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今回紹介いたしますのはこちら。

「コロコロ創刊伝説」第5巻 のむらしんぼ先生 

小学館さんのコロコロアニキコミックスより刊行です。


さて、のむらしんぼ先生によってコロコロコミックの歴史が描かれていく本作。
連載開始当初は、早めのスパンで様々なお話を描いていらっしゃいましたが、連載が軌道に乗ったこともあるのか、最近はひとつひとつのエピソードを長く描かれるようになってきました。
そんな今巻は、一冊まるまる使ってある作品にまつわるお話を描くのです!



コロコロコミック編集部では、異様な光景が広がっていました。
集まっている編集者数名が、みな一様にライバル誌であるはずの少年ジャンプを読み漁っているのです。
詳しいことを知らない女性社員は、週刊コロコロでも作るつもりなのか、とその様子を怪訝な瞳で見つめております。
するとその時、編集長の平山がこんな声をあげるではありませんか!
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クリリンが、天下一武闘会の後に殺された……!
……その展開に驚きの声を上げた平山。
もちろんこれは、ただ漫画を読んで楽しんでいるわけではありません。
編集者の一人は、編集長の予想は外れたけど自分の「男塾」の展開の予想は当たりましたよ、と笑顔。
そして、ジャンプの漫画はよくできている、引きこまれて続きが読みたくなるよう工夫されている、と感心するのです。
これはかつてのコロコロで本当に行われていたと言う、「ジャンプ研究会」の一幕。
当時飛ぶ鳥を落とす勢い、という言葉すらも生易しいほどの大人気を博していた週刊少年ジャンプ。
そんなジャンプの攻勢に負けじと、ジャンプのいいところを分析し、ジャンプにはない魅力で次なるステップへ進もうと考えていたのです!!
ジャンプにないもの、ジャンプが見つけていない子供が熱狂する世界。
そこにコロコロが培ってきた漫画とオモチャのノウハウの全てを叩き込む!!
編集長のそんな熱い思いに、早速一人の編集者……黒川があるものを差し出しました。
これです。
これがジャンプに勝てる新兵器です!!

黒川は、かつて「ラジコンボーイ」の担当をした編集者で、田宮模型(現在のタミヤ)とのパイプを持っていました。
そんな関係もあって、数年前開催された第1巻コロコロラジコングランプリに黒川は参加していました。
そこで黒川はこんな光景を目撃していたのです。
会場にごった返す大勢の少年たち。
このイベントではラジコンが無料体験できるとのことで、会場前には500人、イベントが始まった後は1000人を超える行列ができたと言うのです。
そんなかい上の中で黒川は子供同士のこんな会話を耳にしました。
ラジコンってかっこいいけど高いよな、触れてうれしいぜ。
……確かにラジコンは、本体が15000円、プロポが3000円と、子供のおもちゃとしては相当高価。
子供たちの定番のおもちゃとしては高級すぎる、と今更ながらに思い知らされ……
そして黒川は、同席していたタミヤの前田さんにこう語りかけたのです!
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ラジコンって、ベンツだよね。
僕ら大人にはベンツは憧れだけど高嶺の花!
子供たちにとって同じくラジコンは、ベンツのように欲しくても手が届かない!
ラジコンは楽しいけどお金がかかる大人の遊び、子供が気軽に遊べるマシンじゃない。
日本中の子供にもっと安く、楽しく、タミヤのマシンで遊んでもらいたい!!
奏熱弁を振るった黒川ですが、どうやらタミヤの方も同じことを考えていたようで。
今こんなものを作っているんです、とある試作品のおもちゃを取り出しました。
それこそが
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レーサーミニ四駆!!
小さく安価ながら、高速で走る上に四輪駆動!
形もオフロードラジコンと同じ!!
これに子供が食いつかないはずがありません!!
タミヤとコロコロががっちりタッグを組んで、全国にこのミニ四駆を広める。
そうすればこの会場に来ている子供たち全員が自分のマシンを手にして大会で競い合うことができる……!
これこそがコロコロ読者が夢中になれる存在。
そして、ジャンプに勝てるモノ!!
黒川と前田はそう確信し、ミニ四駆への注力を硬く決意するのでした!!

打倒ジャンプの新兵器、ミニ四駆。
平山は今一つピンと来ないようなのですが、黒川はここで熱く語り始めました。
このジャンプ研究会で、コロコロにできてジャンプにできない事を考えていた。
そこで、漫画の作り方に考え付いた。
ジャンプの漫画は面白いが、読むだけで実際に「体験」はできない。
しかし、コロコロには実際に存在するホビーを漫画に登場させることができる!
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漫画に登場するのと同じマシンがあれば、主人公の気持ちになって友達と戦ったり、大会に参加して実力を試したり、日本一を目指したりと、漫画の面白さを「本当に体験」出来る!!
漫画、記事、イベント。三位一体の展開……
これこそが面白さ徹底追及のコロコロの漫画づくりなのではないか!?
その黒川の熱弁を聞くと、平山の脳裏にも徐々に「そのシーン」が見えてきます!!
これぞコロコロだ、と編集部一丸となって仕掛けるミニ四駆攻勢。
そして、その大きなきっかけとなる漫画の連載もほどなく幕を開けるのです。
その名は……
「ダッシュ!四駆郎」!!
黒川がとりあえずタイトルだけ考えたと言うこの作品……
この後一体どんな経緯をたどり、伝説の作品になって行くのでしょうか!?



と言うわけで、今巻丸々1冊を使い、ミニ四駆と「ダッシュ!四駆郎」、そしてその作者の奮闘を描いていくこととなる本作。
この後、作者となる徳田ザウルス先生の人となりや奮闘の様子が描かれ、同時にミニ四駆を開発していたメーカーの皆さんの頑張りも同時に描かれていきます!
当時少年だったみなさんならよくご存知かと思われますが、ミニ四駆の人気は絶大でした!
コロコロコミックの裏側と言うよりは、その絶大な人気を作り上げた裏側を見られると言う意味でも今巻は重要な感と言えるのかもしれません!!
そんな「ミニ四駆編」とでも言うべきであろう今巻ですが、後半では「四駆郎」の作者である徳田ザウルス先生の情熱溢れる執筆風景に力が込められていきます。
その漫画にかける情熱、ミニ四駆への本気度、そして闘病生活と、今まで以上の熱量でその生きざまが描かれていくのです!!
「四駆郎」「ミニ四駆」とともに駆け抜けて行った徳田先生の漫画人生、その目でご確認ください!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!