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今回紹介いたしますのはこちら。

「徳川の猿(ましら)」第2巻 藤田かくじ先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、徳川家斉の元、江戸の町を狙うテロ組織「天狗」を打ち倒すために結成された「猿」。
ひょんなことから猿の一員となった少女剣士・鈴は、その戦いの中に身を投じるのでした。



猿に新たな任務が舞い込みました。
その内容は、このところ続けて力士が襲撃されている、という事件の解決です。
今のところ致命傷を負っている力士はいないものの、近々将軍に相撲を見せる上覧相撲が予定されていまして。
このままでは、上覧相撲の開催に支障が出てしまいかねません。
これは上覧相撲を妨害しようと目論む天狗の仕業だ、ということで猿に白羽の矢が立ったのですが……
今回の仕事、興行主たちからも金が出ているそうで、うまいこと解決をできれば相当実入りの方も期待できそう。
猿はみんな何かと入用な女性たちぞろいですから、是非ともここはしっかり勤め上げてお金をいただきたいところ!
早速一同は、目撃情報から割り出された下手人の特徴を聞くのでした。

没落した服部忍軍の9代目頭領、小虎。
頭首と言えば聞こえはいいですが、今の小虎は猿の一員にすぎず、昼の間は湯屋の仕事で日銭を稼いでおります。
その湯屋の仕事も妙に忙しいおかげでなかなか夜の仕事……猿の業務に手が回らず、ほとほと困り果てていました。
いつか猿の仕事でがっぽり稼いで、影の軍団を再興する。
そんな野望も、いつの日になる事かわかりません。
ところがそんな時でした。
湯屋の客の一人に、聞き覚えのある特徴を持った人物を発見したのは!!
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身の丈六尺、筋肉質で日焼けした肌。
そして、尻に三日月型の傷。
見るからに腕っぷしの強そうな、筋骨隆々の女性……!!
一目見てピンと来た小虎、思わぬところで下手人の目星がついた幸運にほくそ笑むのでした!!

その夜、早速小虎はあの女性の下に向かいます。
彼女はこの辺りではちょっとした有名人。
女性のボテフリ(天秤棒で商品を担ぐ物売り)で、名前は確か……心(しん)。
すぐさま彼女を見つけ、様子をうかがっておりますと……やはり彼女、知り合いらしい女性と別れた後、怪しい仮面をかぶって夜の闇へと消えて行くではありませんか!!
やはり彼女が下手人のようです。
小虎は早速心に接触。
魚屋心、魚河岸が開くにはまだ早いぞ。
それとも、相撲を取りに行くのか。
……その事羅の言葉を聞いた心は、全部知ってるって顔だな、と振り返りました。
もちろん大人しく捕まってはくれないでしょう。
私が相撲を取ってやる、こい天狗、と蹲踞する小虎!
心は少し考えた後……死んでも知らねえぞ、と同じように蹲踞するのです。
小虎は内心ほくそ笑んでいました。
これで刃物で傷つけずに捕まえることができる……!
とうぜん生け捕りにすれば拷問なりなんなりで天狗の情報が引き出せるはず。
そうなれば分け前も一層増えるというものです。
心はと言いますと……どいつもこいつも天狗って、あたしはカッパだっつうの!という叫びとともに早速つっかけてきました!!
そのぶちかましは、まともにくらえば小虎の様な軽量の女性など、それこそ死んでしまいかねない強烈な威力を秘めています!
が、小虎はそこにこそ勝機を見出していました。
相撲取りは立ち合いの時首が無防備になる。
その一瞬、顎に掌底を合わせる!!
いかに鋭いぶちかましと言えど、小虎ほどの実力者なら、来ることがわかってさえいれば掌底を合わせるのも難しくはないのでしょう!
その狙い通り、
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的確に心の顎に掌底をぶち込むことに成功しました!!
がくんとバランスを崩す心。
よし、と勝利を確信した小虎なのですが……
何とココロ、そこから踏ん張って態勢を整え、小虎の腕をつかんだではありませんか!!
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そして信じられないほどの剛力で小虎をぶんまわし、放り投げたのでした!!

幸い受け身は間に合いました。
が、その剛力で地面にたたきつけられたダメージを殺しきることはできず。
全身がしびれ、全く動くことができなくなってしまったのです。
回復するまでには数十秒の時間がいるでしょう。
心の方は、もう勝利を確信しているようですが……
膝をつくとこだったぜ、あんなに効く張り手は初めてだ。
……バレちまったか、心が痛むが仕方ねえ。
一人そう呟くと、ゆっくりと大の字になっている小虎へと近づいて行きました。
小虎の傍らまでたどり着きますと、ゆっくりと足をあげ……
四股を踏むように、思い切り小虎に向かって、足を振り下ろしたのです!!
が、その直前のことでした。
小虎の相棒、忍モモンガ(?)のモモが心の顔に飛びついてくれたのは!!
いきなり視界を奪われた心は、足を小虎から踏み外してしまいます。
さらにモモは顔にかじりつき、さらに時間を稼いでくれました!!
時間にして数秒ですが、小虎が何とか戦えるようになるには十分な時間……!!!
すかさず心の足に絡みつき、
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ヒールホールドを極めたのです!!

勝負は決しました。
が、技を解くなり足をひねるなりする前に、ハッキリしておかなければならない事があります。
心は、「カッパ」だと言っていました。
ということは彼女は、天狗の一員ではないのでしょうか……?
自分は天狗なんかじゃない、河童が相撲を取るのは昔話なんかじゃ定番だろう、という心。
このごに及んでそんなよくわからない言い逃れをするとは思えませんが……
どうしたものかと小虎が決めあぐねていますと、そこに一人の女性が駆けつけてきました!!
天狗……ではありません。
先ほど心がカッパに変身する前に会っていた女性です。
なぜか彼女、泣きながら心の行動をとがめてきて……
そして、この後天狗ならぬ、カッパ事件の真相が明らかになるのです!



と言うわけで、小虎が主役となるエピソードが収録された今巻。
今巻はその他のキャラクターの活躍するお話も用意されております。
鈴とともに本作の主役と言っていい、月と犬千代がメインとなるお話はもちろん、なんとその月と猿の中ある人物が戦うことになるお話が!
月の格闘能力の高さは誰もが知るところですが、猿の面々も腕利きぞろい。
得意の戦法に持ちこんだり、月の弱点を突けばどう転んでもおかしくはありません!!
紹介させていただいたカッパ編も予想外の展開を迎える面白いお話でしたが、その他のお話も目が離せませんね!!

そしてこの後、物語は長編に突入!
今度の敵は、なんと大奥の内部にいるようです!!
大奥の内部に入り込むだけあり、かなりの曲者であろうその敵、今度こそ天狗の一員であることに間違いはなさそう。
天狗にいるからには戦闘力も並ではないでしょうし、彼が使っているとんでもないものは非常に厄介です。
さらに場所の都合上、あまり派手に動き回れば猿のトップである黄金の首が危うくなって来ると言うこともあり……
牙を剥く天狗の侵攻は、さらに厳しいものとなることでしょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!