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今回紹介いたしますのはこちら。

「やったね たえちゃん!」第1巻 カワディMAX先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスフラッパーシリーズより刊行です。


カワディ先生は00年代後半から、おもに成年向け漫画で活躍されている漫画家さんです。
ネット界隈での話題に明るい方ならば、「家族がふえるよ!!」「やったねたえちゃん!」のシーンが有名な「コロちゃん」でおなじみ(?)ではないでしょうか!

そんなカワディ先生の初めての一般向け連載&単行本化作品となっている本作。
そのタイトルからうかがい知れますように、あの「コロちゃん」に関連した作品となっております。
が、単純なリメイクや、続編と言うわけではなく、まさかの展開を見せる作品となっているのです!!



それは幼い日の、たえちゃんのママとの思い出です。
ママはたえちゃんに、遠いところへ行かなきゃいけないの、とお別れを告げていました。
きっと戻ってくる、とは言うものの、いつとは言ってくれないママ。
一人にしないでと泣きじゃくるたえちゃんに、ママは困り果て……これをあげるから抱いてなさい、とクマのぬいぐるみを手渡してきました。
この子の名前は?とたえちゃんが聞くと、ころころしてるからコロちゃん、かな、とママは適当に名前をつけました。
今日からコロちゃんはたえ子の家族です、たえちゃんは強い子だからこれでさびしくないわよね?
ママはそう言ってコロちゃんをたえちゃんに渡し、立ち去っていってしまったのです。
たえちゃんが覚えているのは、灰色の空、あじさいのうすむらさき、傘の黒、口紅の赤、ママの手の白、コロちゃんのまっしろ……そんなことだけ。
それ以来ママは帰るってくることはなく……
たえちゃんは、ママの顔も思い出せないのです。

それ以来、たえちゃんはずっとコロちゃんと一緒に過ごしてきました。
ママがいないたえちゃんは、何度も寂しい思いをしてきたこともありましたが、それでもコロちゃんがいるから耐えることができたのです。
コロちゃんはどんな時でも、たえちゃんを励ましてくれます。
僕がついてるから大丈夫。
ママもそのうち戻ってくるよ。
たえちゃんはコロちゃんがそう励ましてくれる声が聞こえるのは自分だけだとわかっていて、周りにはちょっと変にみられているのはわかっているのですが、それでもコロちゃんと一緒に頑張ってきたのです。

そんなある日のことでした。
コロちゃんが小学校に通っていたある日、突然今まで何も声を上げてこなかった伯父さんが、今になってたえちゃんを引き取ってもいいと言ってきたのです。
なんだかちょっと不思議な気もしますが、素直で優しいたえちゃんは疑うこともなく、コロちゃんと喜び合うのです。
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家族がふえるよ!!
やったねたえちゃん!
と……

そして、悲劇は起きました。
惨たらしいことに、
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たえちゃんの伯父が輪切りの死体になって発見されたのです!!
たえちゃんは無傷で保護されたものの、目が覚めたらおじさんがバラバラになっていて、と泣きながら震えていまして……
このショッキングな事件が、まだ幼い彼女にどれだけの心の傷を与えたか、計り知れないでしょう。
それでも、たえちゃんは強い心で生き続けたのです。

数年後、たえちゃんは中学二年生になっていました。
今でもたえちゃんはコロちゃんと一緒。
ですがまわりは多感な中学生たちと言うことで、未だにぬいぐるみと一緒におしゃべりをしているとどうしても目をつけられてしまい、悪質なグループにいじめられてしまっています。
クラスメイト達も遠巻きに見て笑う始末で、たえちゃんはひとりぼっち。
……いや、ひとりではありませんでした。
彼女には、コロちゃんがいて、今日もたえちゃんを励ましてくれるのですから。
たえちゃんはおかげで今日も楽しく暮らせているのですが……
やはりその様子は、クラスの皆には受け入れがたいようで。
たえちゃんはクラスで一層孤立してしまう、皮肉な結果を生んでしまうのでした。

そんなたえちゃんに、担任の先生が声をかけてきました。
たえちゃんが転校してきてから三か月、クラスに馴染めていないか心配だと言うのです。
たえちゃんは自分がコロちゃんと話しているせいで変に思われているのはわかっている、馴染めないのは自分のせいなんだ、と素直な気持ちを吐露するのですが、先生はそんなたえちゃんに思いがk無い言葉をかけてくれました。
それは個性だから、大事にしなさい。
他の人に聞こえないものが聞こえるなんて、すばらしいじゃないか。
そう言って頭を撫でてくれるのでした。

そんな会話をしていますと、ちょうど先生の家の前までたどり着きました。
せっかくだから寄っていくかという先生の言葉に甘え、おじゃまするたえちゃん。
先生は紅茶をふるまってくれまして、たえちゃんはコロちゃんと半分こして飲むのです。
たえちゃんは先生と身の上に関しての会話を交わしました。
今は身寄りがないけど、ママとはいつか会えるって信じている。
現在の住まいとなっている施設、なのはな学園の園長先生も探してくれているからきっと見つかる、と今の境遇にも全く不幸を感じていないようなのです。
……が、不幸と言うのはどこに待っているのか分からないもの。
たえちゃんは急に眠くなってしまい……

コロちゃんに起こされて実が覚めると、なんとたえちゃんはスカートを脱がされ、下着も脱がされかかっているではありませんか!!
先生はたえちゃんをみて、もう目が覚めたのか、ホントにその熊が半分飲んだわけでもなかろう2、と不思議そうな顔をしています。
一向に状況がわからないたえちゃん、下着を隠しながら、何してるんですか先生!?と尋ねると、先生は当たり前のようにこう言ってのけました。
なにって、レイプだけど?
そう、先生は最初からこれが目的で近づいていたのです!
たえちゃんに親戚がいないこと、クラスで孤立していること、ぬいぐるみと話すような奴と周囲に見られているようなものの話を真面目に聞くものなどいないだろうと言う事、それらをすべて確認のうえ、こうして乱暴するために!!
さらに裸をしっかりと録画しつつ、さらに激しく殴りつけることで抵抗の意思を奪っていくのです!!
先生は多恵ちゃんを手酷く痛めつけると、大人しくやられてりゃいいんだ、俺がやったって言うなよ、クラスの奴に殴られたことにしとけよ、なのはな学園はあのボケたジジィがやってるとこだろ、バレやしねぇ、と悪辣極まりない言葉を吐いてきて……
たえちゃんにできるのは、コロちゃんを抱きしめながら助けを乞うだけ。
先生はそんな最後の望みすら、ぬいぐるみがしゃべるかバカ、邪魔だどけろ、とコロちゃんをひったくろうとするのです!
言う事聞くから離して、一緒にいなきゃダメなの、ママと約束したから、一緒にいなきゃダメなの!
そう言ってコロちゃんを離さないたえちゃんですが、先生は容赦しません。
なんだこれ、塗って補修してあるのか、簡単に千切れるぞ!
先生が笑いながらコロちゃんを引っ張り続けると……
コロちゃんはその縫い口から、ビリビリと真っ二つに裂けていって……!!!
たえちゃんの脳裏に、忘れていた記憶がよみがえります。
伯父さんに同じように乱暴された日の、忌まわしい記憶が。
コロちゃんを奪われ、ごみ箱に捨てられた。
そしてたえちゃんは……

コロちゃんの体は、真っ二つになってしまいました。
ほーらちぎれたァ、上半身はこっちだ、と奪い取った上半身をちらつかせてさらに追い詰めようとする先生。
ですが、いつの間にかコロちゃんの上半身は床に転がっていました。
落としたか?
手を放した覚えはないが……
そんなことを考えながらコロちゃんの上半身をなんとなく見つめていると、その横になんだか見覚えのあるものが転がっていることに気が付きました。
それは、
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自分の、指……?
いつの間にか、先生の左手の指四本がすっぱりと切断されているではありませんか!!
ほーらちぎれたァ、お前の指が……
今度そう言ったのは、たえちゃんでした。
たえちゃんはゆっくりと立ち上がりながらコロちゃんを拾い上げると……コロちゃんの上半身と下半身の間に、一本の鋼線がのびているのが見えました。
たえちゃんはあたりを見回した後、視線を先生の方へと移しました。
お前は確か、たえ子の担任教師だったわね。
ひどいことしようとしたのね、アイツと同じ。
やめて伯父さん、コロちゃんはゴミじゃないよ。
うん、そうだね、ごみは捨てなきゃね。
ごみは捨てろって言ったのは伯父さん。
だからあたしは伯父さんを……
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また……大きなゴミ、処分しなきゃ。
そういってたえちゃんは、目の前にある大きなゴミへと冷たい視線を注ぐのでした!!




と言うわけで、まさかの展開となる本作。
本作の下となった「コロちゃん」はただただ救いのないとんでもない作品でして、こちらの「やったねたえちゃん!」では、どんな休載が齎されるのか、あるいはもっとひどい目にあわされてしまうのかと注目されておりました。
そこで出てきたのが、まさかのたえちゃん自身による反撃!!
皆さんすでに何となくお分かりかと思いますのでぶっちゃけてしまいますと、たえちゃんはいわゆる二重人格のような状態になってしまっているようでして。
耐え続けてきたたえ子に対し、こちらの耐えずに反撃で容赦なく人を輪切りにしてしまう彼女は「たえない子」。
たえない子によってたえちゃんは最悪の事態を逃れ続けてきたわけですが……
だからと言ってこのまま甘えていて良いわけがありません。
たえない子の存在を知らないたえちゃんは、このまま自らの手を血で汚し続けてしまうのでしょうか!?

たえちゃんの運命が予想外過ぎる方向に変わったことで、物語に参加するキャラクターも大きく変わってきます。
本作の鍵を握るのはたえちゃんだけではなく、彼女が身を寄せている「なのはな学園」の人々。
その学園の人たちはどのようにお話に関わってくるのか、たえちゃんの仁背にはどうなってしまうのか?
ハードなドラマと驚きの展開、時折見せる脱力ギャグと、カワディ先生の持ち味が存分に発揮されている作品なのです!
いろいろな意味で今後が気になる本作から目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!