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今回紹介いたしますのはこちら。

「赫のグリモア」第4巻 A-10先生 

講談社さんのマガジンKCより刊行です。


さて、乃恵瑠の生家である羽生家がゲゼルシャフトの情報を流していたことが発覚した目巻。
乃恵瑠は妹である詩恵瑠がスパイである事を知ってしまい……!



背後から銃弾を撃ち込まれてしまった乃恵瑠。
激しい痛みに襲われる最中に、詩恵瑠は乃恵瑠にささやきかけます。
TVアニメの真似をして子供の頃はよく遊んだね。
私のお気に入りは決まって悪の手先。
そんな私を止める役が乃恵瑠、あんただった。
「お姉ちゃん」が止めてくれないからさ……
私、本当の悪党になっちゃったよ。
そこに発砲の音を聞きつけた乃恵瑠の父と、羽生家当主・和総がやってきますが、詩恵瑠はもう片付いた、と一言。
父は傷ついた我が子を辱める趣味はない、とその場から早々に立ち去るのですが、和総はその顔を醜悪にゆがめます。
たかが「仔」に親が心を砕いてどうする、「仔」は親に命をかけて尽くす、そう言うものだぞ、なぁ?詩恵瑠や。
そう言って和総は乃恵瑠の傷口を踏みにじり、さらに髪の毛をつかんで引き起こします。
こいつも連れて帰るか、くたばる前に何かの実験に出も……と、そこまで言いかけたところで、突然乃恵瑠に興味を失う和総。
詩恵瑠によれば急所を撃ったとのこと。
和総は、死にかけか、実験にすら使い道がない出来損ないが、と乃恵瑠を床に捨てました。
かと思えば、乃恵瑠の父がゲゼルシャフトに対してぬるかったのは、この娘がいたからだったのか、と乃恵瑠を引き起こし、さらに父親に見捨てられた気分はどうだ、悔しいか、みじめか、と更なる侮辱を重ね……
さんざん辱めたあげく、詩恵瑠にトドメを命令するのでした。
そして詩恵瑠は、
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さらに二発の銃弾を撃ち込み……
和総は再びいやらしく顔をゆがめ、笑うのです。
こいつの亡骸が宣戦布告よ。
これでめでたくゲゼルシャフトとは戦争だ。

乃恵瑠が目を覚ますと、そこは病室の中でした。
どうして生きているのか、自身でも不思議なくらいの乃恵瑠ですが、事態はそれどころではなくなってしまっています。
付き添ってくれていた若葉たちから話を聞くと、羽生財団への強制査察……と言う名の武力介入がなされることに決まったとのこと。
しかも実働部隊には、容疑者の生死は問わない、と命令されている……
裏切ったとはいえ、家族達が殺されるかもしれない。
少なからずショックを受ける乃恵瑠ですが、そこで眠り姫がこう尋ねてくるのです。
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詩恵瑠さんは、なぜ心にもない裏切りをして見せたのでしょうか、と。
眠り姫は3発も自分に銃弾を撃ち込んだ詩恵瑠が、裏切っていない、とでも言うのでしょうか?
眠り姫によれば、銃弾は筋肉や血管、神経を傷つけず、且つ骨の厚い部分に当たるよう、芸術的なまでに計算された場所に打ち込まれていたとのこと。
さらに、最後の二発の弾は、その直前に詩恵瑠が「描いた」布が密かに忍ばされていた場所に打ち込まれ、こちらも致命傷にはならないようになっていた、というのです。
では何故詩恵瑠がそんなことをしたのでしょうか。
今までも、自分を嫌っていたとしか思えない行動をとって来た、詩恵瑠が。
それも眠り姫にはわかっているようです。
乃恵瑠を、魔導士と言う危険な職から遠ざけるため、敢えて昇格させないようにしていたのだろう、と……!

乃恵瑠は病院を抜け出し、羽生家に向かっていました。
ですが傷は浅くなく、羽生家最寄りのバス停までついたところで意識を失いそうになってしまいました。
が、そこに若葉とあかずきんがやって来てくれたのです。
乃恵瑠は病院から抜け出す際にグリモアを忘れてきてしまっていたのですが、魔導士とグリモアは魔力で繋がっています。
あかずきんにかかれば、その魔力を追ってくるのも簡単、と言うわけです。
止めても無駄よ若葉、私は羽生家の娘として、這ってでもお父様と詩恵瑠を問いただす義務があるの!
そう叫ぶ乃恵瑠奈のですが、若葉は
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止めないよ、ときっぱり言うのです。
人はよくルールを守れとか、お前の出る幕じゃないとか言うけど、それは正論だよ。
正論だけど、正論な「だけ」だ。それじゃあ届かないよね。
辛いってわかってて、逃げ出したい気持ちを必死で抑えて、決まりを破ってでも進もうって人には、そんな軽い言葉じゃ届かない。
のえるちゃん、いまそう言う目をしてるもの。
いましえるさんのことを世界で一番考えて、悩んで、苦しんでるのは、ゲゼルシャフトの偉い人なんかじゃない。
私なんかが口をはさんじゃダメだ。
でもさ、私だってこうやって、支えることくらいできるんだよ?
……私、迷惑かな?
若葉の言葉を聞いた乃恵瑠は……
迷惑に決まってるでしょ、無神経なお節介焼きのくせに、変に勘が鋭くて、そのくせ自分はひどく鈍感で、付き合いきれない。
ほんと、迷惑よ……
そう言って、大粒の涙をぽろぽろとこぼすのです。
……身も心もボロボロだった乃恵瑠が、この若葉の言葉でどれだけ救われたでしょうか。
疵が癒えたわけではありませんが……詩恵瑠の目には、あの強い石の光が完全に戻っていました。
詩恵瑠、今だってあんたが何を考えてるか、私にはさっぱりわからない。
だから……今度は私が会いに行く。
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あんたの口から、直接聞くからね。
ゲゼルシャフトVS羽生家の戦いは幕を開け……そして、乃恵瑠の決意の道程が始まるのです!!




と言うわけで、羽生財団編が本格始動する今巻。
この後ゲゼルシャフト&若葉たちVS羽生家の戦いは、幕開けから凄まじい激戦になって行きます。
魔導書を多く持っているとはいえ、魔導士の数はそれほどでもない羽生家。
まともにぶつかりあえば、遅かれ早かれゲゼルシャフトの勝利となるはずなのですが……
もちろん羽生家も勝算の無い戦いなどしはしません。
羽生家は、予想だにしなかった「戦力」を持ち出し、想像以上の抵抗を見せるのです!!
そして戦いが進むにつれ、羽生家の驚くべき秘密や、物語の鍵となっていきそうな「理論」が登場。
物語はさらに激しい戦いと、さらに混沌とした様相を呈していきます!
血潮飛び散るバトル、深まっていく謎、ショッキングな事実、そしてA-10先生のこだわりが感じられる魅力あふれるキャラクターの活躍と散り際……
さらに恒例のカバー下本体の各話解説も収録され、今巻も見どころいっぱい!!
今巻もこれからも見逃せない内容になっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!