ka0
今回紹介いたしますのはこちら。

「帰ってください!阿久津さん」第1巻 長岡太一先生 

KADOKAWAさんの角川コミックス・エースより刊行です。


長岡先生は14年に「魂魂ハラスメント」で連載デビューをした漫画家さんです。
その後「姫じゃなければ殴ってる」の連載や、様々な場所での読み切りを発表するなど、様々な魅力を持つ女性キャラをメインに置いた作品で活躍を続けていらっしゃいます。

そんな長岡先生の最新作となる本作もまた、女性キャラをメインにした作品となっております。
ちょっとひねった魅力を持つ女性キャラを得意とする長岡先生、今回のヒロインはと言いますと……?



クラスでも目立たない位置にいる男子、大山くん。
彼の隣の席に座っている阿久津リコさんは、ちょっと不良っぽい女の子です。
学校にはいつものように遅刻してきて、授業にはあまり出席しない上、いるなと思えば眠っている。
友達も同じようにアウトローな香りが漂っておりまして……
おそらく一生関わることの無い人種だろう、と大山くんは思っていたのです。
が、なんということでしょう。
そんな阿久津さんに、大山くんの部屋は
ka1
たまり場にされてしまったのです!!
実は大山くん、家庭の事情でワンルームに一人暮らし。
家の前で彼女に偶然出会ってしまい、強引に押し掛けられてしまったのです。
彼女にとってここは、うるさいことを言ういろいろな人の目が届かずに落ち着けるうえ、漫画なんかも置いてあるこの部屋は羽根を伸ばせる楽園も同然のようで。
おまけに
ka2
気になる漫画の続きやら、ジュースやらお菓子やらが無ければ買ってきてくれるパシリ……もとい、優しい大山くんまで完備しているのですからそれはもう快適でありましょう。
漫画の最新刊を要求されたときは流石に夜でしたので、漫画を買ってくるのは無理というもの。
とにかく一刻も早くお帰り願いたい大山くんは、もう夜だから帰った方がいいんじゃないかなと恐る恐るお伺いを立てるのですが……
阿久津さんはまだ何かが物足りないようで、じゃあプロレス技を掛けさせて、と何の脈絡もない要求をしてきました。
ギブしたらやめるから大丈夫、と言葉巧みに(?)大山くんを誘ってくる阿久津さん。
機嫌を損ねてしまえば何をされるかわかりませんから、大山くんは強く拒むこともできないのです。
ぐずぐずとしておりますと、しびれを切らした大山さんは、早くこっちに来い、と強引に大山くんを引き寄せて
ka3
首四の字と言う昭和の香り漂うプロレス技をかけてきました!!
必死にギブアップを宣言する大山くんなのですが、阿久津さんは聞こえないんだけど、と足の力を緩めてくれません!
これは逆らっても普通に負けるんじゃないか、その力に驚く大山くんですが、何よりいろいろなものがいろいろな場所に当たって、そっちの方がまずいような……
そのうち彼女は飽きて、またベッドの上にごろ寝してくれたのですが、やっぱり帰ってはくれないのです。

大山くんの不安は募る一方。
なにせクラスでしゃべったこともない人が部屋にいると言うシチュエーションだけでもドキドキです。
これが普通の女子ならうれしくてたまらないのでしょうが、何かを間違えたらひどいことをされそうなタイプの女子なので別の意味のドキドキが上回ってしまいます。
不安な感情は一層の不安を呼ぶもので、この後なんかもっと怖いタイプの男の人が来て、人の女に何手を出してるんだ、誠意を見せろ、とやられてしまうんじゃないかと恐怖の歩役はとどまることを知りません!
そんなまんじりともできない時間を過ごしている大山くんですが、そんな彼のシャツをクイクイと阿久津さんが引っ張り始めました。
恐る恐る振り返りますと、阿久津さんはベッドに寝転がったままこう言うのです。
なぁ、このまま寝そう。
ka4
帰るのダリィし、今日泊まってくぞ?
遠慮なくそう言ってベッドから起き上がる事すらしない阿久津さん。
大山くんは……
何も答えませんでした。
まぁいいや、金とられたとしても。
実はスケベな大山くん、その下心が恐怖心を上回ってしまったのでした……



と言うわけで、不良少女阿久津さんと、一人暮らし以外のとりえはあまりない大山くんの日常を描いていく本作。
ほとんど何の接点もなかった不良系女子と目立たない系の男子が、ある日突然日常的に二人きりになる、という思いもよらないシチュエーションが本作の基本となっております。
こう言った作品と言うのは、たいてい過去何かがあって女子側が男子側にすでに好意を持っている、というのがセオリーなのですが、なんと本作、そう言ったあらかじめの関係性は本気で何もないようです!!
とにかくわがままな阿久津さんが、大山くんをいじめにならない程度にいじったりパシらせたりしながら、巻き起こって行くあれこれを面白おかしく書いていく作品なのです!

ちょっとしたサービスシーンもありまして、阿久津さんの魅力は存分に発揮されているのですが……それだけでは連載を続けるのは難しいところ。
やはりこう言った作品は、二人の関係が重要です。
先ほど紹介したように本作に二人の関係性は希薄なところからスタートするのです。
それはつまり、これから関係性を作っていけると言う事でもあり……!!
第2巻以降はそのあたりを描いていく展開になっていくようです!!
キャラ萌えとちょいエロとドタバタギャグから、ラブコメの色を強めて行きそうな本作……ますます今後が楽しみですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!