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今回紹介いたしますのはこちら。

「少女ファイト」第17巻 日本橋ヨヲコ先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


さて、朱雀との激戦を乗り越え、準決勝に進出した黒曜谷。
次なる相手は曲者を越える曲者、青磁高校。
不気味な動きを続ける雨宮麻耶率いる青磁高校に、練たちは勝つことができるのでしょうか……!?



様々な人物の思惑が錯綜した末、とうとう対決の時を迎えた黒曜谷VS青磁。
勝負の幕を開けるのは、練のサーブでした。
相手のコートに立っているのは、小学校時代にチームメイトだった相手。
そんな過去のことを思い起こしながら、練はサーブを放ちました。
強烈の一言に尽きる練のサーブ。
ですが青磁のメンバー、亜莉はそのサーブの軌道を見極め、
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しっかりとレシーブして見せました!!
そして摩耶、あすかとしっかりとつなぎ、黒曜谷のコートにかえしてみせたのです!
幸いボールはギリギリでラインの外。
先取点は黒曜谷でしたが……驚くのはその黒曜谷の面々です。
練のサーブの強烈さを誰よりも知っている彼女たちは、まだボールを見慣れていない一発目のサーブをAキャッチしたことに驚きを隠せません。
ですが最初の一発をたまたままぐれで返せただけ、ということもないとは言い切れず……

次なる練のサーブも、一発目と変わらない威力で青磁のコートに襲い掛かります。
ですがその二発目も、亜莉は目を見張る動きでしっかりレシーブ!!
今度は摩耶から良枝につなぎ、一転取り返してきたのでした!
黒曜谷の面々は、先ほどのレシーブがまぐれではないことを見せつけられ、改めて驚愕。
いままであまたの得点をもぎ取ってきた練のサーブが通用しない……
それは青磁高校が今までの敵に引けを取らないどころか、それ以上の実力を秘めていることを現しています。
そんななか、今度はそんな青磁の摩耶のサーブが黒曜谷に襲い掛かりました。
こちらもしっかりとレシーブし、厚子のパワフルなスパイクで反撃するものの、そのスパイクすら亜莉は受け止めて見せたのです!
さらに亜莉の活躍はとどまるところを知りません。
そのあともサラの速攻を軽く止めて見せ……気づけば1-3でリードを許す状況になってしまいました。
驚くべき亜莉のレシーブ力。
練によれば、彼女のレシーブ力は練を超えている、といいます。
練はサーブもアタックもレシーブもすべて非常に高いレベルの能力を備えています。
そして、自分のみならず、他人の実力を冷静に分析する力もあるのです。
その練をして、自分よりも優れているという亜莉のレシーブ力は、もう何も通用しない、と言っていいレベルでしょう。
となれば彼女の取れない位置に撃ち込むほかありません。
そんな亜莉にも弱点はなくはありません。
彼女の持っている、場面緘黙症。
家族などのごくごく近しい気の許した人物の前では普通にしゃべることができるものの、それ以外の人物の前ではまるで話すことができなくなる……
それはつまり、後ろからの声出しができないということ。
彼女の最大の能力は「位置取りの読み」の鋭さなのですが、それを他のメンバーに伝えることができないのです。
攻め方を変えて打開しようとする黒曜谷。
なのですが、逆転どころか点差はじわじわと開き、2-6になってしまいました。
勿論青磁の選手がいずれ劣らぬ実力者ぞろいであることもその一因ではあるのですが……
この試合の直前に起きたごたごたによって、サラが絶不調であることが大きく作用しています。
ユカや鏡子によって励まされ、少しずつではあるもののその気持ちを立て直すサラ。
とはいえ彼女の気持ちが完全に建て直されるには、まだもう少し時間がかかってしまうことでしょう。

サラがいったん下がり、また作戦を変えていく黒曜谷。
亜莉のブロックを警戒し、練はブロックアウトを狙って得点を取っていきます。
するとあすかは突然、練を指して叫ぶのです。
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でたー!亜莉に拾われだすとすぐブロックアウトに逃げる―!!
……まったくもってその通りなのですが、レシーブでとられるならブロックアウトを狙う、というのは当たり前の戦略でもあるわけで。
何を言ってるんだ?ときょとんとする厚子や伊丹なのですが……
そんなあすかに、摩耶はそんな今こそあすかが反撃するターンなんじゃないの?とささやきかけるのです。
するとあすかは、人が変わったかのように生き生きとしはじめます。
驚くべき体あの柔軟さを生かし、あらゆる姿勢から、思いもよらない角度でスパイクを放つあすか!
点差は一向に縮むことなく、10-16と依然青磁ペースで試合は進んでいくのです。
……あすかは昔チームメイトだったころ、練にいじめられた……と思い込んでいます。
摩耶はそんなあすかに、あすかが気持ちよくなるような言葉をささやき続け、その歪みを一層歪ませながら、思い通りに操っています。
摩耶ははっきりいって、ほとんどの人間を自分の道具としか思っていません。
今必要なだけの道具として扱われていることも知らず、あすかは気分良く操られ続け……
不倶戴天の仇、と思い込んでいる練を追い詰めつつある今、その気分は絶頂にまで達しかけているようです。
いじめっ子は最期に自滅するんだよね?摩耶!
摩耶が練のこと教えてくれなかったら騙されるとこだったよ、みんなを守ってくれてありがとね。
……その言葉を聞いた学は……
コートに手をかけてあすかをにらみつけ、こう言うのです。
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人を嫌うなら一人で孤独に嫌ってくださいよ。
誰かの後押しがないと嫌えないなら妄想なんですよ!
利用されてることに気づいてないんですよ!
練さんがどれだけ苦しんできたかも知らずに!!
あの優しく忍耐力もあり、冷静さも兼ね備えている学。
そんな学が、ここまで怒りを表すとは……!
練たちには心配され、審判には警告を出されてしまい、学のメンタルは大崩れしてしまいました。
そのままずるずると試合も進んでしまい、14-25で1セット目は取られてしまう黒曜谷。
ベンチに戻った学は滋になんでもいいからしゃべってみろ、と諭され……
ぼろぼろと涙を流しながら、思いのたけを明かしてくれます。
私、生まれて初めて人を殴りたいです。
自分の中にこんな衝動があるなんて。
ごめんなさい、試合中にこんなことを……
自らの心の動きに動揺を隠せない学ですが、そんな彼女に練は語り掛けました。
よく聞いてね。
中3のとき、横断歩道で学に再会しなかったら私は今このコートにいない。
学は私にとって、友達以上の存在。
あの受験の日から、中学時代から、こんなことを思える日が来るなんて思わなかった。
寄り添ってくれてありがとう。

練の心からの感謝の言葉を聞き、学は落ち着き始めたようです。
次のセットには鏡子もでますし、反撃に転じることができそう……なのですが。
その時ひそかに、摩耶がほくそ笑んでいたのです。
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練の鍵はこっちか。
摩耶の最大のターゲットである練。
彼女を揺さぶる為に必要なのは、滋ではなく……学。
摩耶のどす黒い感情は、学へと矛先を向けて……!!



というわけで、青磁戦が始まる今巻。
今までの戦いとは違い、今回の敵は絶対的なヒールと言っていい摩耶となっています。
青磁のメンバーは、亜莉はもちろんのこと、いずれも実力者ぞろいなのは間違いありません。
それだけでも白熱した試合になることは間違いないのですが……摩耶の読み切ることのできない邪なる策謀がそこに加わることによって、「白熱」とは違った色合いの戦いへと変わってしまうのです。
数々の人間を巻き込み、混沌とさせていく摩耶。
彼女の狙い、彼女が求めている最大の物とはなんなのか……?
これからもなお続いていくであろう彼女の策謀を打ち砕き、黒曜谷は勝利を収めることができるのか?
この後もさらに目の離せない戦いになっていくことでしょう!!

そんな試合が始まる前、今巻の前半には鏡子と雲海、そしてサラの三人を中心とした激動の出来事が描かれていきます。
こちらでは大人の企みが三人に襲い掛かり、大事な試合前に心を揺さぶって……!!
試合とともに、こちらの人間ドラマも見逃せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!