本日紹介いたしますのはこちら、「ネム×ダン」です。
徳間書店さんのリュウコミックスより刊行されました。
作者は大野ツトム先生。
同人活動などをされていた大野先生は07年、コミックリュウの漫画賞である龍神賞を受賞して商業デビュー。
その後本作を不定期にコミックリュウにて発表し、09年からは「夕ばえ作戦」でとうとう連載を始めた新鋭の漫画家です。
さて、本作は事件解決モノのギャグ漫画となっています。
地球に逃げ込んできた犯罪宇宙人を宇宙刑事と巻き込まれた主人公が退治するというシンプルな内容ですが、敵も味方も一捻りされた独自の設定が楽しい作品です!
主人公のネムは図書委員の南センパイに恋する普通の女子高生。
その日は図書委員の仕事で帰りが遅れたものの、センパイと2人きりで下校できて幸せいっぱい状態でした。
ですが近道をしようと通りがかった裏路地で怪しげな男と
怪しげな上に見た目まで変な人に遭遇!
更に最初に出てきた怪しげな人はいきなり
センパイの唇を奪ったのです!!
わけもわからぬまま驚きあわてるネムですが、突然怪しげな男が全身から触手を発射!!
その触手はネムへ一直線に伸び、絶体絶命のピンチとなってしまうのでした!!
気がつくとネムの前にもう1人の怪しげな人が立ちはだかり、触手から守ってくれていました。
その守ってくれた人はヤツは逃げたとつぶやいたかと思うと大の字に倒れてしまいます。
このままでは死ぬと語る彼ですが、自分のせいだと必死に謝るネムに手伝いを頼むのです。
「宇宙刑事特別現地補佐官」になれと言われ、わけのわからなさに拍車のかかるネムを突然頭から飲み込んでしまう彼。
飲み込まれたネムはなにやら不思議な空間に漂っているような感覚と気持ちよさに包まれ、なんだかボーっとしている状態のまま彼の手伝いをなし崩し的に受け入れさせられてしまうのでした。
怪しげな彼、宇宙刑事のエムダンが言うには、地球の銀河系は宇宙人が許可なく入ってはいけない空域となっており、そこに犯罪者が逃げ込んでしまったとのこと。
3人もの命を奪っている犯罪者を放っては置けないため、この件が解決するまでネムの体を貸してくれと言うのです!
ネムが目を覚ますと右手にネムダンの顔がくっついていました。
またも慌てふためくネムですが、先ほどの犯罪者は南センパイの中に入り込んでおり、早く助けないと同化して成り代わられてしまうと急がせます。
いとしいセンパイの危機と言うことでネムも自分から協力を決意。
犯罪者の元へと向かうのでした!
廃工場のような場所へとたどり着くと、そこには眠っているセンパイの姿が。
キスをすることで中に潜んでいる犯罪者を引きずり出せる……と言うことで、ときめきまくるネム!!
まぁキスするのはエムダンのいる手の方なんですけど。
引きずり出した犯罪者はやる気満々!!
そこでネムはエムダンに体の主導権を渡して戦ってもらうことに。
主導権、とやらを渡すと、まるで脱皮のようにネムの背中を破って出てくるエムダン!ちょっぴりホラー風味です!
ネムの体をかり、新品ボディを得たエムダンは先ほど殺されかけたのが嘘のように犯罪者を圧倒!
非道で自分勝手な犯罪者を怒りに任せて「処分」してしまうのでした!
再び主導権を渡してもらい、元の姿に戻るネム。
すっぽんぽんになってしまうのはいかんともしがたいですが、これで事件は解決!エムダンは速やかに体から出て行こうとします。
ところがそこで通信が入り、地球に逃げ込んだ犯罪者は一人ではないという事実が発覚!
「この件が解決するまで」協力することになっていたと言うことで、まだ続いているこの件、逃げ込んだ犯罪者の一掃が終わるまで戦うことになってしまうのでした!
というドタバタでちょっぴりエロスなギャグが魅力の本作。
ネムはすっぽんぽんになるだけでなく、お話の流れ的に何度となくコスプレをすることになってしまいます。
犬耳+しっぽ、スク水、蛮族の装いに女王様ルック
などなど、色々大変です!
読者的にはおいしくいただくわけですが!
更に憧れの君である南センパイも色々と受難の日々を迎えることになりまして、なにかと……というか毎回被害を被ります!
ブリーフっぽい見た目の宇宙人を履いてしまったり、宇宙人に取り憑かれてM奴隷ルック+鞭打ちをされたり、未知のウイルスに犯されて海パンが見る見る溶けて行ったり……
そんな状況とそれから必死に守るネムたちの奮闘なぞ露知らず、それら一切に気付かずあっけらかんと過ごすセンパイの鈍さというか、幸せぶりは只者ではなさを感じさせますよ!
その上意外といい雰囲気(?)になるネムと南センパイの間に割ってはいる南センパイの姪、梅子も登場してドタバタ劇はより加速!
毎回困り果て、でもちょっぴり役得も味わうネムの様子を笑いながら楽しむ、単純娯楽作品です!!
コスプレしてでも愛しいあの人(主に下半身)を守り抜く、「ネム×ダン」は全国書店にて発売中です!
肩の力なんて一切必要ない、気楽に読めるギャグ漫画である本作、
笑うも萌えるもその両方を楽しむもよろしいのではないでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!