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本日紹介いたしますのはこちら、「ST&RS-スターズ-」第1巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は原作が竹内良輔先生、漫画がミヨカワ将先生。
竹内先生は99年に少年ジャンプの天下一漫画賞で最終候補に残り、00年に手塚賞の佳作を受賞された漫画家です。
その後しばらくたった10年にジャンプNEXT!にてデビューし、本作にて原作者として初の連載となりました。
ミヨカワ先生は05年に少年ジャンプの十二傑新人漫画賞で審査員特別賞を受賞。
読み切りを数作発表した後、こちらも初の連載となりました。

さて、本作は主人公達が宇宙飛行士を目指して様々な試練に立ち向かっていくお話となっています。
バトルものでも日常ものでも、ギャグやホラー、ミステリなどでもお色気要因でもない漫画がジャンプで連載されたりするのはなかなか珍しい感じがしますが、本作はそれでもジャンプ伝統の「友情・努力・勝利」を体現した作品となのです!

2019年9月1日。
世界中が沸き立つ衝撃的な発表がニューヨークで行われました。
私達はこの宇宙で孤独ではなかった。
……ついに地球外知的生命体、宇宙人のメッセージを受信および解読することができたのです!
盛大なセレモニーの中、そのメッセージの発見者として壇上に呼び出されたのは天文学者ドレイクの孫娘、フィフィー・コリンズ。
まだ少女としか呼べないとし若い彼女ですが、10歳で大学を修了し、幾度も超新星を発見するなど、天文学会では有名だそうで。
彼女が緊張しながら語ってくれたのは、祖父と一緒に観測してこのメッセージを発見したのだが、祖父は足後悪くて来られなかったので一人できた、と言うことから始まりました。
2019年8月10日6時35分、地球から見て銀河の中心から逆方向、冬の天の川と呼ばれている奉公から送られ北と言うこのメッセージ、その内容は
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「2035年7月7日、私達と火星で会いましょう」と言うもの!
これによって国際宇宙連合は「ST&RS(スターズ)」と名を変え、その日のために人類を火星に送り込む計画が一挙に進行。
再び月への着陸や宇宙ステーションの建設、宇宙飛行士養成学校の設立など、大規模な計画が次々と完遂させられていき……世界はまさに一丸となったのです!!

そのメッセージが届いたと言う8月10日、日本時間で12時2分。
二本のある赤ちゃんが生まれて初めての「言葉」を発しました。
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「かせい」。
赤ちゃんを溺愛していたご両親は、特に宇宙的なテレビや会話などを聞いていたわけでもないのに突然「火星」と言い出したその姿を見て、その赤ちゃんを宇宙飛行士にするしかない!と意気込んだのです。

そして時は流れ、14年後。
その赤ちゃん、白舟真帆もすっかり成長を遂げ、中学生になっていました。
どんな少年に成長していたかと言うと……両親の目論見どおりなのか本人のもともとの素質(?)だったのか、すっかり宇宙大好きっ子になっていました。
授業中でも空を見上げて宇宙ステーションを探していたりする彼、とにかく宇宙に関してだけにしか興味がないかのような感じで……幼馴染の星原めぐるも、高校受験まであと3ヶ月しかないのに宇宙ばっかり見て浪人でもするつもりなのかとやきもきしちゃっております。
特にそのころはこんな時期なのに転入してきた優等生、宙地渡の本格的な優秀さと比較されたりもしてしまい、ますます不安を煽ってしまうのです。
めぐるはこうなったら優秀な渡の力を借りてでも真帆を勉強させようとするのですが、真帆にはどうもその気すらない様子。
ですが進学する気が無いと言うわけでもありません。
皆が受験する高校の名前を書く用紙を、真帆は白紙で提出。
どうする気だと突っ込む先生に、
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「宇宙学校を受けてくる」ときっぱり宣言したのです!!

やはり火星に行きたいという夢を追っていた真帆、冬休みにあるという宇宙飛行士を養成する宇宙学校の入学試験を受けることにしました。
周りは無理だろうと言うムード(の中にもアレだけ宇宙が好きならあるいはと言うものもいましたが)の中でも、揺るがず試験を受けると譲ることは無い真帆。
ですが、そんな彼は重大なミスを犯していたのです。
入学説明会の申し込み期限のころ、ちょうど盛り上がっていた新しい超新星の発見に興奮していた為、大事な申し込みそのものを忘れていたのです!!
このままでは受験をする以前の問題。
真帆は落胆を隠せず、学校では物凄い勢いで意気消沈した姿を見せていたのですが……
もし、宇宙学校に誰かが申し込んでいたら、1人の申し込みで3人まで説明会に行ける、と言うことで、ほんの僅かに希望が残されています。
たまたまこの学校に宇宙学校を受ける人がいるとは考えづらいところですが……真帆はなぜか渡が申し込んでいるんじゃないか?と踏んでいるようです。
何故そう思うのか、とわかりやすい探りを入れられた渡本人が真帆に問い返すのですが、真帆は当たり前のようにこう返すのです。
授業中の宇宙ステーション探しのときは自分より早くから見ていたし、毎朝ST&RSの日報が更新されるときには携帯を触っているし、放課後の掃除の時にはいつも金星を探している。
それらのことを考えれば渡が宇宙好きであることは明白だ、と!
それならばひょっとして申し込みもしているのではあるまいか、と思っていたわけですが、実はビンゴ。
ちょっと興味があって申し込んだだけだったようですが、行く気まんまんマンがそこにいては一緒に行かないわけにもいかないでしょう。
渡は真帆と、保護者気分のめぐるとともに説明会に行くことを決めたようです!!

説明会で待っていたのは、美しい女性に成長していたフィフィー説明と、大きな会場の全体を使って映し出された圧巻の立体プラネタリウム。
合格者名1%未満だという狭き門とのことですが、この美しいプラネタリウムと、フィフィーの情熱的な説明によってめぐるもなんだかやってみたい気になってきました。
説明が終わってひと段落ついたときに、すごいねと真帆&渡に振り返ってみると……
なぜか2人は説明のことなどそっちのけで何か話し合っています。
そして説明会自体はまだ終わっていなさそうなのに、真帆は間違いないといいながら係員達のいる部屋へと走っていきました!
当然係員に制止されてしまうのですが、運よくその騒ぎを聞きつけてフィフィーがその場にやってきます。
彼女に対して真帆は、
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「あのプラネタリウムは壊れている」と訴え始めるではありませんか!!
上手く言葉で表せない真帆の指摘を、渡が専門的にわかりやすく訴えなおすと、どうもそこかしこで惑星の位置などがずれていた、と言うことのようです。
係員も本当なのか、もし間違っていたら恥ずかしいどころじゃないぞとざわめき立つのですが、フィフィーはなんとその指摘を聞いて
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「正解」だと言うのです!
なんとそのずれ、自分で問題を見つけて解決する宇宙飛行士になってほしいとの願いをこめてフィフィーがデータをいじって生み出したものでした。
この一組しか見抜けなかったのは残念だったようですが、素直に真帆たちを見込みがあると称え、頑張ってと激励してくれます。
真帆は即座に火星に行きたいんで絶対(宇宙飛行士になる)!と返答。
めぐるはコイツ赤ちゃんのとき始めてしゃべった言葉が火星だから思い込みが激しいんです、とフォローするのですが、そのしゃべったと言う時間を聞いたフィフィーの顔色が変わりました。
日本時間で12時2分、世界時だと3時くらい。
発表されていた例のメッセージを受信した3時間半前なのですが……じつは公にされていないもう一通の宇宙人のメッセージをその時間に受信していたのです!!
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単なる偶然とは思えないこの一致。
果たしてこれが意味するものとは何なのでしょうか。
それが明かされるのはまだまだ先のことになるでしょう。
そして、その前には宇宙飛行士になり、その宇宙飛行士になるための学校に受からなければなりません。
狭い狭い門の入り口は、真帆たちに開かれるのでしょうか……!?

というわけで、少年達が宇宙飛行士を目指す本作。
勉強も運動もそれほど突出したものを持っていない真帆ですが、彼はひとつ他の人には真似できないある特技を持っており……
それらもあわせ、真帆はただの宇宙好きではないことは明らかで、同時に火星に行く計画には「力のある子供」が必要とのこと。
真帆のその能力は、必要とされている力ある子供の証なのでしょうか?
そして始まる宇宙学校の試験。
多くの同好の士とともに奮闘することになるわけですが、宇宙飛行士になろうと言うのですから簡単な試験などありません。
新たなキャラクターなども登場し、彼らと切磋琢磨していく様子もこれから描かれることでしょう。
彼らの活躍や数々の謎など、今後の展開が楽しみでなりませんね!!

宇宙人との出会いを目指す、「ST&RS-スターズ-」第1巻は好評発売中です!
宇宙飛行士になるための難関に立ち向かう本作。
物語の展開上、訓練および試験がメインとなるわけで、どうしてもド派手な展開にはしづらいでしょう。
ですがそれでも仲間との友情や、バラエティに富んだ試験内容、思いもよらないトラブルの勃発、など飽きさせることの無い物語作りがされています。
地味目な題材だからとスルーするのはもったいない面白さを持った作品ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ST&RS─スターズ─ 1 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-11-04
ミヨカワ 将

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