カテゴリ: 平野耕太
「ドリフターズ」第5巻 動く出す黒王軍。決戦は幕を開ける。
「ドリフターズ」第4巻 なるか、無血国盗り!ちらつく廃棄物の影!!
「ドリフターズ」第3巻 豊久VSジャンヌ、与一VSジルドレ。漂流者と廃棄物、激突!!
「ドリフターズ」第2巻 漂流者よ、国を奪え!絶対的不利を覆す、島津の軍法とは!?
本日紹介いたしますのはこちら、「ドリフターズ」第2巻です。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行、ヤングキングアワーズにて連載されています。
作者は平野耕太先生。
本作第1巻を含めた平野先生の作品の紹介は「平野耕太」のテーマでまとめさせていただきましたので、よろしければあわせてご覧ください。
さて、戦場で死の危機に瀕したとき、突然奇妙な場所へとたどり着いたかと思うと、そのまま異世界へとたたき出された島津豊久。
どうやらこの異世界には豊久と同じように突然連れてこられた境遇の人物がいるらしく、彼らは漂流者(ドリフターズ)と呼ばれているそうで。
そんなドリフターズの織田信長と那須与一とであった豊久は、協力することになりました。
その三人の前に現われたのはオクトなる機関に所属しているらしい、オルミーヌと言う名の女性。
彼女によれば、ドリフターズは廃棄物と呼ばれる存在を倒すために呼ばれたんだそうですが……?
廃棄物はただひたすらに破壊と殺戮を繰り返す異世界からの人ならざる訪問者。
彼らは軍勢を率いてこの世界を滅ぼさんとしているらしいのですが、人知を超えた能力を持つ彼らに対抗できるのはドリフターズだけなんだそうで。
オルミーヌは豊久たちに力を貸してくれと頼むのですが、信長は渋い顔。
なぜなら、オルミーヌの所属するオクトは軍を持っておらず、いざ廃棄物の軍と戦うことになったらその領地の領主に兵を借りようと考えていたからです。
歴戦の信長からすれば、そんなことを言われてホイホイ兵を貸す領主なんていないとの事。
じゃあどうすればいいんだと声を荒げるオルミーヌ。
その問いに信長はこともなげにこう答えるのです。
「俺たちが国をとればいい」!!
信長たちは手始めについ先ほどたすけた(?)エルフの村に向かいました。
助けたと言っても彼らが半ば強引に助けたわけですが、助けられた方も手放しで喜べないようで。
彼らエルフは領主から奴隷のような扱いを受けているのですが、その領主が遣わした武官を豊久に煽られるまま殺してしまったわけです。
当然待っているのは報復。
仮にドリフターズのせいだと言う事で許されたとしても、その騒ぎで畑も半分焼けてしまい、税金を納めれば自分たちが食べる分がなくなってしまうことになります。
このままではどうしようもありません。
今もこの村には領主の放った討伐隊が向かっているはず、蜂起するしかないのではないか?
そんな声も出るのですが、戦ったことのない村人が性質が立ち向かったところで結果は火を見るより明らかです。
絶望ムードも漂う中、そこに乱入してきたのは豊久たち。
オルミーヌのくれた貼れば言葉が通じるようになる符(ホンヤクコンニャ符?)を使い、彼らを説得して仲間に引き入れ、国盗りの第一歩にしようとしているようです。
とはいえ今まで戦ったこともない者たちをたきつけるのは難しいはず。
しかし信長は、エルフ達が「数十年前人間達に攻め落とされて以来農奴として使われている」「長命で、本来自尊心の強い種族」であることだけを聞くと、いやらしく笑って豊久に耳打ちをします。
それを聞いた豊久は、信長は本当に嫌なヤツだと言いながらもその耳打ちどおりエルフ達を煽るのです。
恥ずかしくないのか、祖先に。
恥ずかしくないのか、子孫に。
お前達、国は欲しくないか、と!!
その叱咤はエルフ達の心を揺さぶったようです。
彼らは豊久たちに戦い方を教えてくれと積極的に戦いに挑む気概を見せてくれます。
領主達が差し向けてくるであろう討伐隊が到着するまで、おそらく2~3日と言ったところ。
その間に戦の素人ばかりを率いて敵を片付けなければなりません。
僅かな時間と、心もとない兵。
この状況をどう打破するのか、島津の軍法を見せてくれ、と信長は豊久に無茶振り。
……といいたいところですが、こと戦に関しては大真面目な信長と豊久。
豊久にはしっかりと策があるようです。
敵をこの村にすべて入れてしまう、と言う策が……!
討伐隊が村にたどり着くと、そこはもぬけのから。
井戸に糞尿が投げ込まれていたり、各家の土間とトイレの土が掘られてなくなっていたりと不思議な点もいくつかあり、ただ逃げ出したわけではなさそうだと言うことは彼らにもわかるようです。
そんな彼らの様子を、高い木の上から窺っている豊久たち。
今宵あいつらを皆殺しにする、ことごとく首を取る。
豊久は冷静に、冷酷な言葉を紡ぎます。
劣勢を覆す、島津の軍法とは?
豊久、信長、与一。
歴戦の勇士たちが見せる、壮絶な戦の火蓋が切って落とされるのです!!
というわけで、ドリフターズの戦いが本格的に始まる今巻。
廃棄物と戦うための国盗りに挑むわけですが、歴戦の豊久たちにとって雑兵同然のそこいらの兵たちなど相手にはならないでしょう。
本当の戦いはやはり、VS廃棄物と言うことになるでしょう。
廃棄物もその動きを本格化し始めています。
奇跡としか言いようのない奇跡を起こし、絶対のカリスマを感じさせる黒王。
そして様々な能力を持つジャンヌ・ダルク、ラスプーチン、アナスタシア……
そんなドリフVS廃棄物もいよいよ始動!
各地に散らばるドリフターズはいずれ集結するのか?
廃棄物たちの目的は?黒王の正体は?
その戦いを眺める「紫」と「EASY」とは何者なのか?
迫力あふれるバトルに中二心くすぐられる台詞回し、更に数多くの謎も用意された本作から、ますます目が離せませんね!!
1年ぶりの待望の刊行、「ドリフターズ」第2巻は全国書店にて発売中です!
物語の謎はまだ解明される様子すらないものの、物語は着実に進む本作。
謎解きはとりあえずおいておいて、豊久たちの繰り広げる策略+力任せの血みどろバトルを堪能するのもよろしいかもしれません!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!