り上がる八柴の面々。
そんな折たまたま雄歩のいとこがバスケット東京王者である創瑛高校に通っていることが明かされ、練習を見学に行くことができました。
最強を目の当たりにしたジョシュは今のままでは八柴が創瑛に勝つことは難しいと考えます。
せめてもう一人、パワー型の選手がいれば変わってくるのですが……
と言うその時、バスケ部入部直後に停学を食らっていた、そして鐘を停学に追い込むきっかけとなった喧嘩を吹っかけた男、藤代が突然バスケ部に戻ってきます。
何かというとすぐ手が出る藤代ですが、喧嘩で鐘を負かしても意味が無い、鐘の得意とするバスケで叩きのめしてこそ意味がある!と、今度は真面目にバスケをしようと言うつもりのようです。
とはいえ性格が簡単に変わるわけも無く、
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たびたび暴れまわったり気に入らない鐘に襲い掛かかったりするのですが……雄歩のフォローなどもあり、何とか問題を起こさずにバスケに打ち込ませることに成功。
藤代は恵まれた体躯を生かしたリバウンドの技術を磨くことになりました。
一方の雄歩は今チームに足りないのは3Pシュートを決めるシューターだと判断し、毎日500本以上3Pシュートの練習をしつづけるのでした。

時は流れ、とうとう東京都選手権兼全国大会予選大会の日がやってきました。
ジョシュ、鐘、藤代と言う3本の柱を得た八柴は快進撃を見せ、みるみる勝ち上がります。
雄歩もワンポイントシューターとして3Pを決め、チームに貢献!
やがてブロック準決勝にまでたどり着きました。
ここまでくると対戦相手もかなりのつわもので、試合終了間際2点差で負けている状況に追い込まれてしまいます。
手堅く2点を取って延長といく手もあるのですが、藤代が5ファウルにより退場している状況だったので延長は不利。
いちかばちか3Pを放って逆転を狙うことになりました。
ならばと相手にブロックの的を絞らせない為に3Pを打てる選手の頭数を増やすことになり、雄歩もコートに立つことに。
とにかく打つよ?マークつけたほうがいいよ?と言う匂いを出していれば良いといわれる雄歩ですが、残り2秒になってジョシュが「魔法のパス」を送ったのは
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雄歩だったのです!

雄歩が一人の選手としての成長を見せ付け、物語は完結します。
このブロック準決勝のあと、雄歩たちがどのような高校生活を送っていったのかはおぼろげにしか描かれていませんが……創瑛と激突し、ひとつの証を見せつけたことだけは確かな様子。
主人公の活躍を「才能」の一言で片付けず、一つ一つ丁寧に一生懸命な練習シーンを描いた「努力」の成果による活躍を描いた作品は近年の少年誌では非常に少なく、それだけに逆に新鮮で共感を得られる作品に仕上がっています。
繰り広げられてきたであろう様々な試合や練習を見られなかったのは残念ではありますが、最終回ではうまくまとめられている読後感のいい結末に。
さらにラストには2Pの書き下ろしのエピローグ的なものが収録され、これからも続いていくキャラクター達の活躍を予感させてくれています。
もう少しじっくりと連載を続けてほしかったところですが……こればかりはしょうがないんでしょうかね……

友情、努力、勝利……というジャンプ3大要素を兼ね備えた、「フープメン」完結の第2巻は本日発売!
頑張りが報われる、努力型主人公の少年漫画を求めている方にはぜひとも呼んでいただきたい良作ですよ!
全2巻と言う寂しい結果ではありますが、それだけに手を出しやすいと言う利点もあるのではないでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ところで……帯に書いてある「第1巻売り切れ間近!!」の表記がなんか逆に寂しいのは俺だけでしょうか……


フープメン 2 (ジャンプコミックス)
集英社
川口 幸範

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本日紹介いたしますのはこちら、「鉄のラインバレル」第13巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は清水栄一、下口智裕の両先生。
今までの本作は「鉄のラインバレル」のテーマにて紹介をまとめておりますので、よろしければそちらも併せてご覧下さい。

第12巻では九条がペインキラーに搭乗。
圧倒的力で敵を倒すのですが、街を巻き込んでしまうと言う結果になってしまいました。

そんな状況で始まる第13巻。
九条は学校で早速女子生徒にいじめられます。
ですが今までのように怯えるわけではなく、
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ファクターになったことによる力を持って逆に女生徒を脅かすのでした。
本来マキナは人間を命の危機にさらしてしまった場合や、命の危機にある人間がいた場合の蘇生の為に人間をファクターにするもの。
ですが九条がファクターになったときに命の危険にさらされている状態ではなかったことは確かです。
ならば何故ペインキラーは彼女をファクターにしたのか……考えられるのはひとつ、「精神的な生命危機状態」と判断したと言うこと。
この普通ではない状況を、森次やレイチェルはマキナがファクターを求めて都合よくルールを捻じ曲げたのだと判断しました。
理解しがたい出来事に森次はマキナが信用に足る存在なのかどうかを疑問に思い始めます。
そしてそれは同時に石神社長が信用できるのかどうか、という問題にもつながるのでした。
その問題の解答を導き出そうと森次は早瀬を連れてある人物に合うことに。
ある人物とはなんと
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敵であるはずの加藤でした!

加藤との会話でさまざまな事実が明らかにされました。
ファクターとはマキナが人を殺す為に必要としていること、最後のマキナは加藤が持っていること、石神社長もファクターであること。
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そしてなによりも驚くべき事実、ラインバレルはすべてのマキナを破壊する存在で、厳密にはマキナではなく……全てをはじめた一人の人間だと言うのです!

謎が謎を呼び、それぞれの疑念や思惑が渦巻く中、早瀬と森次による加藤機関のプラントへの襲撃作戦が決行されます。
当然そこで加藤機関との交戦が始まるのですが、その場所には加藤機関のプラントなど存在しないではないですか!
あるのはキリヤマ重工の造船所!
石神社長の本当の狙いはその場所でラインバレルを、「城崎天児(きざきあまがつ)」を目覚めさせることだったのです!
突如としてラインバレルはその姿を変貌させ、
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早瀬のコントロールを受け付けなくなってしまいます。
内部では「マキナを殺せ」という言葉が繰り返され、凶刃を振るいつづけるラインバレル。
木崎天児とは!?ラインバレルの正体とは!?物語は急展開を迎えます!!

ラインバレルの正体に石神社長の思惑、九条の抱える危うさなどの、仲間であるはずの存在をも信じきることができない激動の展開。
物語は更に複雑化しているものの、確実に謎の解明は近づいてきているようです。
核心が明かされるのはそう遠くなさそうで、先がますます気になるところ!
また、城崎が早瀬に対する自分の気持ちに気付き、苦情に対してやきもちを焼くと言った新たなラブ要素が浮上。
ただでさえ複雑な人間関係に結う準不断な早瀬がどう決着をつけるのか楽しみにさせていただきましょう!


まだまだ盛り上がりつづけるリアルロボットアクション漫画、「鉄のラインバレル」最新第13巻は好評発売中です!
意外すぎる展開の連続に驚愕すること間違いなしですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


鉄のラインバレル 13 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
清水 栄一

ユーザレビュー:
ラインバレル、覚醒島 ...
核心にせまってきてい ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「水木しげる 奇談 貸本・短編名作選」です。
集英社さんのホーム社文庫より刊行されました。

作者は当然水木しげる先生。
水木先生のほか作品の紹介等は「水木しげる」のテーマにてまとめておりますので、お時間などございましたらそちらもご覧下さいませ。

さて、水木先生の古いレア目作品を集めてきたこの文庫本シリーズもとうとう6冊目となりました。
今巻では収録されている話のすべてが江戸時代などの昔の日本を舞台とした物になっています。
コミカルなものから恐ろしいもの、他作品にインスパイアされたものなど、昭和38年から昭和45年の間に発表された作品の詰め合わせです。

今回の本で目に付くのは既存の作品を水木先生がアレンジした話が多いことでしょうか。
例えば「皿」は夜な夜な井戸の底で皿を数えつづけるお菊と言う少女の求めている10枚目の皿を探して、河童が身を細らせながら奮闘する、番町皿屋敷+河童と言うワイルド極まりない作品。
しかも今作品のお菊は幽霊ではなく生身!
数えるたびに皿が足りない、でももう一回数えればもしかしたらあるかも……と言う期待感で300年若いまま生き長らえていたと言う設定なのです!
その発想は無かった!!

「異形の者」では死んだはずの女に山姥が取り付いて動き出し、仲間を呼んで広野に逃げようとするのを僧侶が阻止すると言うお話。
埋葬までの3日間、結界のようなものを張って祈ることによって山姥をやり過ごすのですが、死んだ女が魔物を呼び出したりして邪魔をする、最終的には「土精」を呼び出し、その土の精のまぶたを持ち上げ結界を見破る
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……と言った、ゴーゴリの「妖女」を漫画化したと言うべき作品なのです!
しかもこの作品が発表されたのは昭和39年。
同じく「妖女」を原作とした一部で有名な映画、「魔女伝説ヴィー」が昭和42年発表ですので、水木先生のほうが先と言うことになります!
さすが水木先生!時代を先取り!!

そして「深雪物語」はあの竹取物語をリメイクし、かぐや姫から出された無理難題に挑む婿候補達の奮闘をメインに描いた作品。
持ってこさせる宝物はどれもオリジナルで、原作よりもおどろおどろしいオカルトアイテムに変化しているうえ、原作ではあるのか無いのかすら定かでないものでしたが本作では普通に存在するのアイテムになっています。
そのアイテム群、「青い猿の首」は持った者がみるみる老いてしまうという恐ろしいもので、「芋虫のぬけがら」は頭にかぶると顔がその芋虫へと変じてしまうと言うグロいもの、
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「蜘蛛の水」は体内に入ると巨大なおぞましい蜘蛛に変身してしまい、「宇宙虫の卵」は孵化した宇宙無視がどんどん進化していきやがて育て主をも巻き込む戦争をはじめる……というどれにしろ不幸になるアイテムばかり!
突然出てきた宇宙という単語に驚く方もいらっしゃるとは思いますが、水木先生作品に宇宙人はもはやデフォルト!
かぐや姫は羽衣を身にまとって地球に湯治にきた宇宙人なんですから!!

このようなインスパイア作品群のほかにも、稀代の天才と思われた少年が実は宇宙人だったというとんでもない話「聖なる輪」、
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どう見てもねずみ男ないんちき忍者、木村白雲斉が忍者を目指す少年と騙し騙され合うコメディ「忍者無芸帳」「忍者は一度勝負する」、
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妖怪がこれでもかと登場し、取り壊されそうになっている長屋を守る「妖怪長屋」
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などなどの水木先生テイストあふれる作品が満載!
見所あふれる一冊となっています!

独特のテイストで紡がれる奇妙な時代漫画がたっぷり収録された「水木しげる 奇談 貸本・短編名作選」は好評発売中です。
時代劇と言う枠の中ですら宇宙人から妖怪まで幅広く(狭く?)カバーする、水木先生ワールドを堪能できますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!





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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん」第2巻です。
小学館さんから刊行されています。

今までの本大全集の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますので、そちらも併せてご覧いただけると嬉しいものです。

さて、このドラえもん第2巻では1962年度に生まれた方が当時の学年誌で読んでいたはずの流れで、小1~小6の間の63作品が掲載されています。

なかなか興味深い小学1年生向けの「第1話」が収録されていまして、俺や皆さんにおなじみだと思われる、きた早々いきなり餅食ってのび太に首吊り宣告するそれとはだいぶ毛色が違っています。
のび太がパパからおじさんあての手紙を出してくるように頼まれるのですが、のび太はそれをすっかり忘れてしずちゃんと遊びほうけてしまい、それをドラえもんとセワシがかわりに届けてあげるというお話に。
小学1年生向けだからなのかは定かではありませんが、のび太からこっそりと手紙だけ奪う道具に名前が無かったり、「セワシがのび太に変装して直接おじさんに手紙を届ける」という不可思議な解決方法、更にそこまでしてもらってしずちゃんの家から帰るときにきちんと手紙を出そうとしているのび太など、あまり普段のドラえもんでは見ないような描写が多数されています。
しかもその後手紙を出したのはドラえもんだよ、役に立つから一緒に住んでもいいよね、と言ったような説明は一切無く次の話からごく普通に共同生活が始まっています!
さらにパパとママが驚くほどやさしいのですが……この話ではのび太が1年生と言う設定ですのでパパママもきっと温かく見守っていたのでしょう……!

そして注目すべき最大の点が、闇に葬られたロボの登場です。
その名はガチャ子。
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……ちょっとかわいいとは言いづらい外見の彼女は、ドラえもん同様のび太を助けるために道具を出して奮闘するロボなのですが、とにかくドラえもん以上に慌て物で乱暴!
その性格が災いしてドラえもんと衝突し、共倒れ状態になってのび太が迷惑をこうむる結果に陥ってしまうのです。
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そしてガチャ子、この大全集のドラえもん第2巻では登場した話以外には出てきません。
他の学年誌ではもう何話か登場しているのですが、ドラえもんとは逆に一切の説明無く消え去ったガチャ子。
後にF先生自身にドラえもんに合わないキャラだから居なかった事にした、と言われてしまい……黒歴史になってしまうのでした。

また、こちらはすっかり準レギュラーとして定着するドラミも登場。
ドラえもんを休ませるために1日代理で未来からくるのですが、彼女の性格は現在とさして変わらずまじめで世話焼き。
ただ家庭科専用で機械に弱いと言う設定があり、なにかと失敗してしまいます。
空飛ぶじゅうたんを出そうとして
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こんないろんな意味で危険な道具を……!!
ちなみにこのドラミもこのあとのび太と一緒に住むよ!みたいな流れになるのですが、無かったことにされてます。
F先生おおらかだぜ!!

他にも油断しているとなきそうになってしまう感動系の話や、大全集のキテレツ大百科第1巻に収録されたある発明品とまったく同じコンセプトの道具が出てくる話、そしてかの有名な
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このお話も収録されており、見所は満天です!

もはやおなじみの資料的価値の高い雑誌掲載時の企画や予告、単行本では差し替えられた物語のオチなどが収録。
なかでもドラミちゃんが読者のアイディアによって生まれたキャラで、当初はドラえもんの恋人的キャラとして考えられていたっぽい事がわかるカットは衝撃的ですよ!

のび太がしずちゃんと赤ちゃんを作ろうとする「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん」第2巻は大好評発売中です!
いまやなかなか観ることのできない日テレ版ドラえもんの雰囲気をちょびっとだけでも味わえる(気がする)ガチャ子の活躍を堪能できるこの一冊!
もちろんいつものシュールなシーンも満載で
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楽しめること100%間違いなしです!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ドラえもん 2 (藤子・F・不二雄大全集)
小学館
藤子・F・不二雄

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