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今回紹介いたしますのはこちら。

「川島芳子は男になりたい」第2巻 田中ほさな先生 

講談社さんのシリウスKCより刊行です。


さて、「忘我の境地」に至ることにより、その身を男のものへと変化させる力を手に入れた芳子。
芳子はその力を使い、自身の夢をかなえるべく戦いの中に身を窶すのでした!!



師匠を介して、芳子にお呼びの声がかかりました。
芳子の夢は、一人前の「男」になって、陛下の夢の手伝いをすること。
なのですが、師匠が芳子に切るように命じてきたのは、胸元もあらわなドレスだったのです!
案外似合っている……のは置いておきまして、芳子としてはこう言った服を着るのは嬉しくありません。
とはいえ芳子を読んでいる人物の素性を聞けば、この服装を受け入れるのもやぶさかではなくなってきます。
なんとお呼びの人物は軍司令部のトップ!!
直々に会って、力を借りたい。
その申し出は、前回のように師匠に向けて言われたものではなく、芳子本人に向けて告げられたもの……!!
この仕事をきっちりこなせば、間違いなく一人前の男への道が近づくでしょう!!

やって来たのは、とある一流ホテル。
待ち合わせ場所が司令部ではない理由は、非正規の任務だからだと言います。
だからこそ、ドレス姿になったわけです。
師匠はどうやらその人物を呼びに行くようで、芳子に大人しく待っていろと言い残して姿を消しました。
……中支那派遣隊、司令部のトップが、直々に力を借りたいと言ってきている。
ということは、軍が自分の力を、「女」の自分の力を認めてくれたと言う事……!
芳子の胸は、否応なく期待で高鳴るのでした!!

と、そんな時でした。
突然ホテルの前に数台の車が止まりまして、その中からドンドンとスーツの男が出てきたのは!!
その男たちは皆、両手にいっぱいのプレゼントか何からしきものを抱えています。
それを見たホテルの客たちは、ざわざわと囁き始めます。
今日はこのホテルにお泊りなのね、鮎川財閥のご令嬢、鮎川美禰子さま。
よくよく見ると、男たちは一人の女性につき従って歩いているようです。
先頭に立っているのは、いかにも気位の高そうな、艶やかな装いの女性でした。
それを見た芳子……あからさまに機嫌が悪くなってしまいます。
なにあれ、男を後ろに引き連れて、しかも山ほど荷物を抱えさせて、それを当然とでも言いたげな笑み。
大和撫子の風上にも置けん!
関わりたくもないと顔をそむける芳子でしたが、その直後、なんだかそうも言ってはいられない状況になってしまいます。
突然数名の族が現れ、荷物を抱えた男たちを撃ちすえて行ったのです!
彼らの目的は……先頭に立っていた、鮎川美禰子。
賊たちは鮎川美禰子に襲い掛かるのです!!
……芳子の脳裏には、師匠の大人しく待っていろと言う言葉と、美禰子の態度の悪さがよぎるのですが……
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気付けば思いっきり賊を蹴っ飛ばしておりました。
逃げてお嬢さん!と叫んで賊の前に立ち塞がると、手近な賊を叩き伏せます。
美禰子は突然現れた謎の救い主に驚いたようで、あなたは?と言葉少なに尋ねてきまして……
芳子はすかさず、名乗るほどのものではない、ただ義を見てせざるは勇無きなりと、「男」として教わっている、返すのです!
……が。
美禰子は、
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自力で賊を蹴り飛ばしてノックアウトしてしまうではありませんか!!
「男」として?それはありがとう。でもわたくし、助けは必要ありませんのよ。
その言葉は強がりなどではありません。
美禰子は襲い来る賊をうちのめし、銃を構えるものがいればすかさずその手を取って関節を決めて銃を奪い、今度は取り上げた銃で他の族の銃を撃ち落とす、という超人まがいのことを、あっさりとやってのけてしまうのです!!
散りなさい悪漢ども、次は眉間を狙いますわ。
その言葉には、逆らう事の出来ない迫力がこもっていて……
賊たちは瞬く間に逃げ去ってしまうのでした。
そして美禰子、ふわりと芳子に大きなストールをかけ、これをお目しなさい、せっかくのドレスが台無しですわ、と優雅に決めます。
あれだけ第一印象が悪かった芳子も、思わずその艶やかさに目を奪われてしまうのですが……
その直後、美禰子は先ほど賊にやられた男たちへ、いつまで寝ているのか、重い荷物をレディにも立背うのか、それでも男なのか、と傲慢極まりない言葉を投げかけて……
またまた一気に印象が悪くなる芳子。
芳子はどうしても口を出さずにはいられなくなってしまいました。
待った、心使いは感謝するが、僕へのやさしさを示す前にその人たちへのいたわりはないのか!
あなたの護衛として傷を負ったのでしょう?
そう言ってはみたものの、美禰子から帰ってきた言葉は予想外のものだったのです。
この方たちは単なるわ沢岻の「崇拝者」ですわ。
男らしく自ら荷物運びをしてくださってますのよ。
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わたくしそれ以外、男の助けなんて必要としませんの。

芳子の気分は最悪です。
戻って来たししょうが、先ほどの戦いで乱れ放題になってしまった芳子の格好に文句をつけますと、そっちが待たせるから悪いんだと逆ギレしてしまいます。
これはもうまともに会話ができなそうだと判断したのでしょう、師匠は芳子を連れて待ち合わせ相手の場所へ向かうのですが……
実は今回、芳子が会うのは師匠の上官だけでなく、とあるご令嬢との顔合わせも兼ねていたのだ、とのことで。
その後令嬢は最近大陸に進出してきた財閥の一人娘で大変気位が高く、その財閥は強引な高山経営でもめていて、ご令嬢の身も危ない……とか。
どこもお金持ちのお嬢さんは大変だ、とぼやく芳子、話の流れ城その後令嬢の護衛が自分の任務なのだろうと察知しておりました。
とはいえどんな仕事でも、芳子は受ける以外の選択肢を持ち合わせていないのですが……!

いざ会うことになった師匠の上官は、存外話の分かる男でした。
芳子の乱れた格好を見て、早速活躍したようだね、と声をかけてきまして。
とうぜん皮肉だと考える仕様ですが、そうでもないようなのです。
目立つには時と場所を選ぶべきだが、時と場所を得たなら臆せずべらぼうに目立つべきだ!
それを聞いた芳子は目を輝かせ、意見が合いますね!とにっこり。
上官に渡された、護衛対象の写真を受け取り、気分よく拝命する……はずでした。
その写真の人物が、
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美禰子でなければ……!



と言うわけで、とんでもない人物の護衛を引き受けることになってしまった芳子。
田中先生作品と言えばもはや強い女性キャラ、と言っても過言ではありませんが、今巻でもそんな女性キャラが姿を現してくれました!!
護衛をするにはあまりに強すぎ、あまりに制御不能!
その上芳子の方も美禰子がどうも気に入らない、となれば……すんなりと護衛ができるはずがないではありませんか!!
この後明かされるのですが、さらに美禰子は困った性質を持っておりまして。
護衛はますます難しく、危険はますます増加していってしまうのです!!
困難だらけ、危険だらけの護衛任務。
この上またまた「強い女性」が追加されたり、予想外の人物の暗躍があったりする大混戦の美禰子編、この第2巻まるまる一冊を使ってばっちり完結となっております!

芳子が一人前の「男」、ヒーローになるお話だけに、やはり「ヒロイン」の存在も欲しいところ。
今巻でそのヒロインが確定(多分ですけど!)してみたり、おそらく本作のラスボスとなるであろう人物の登場してみたりと、全体のストーリーも着々と進んでいくところも注目です!
今後ますます激化していくであろう芳子たちの戦いと、果て無き「男」への道程、そしてあるかもしれないラブロマンスと、見逃せない展開は続きそうですね!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!