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今回紹介いたしますのはこちら。

「裏バイト:逃亡禁止」第1巻 田口翔太郎先生 

小学館さんの裏少年サンデーコミックスより刊行です。


田口先生は18年に「不死身のパイセン」を裏サンデーで短期集中連載し、話題となった漫画家さんです。
「不死身のパイセン」は短期集中連載だったものの、ファンからの指示を受けて電子書籍の単行本が刊行。
そして20年より本作の連載を開始。
待望の初神の単行本刊行となりました。

本作は「パイセン」と同じく、ホラーとギャグを癒合させた、独自の味わいの作品となっています。
そして「バイト」がテーマとなったショートストーリー群となっておりまして……?



避暑地の森にあるリゾートレストラン、
ここで住み込みの従業員が募集されていました。
時給は……なんと、15000円から。
なんだか高すぎる時給が怪しさを醸し出すこのアルバイトですが、そのレストランに二人の採用者がやってきました。
黒領ユメと、白浜和美。
オーナーの男性はにこやかに二人を迎え入れ、アルバイトは始まるのです。

忙しい影響が終わり、ユメと和美はこれからしばらくの宿となる家へ。
二段ベッドのある一つの部屋に二人で住むようで、和美は二段ベッドとか懐かしい、私は上がいい、とマイペースにどんどんくつろぎの空間を作ろうとしていきます。
ユメは、しばらく一緒なんだからお互いのパーソナルスペースを決めよう、と持ち掛けるのですが、気付けば和美は床中に自分の荷物をひろげ、パーソナルもクソもない状態にしておりました。
どうすればそこまで秒で散らかせるのよ、あなた昔から全然変わってないのね!!
そう怒りをあらわにするユメなのですが……
和美は、「昔から」って、どこかであったことあったっけ?ときょとんとするのです。
ユメは覚えられていない事により腹を立てたようで、知らない、とぷいと横を向いてしまうのですが……
和美はやはりマイペースにこのアルバイトに関しての話を始めました。
今日さあ、仕事してどう思った?
「この仕事で自給15000円?」って思わなかった?
普通の接客仕事でさ、こんな金額ありえないっしょ。
何か裏があると思わない?
……ユメは、バカバカしい、何かあるって何よ、と怒ってシャワーを浴びに行ってしまいました。
日中の初仕事の時から、和美がサボり放題だったことにも怒りを募らせていたようで……
まさに取り付く島もないのです。

和美は夜の森を歩いています。
「協力者」が欲しかったけど、私とは完全に水と油だな。
まあその方がいいかも。
いざというとき、その方が気が楽だ。
と、その時です。
何やら和美は、周りから大勢にみられているような感覚を感じました。
あたりを見回すと、木陰に人影が見えたような……?
よく目を凝らしたその直後、人影はいなくなった……
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と思った直後、奇妙な顔が和美に迫って……!!

そこで和美は目を覚ましました。
どうやらユメに起こされたようなのですが、起こしたはずのユメは全く和美の方を見ることもなく、クサいクサい、とひたすら連呼しているではありませんか。
そしてそのまま外に出て行こうとしましたので、和美は呼び止めようとするのですが……
彼女の後ろに、
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いるはずのない子供のような人影がついて行き……!?
それでも放っておくことはできなかったのでしょう。
夢見のせいかひどく痛む頭を抑えながら廊下に出ますと、ひそひそと何かしゃべるオーナーの声が聞こえます。
まあ一回では……焦ることはないさ……彼女達もしばらくここにいる、じっくり行こう……時間の問題だよ……
いずれは森に還る運命だ。

翌日、和美は思い切って、オーナーに昨晩は誰と話していたのか、と聞いてみました。
するとオーナー、二階には妻がいて、人にうつるタイプの病気だから黙っていた、もともと妻の療養でここに来たが、今は自分が森の虜だ、と笑って答えてくれました。
そしてユメに昨日の晩はどこにいたのか聞いてみると、仕事中梯子は慎んでくれる?と冷たくあしらわれてしまい……
昨日起きた不可解な出来事は消化不良のままになってしまうのです。

それからも、森の夢を見ては誰かに起こされると言う日々が続きました。
一週間もたつ頃には初日に和美を悩ませた頭痛も和らぎ、これで大金を稼げるならまあいいか、と思うようになっていたのですが……
その日突然、オーナーにバーベキューに誘われました。
そしてそこでオーナーは、昨晩二人は何をしていたのか、と聞いてきたのです。
機能と言うか毎晩変な夢を見て、それで途中で起きちゃって、と和美は素直に答えるのですが、夢はその言葉を聞くと顔面を蒼白にして、くさいくさいくさい、とブツブツとつぶやき続け始めるのです!!
オーナーはと言いますと……
駄目だよ白浜さん、夜はちゃんと寝ないと、黒嶺さんも。
……そう言う事だったかあ。
そう言って、笑うのです。

その日見た夢は、いつもとは違いました。
和美の前には奇怪な女性が立っていて、ただただそれが笑っている、それだけでした。
これから何かが起こると言わんばかりの不吉な声で、ただ……

そして和美はユメに起こされます。
ですが今回は、しっかりと彼女が和美に声をかけてきて、休憩室へ、と指示してきます。
和美もそれに倣うのですが……その前に、奥さんがいると言う部屋の扉がわずかに開いていることに気が付きます。
そっと中を覗いてみますと、そこには
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椅子に座った骸骨が風に吹かれて揺らめいているではありませんか!!
慌てて休憩室に飛び込んでいく和美、ユメにあんた何を知っているのか、問い詰めようとするのですが……
ユメは休憩室に鍵をかけて誰も入ってこれないようにして、消火器を抱えて座るのです。
私は何も知らない、ただ、二階は黒い匂いがする。
……黒い匂い、というのは何なのでしょうか。
ですが、その口ぶりからすると、あの骸骨のことは知っていたのでしょうか。
それを尋ねてみますと、ユメは、白骨死体って何よぉ!?とものすごい勢いで絶叫するのです!!
何も知らないのに、なぜ二階が気になっていて、和美を休憩室に呼んだのでしょうか。
そして抱きかかえている消火器は?
全く理解できない和美ですが……その時休憩室の出入り口のドア越しに、オーナーの声が聞こえてきます。
こんな夜に何してる?明けてくれ。
和美としてもあの骸骨のことを知りたいですし、オーナーを問い詰めようと扉に向かおうとするのですが……そこでユメは和美の服をつかみ、開けちゃダメ、とつぶやくのです。
臭いの。
くさいくさいくさいくさい・……
ひたすら呟く彼女の様子を見て固まってしまう和美。
しばらくすると、オーナーは明日ゆっくり話そう、もう遅いから早めに休みなさい、というのですが……
直後、そのドアを斧が突き破ってくるではないですか!!
帰ったと思ったか?
残念、いるよ!!
オーナーはそのまま扉を破り……
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骸骨を抱きかかえながら、にっこりと笑って二人に声をかけてくるのです!!
夜更かしする悪い子は、森に代わってオシオキだ!
骸骨と親し気に腹話術で会話しながら中に入って来るオーナー……!!
絶体絶命の窮地に追いやられた和美は?
そして、ショッキングな出来事に完全にフリーズしてしまったユメは、どうなってしまうのでしょうか!!



と言うわけで、謎多き裏バイトに手を出し続ける和美とユメの仕事模様を描いていく本作。
この後も二人は実に様々なバイトに手を出していきます。
「七階」が特に危険なビルの夜の見回り。
絶対に中を覗いてはいけない、鞄の配達。
「扉を開けるとプラス300万」の治験。
その全てで、二人は命の危険と紙一重の高額の報酬を狙っていくのです!!
今回紹介した住み込みレストランのバイトも、オカルトなのかサイコサスペンスなのか、その両方なのか……展開の読めない物語となっているのがわかるかと思います。
実際この後の展開も、二度三度と予想外の真相が明かされていく、驚きの展開が待ち構えています!
どれをとっても待っているのはそんな予想外で、恐ろしいものばかり!
オカルトも人間の怖さも、それを超越した謎すぎる何かも総出で襲い掛かられてしまう二人に用意されている武器は、和美の空気を読まない無茶な勇気と野生のカン、そしてユメの「匂い」を感じる能力だけ!!
ユメはともかく和美にはどうしてもお金を稼がなければならない事情があるようで、二人の危険すぎるバイト生活はまだまだ続いて行きそう。
果たして二人はどれだけ稼ぐことができるのか!?
その命を守り切ることができるのか!?
今後の二人の職歴に注目ですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!