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今回紹介いたしますのはこちら。

「サエイズム」第8巻 内水融先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。



さて、あまりに不可解な存在、二代目冴に翻弄され続ける美沙緒。
遂には蘭や古海、シバコー達が仲間である事すら信じられなくなり、完全に冴の思う通りにことが進んでしまうのです!



一度は冴の手に落ちてしまったかのように見えた美沙緒ですが、やはりそこ貸しかしこにちらつく冴の異常性によって徐々に正気に戻り、危険を承知でやって来てくれた蘭の行動でようやく自分が冴に騙されていることに気が付いたのです。
ですがその代償は大きく、美沙緒は完全に冴の手の中、さらに蘭は地下牢のような場所に閉じ込められてしまったのでした。

絶望に暮れながら、冴の用意した部屋のベッドの中で震える美沙緒。
そこに思いもよらない訪問者が現れました。
冴につかまり、ふさわしい最期を用意するとまで言われていた、蘭です!
超強運を自負し、実際今まであらゆる修羅場を乗り越えてきた蘭ですが……いくらなんでもラッキーだけで牢屋を出られるわけがありません。
彼女には、協力者がいたのです。
それは別の場所で行動をしている古海やシバコーではありません。
その人物こそが、思いもよらなかった訪問者……
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田鶴なのです!!

わが目を疑う美沙緒。
それもそのはず、田鶴は冴に絶対の忠誠を誓う右腕の筈。
そんな彼女が自分を助けるなど考えられない事なのですから!!
ですが蘭は余裕の表情で、おまけに今までつけていなかった部屋の電気までつけてしまいます。
この部屋はばっちり冴の監視下にあるのですが、冴は超人的な身体能力を持つと同時に、0時を過ぎるとスイッチが切れるように眠ってしまう、という欠点がありまして。
二代目冴にもその特徴は継承されているとのことで、0時を回っている今ならばよっぽどのことがない限りその眠りが覚めることはないのです。

時間はたっぷりある、となれば今後に関してしっかり話しておきたいところ。
今まで直接対面したことはなかった美沙緒と田鶴ですが、いろいろ彼女のうわさは聞いています。
何故蘭と一緒にいるのか、今でも理解できないのですが……
田鶴はなぜか、美沙緒の逃亡に全力で協力すると言ってくれるのです。
その協力はまさに万全。
冴の脅威が届かない、遠い遠い土地で、美沙緒と蘭が家族ごと生活できる地盤を整えてくれるとのこと。
おまけに田鶴の息のかかった銀行なら、無利子無担保無期限で際限なく融資を受けられると言うとんでもない権限まで与えてくれました。
手続きもすべてしてくれるとまで言ってくれまして、まさに至れり尽くせり。
美沙緒はますます、なぜ彼女がそこまでしてくれるのか不思議でならないのですが……
田鶴はその事については全く話してくれません。
そんな田鶴が、美沙緒に求める条件はたった一つ。
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二度と冴に近づかないこと、なのです!!

自分が協力していることを冴に悟られないよう、「蘭が隠し持っていた」と言う設定のスタンガンをあえてその身に受ける田鶴。
美沙緒と蘭はその後、堂々と屋敷を出て、何の障害もなく駅にたどり着きました。
電車の始発まではもう少しありますから、とりあえず駅前のベンチで時間を潰そうと言うことになるのですが……
そこで、美沙緒は蘭に尋ねるのです。
どうして田鶴は、自分を逃がすためにあそこまでしてくれるのか、を。

蘭も聞いた話ではあるものの、自分の知りうる全てを教えてくれました。
その内容は耳を疑うような驚くべきもので、田鶴と言う人物の謎はむしろ深まるばかり。
ですがとにかく田鶴は、自分が「真木家の家宰でありつづけること」を第一に考えているらしく、その為には今の冴と美沙緒を一緒に居させるのがまずいと判断したようだ、という事だけはわかりました。
一応の疑問は解消され、始発電車に乗り込む蘭と美沙緒。
ですが彼女のもやもやは晴れません。
冴から逃げて、田鶴の援助を受け、新しい生活を受け入れる。
そうすれば、今までとは環境こそ変わるものの、安らかな、ともすれば今まで以上に裕福な生活が送れるかもしれません。
……が。
差によって壊されてしまった友達たちや、家族のことを考えると……

今までの疲れで眠りこけてしまった蘭が目を覚ますと、隣に座っているはずの美沙緒の姿はありませんでした。
そして、蘭の膝の上には美沙緒の描いた手紙が残されていたのです。
その手紙には謝罪の言葉と、こんなことが書いてありました。
私、短い間にいろいろ考えました。
友達や両親をあんな目にあわされて、どうして私の方が逃げなきゃいけないんでしょう。
それに、
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私がここから逃げたところで、いつかまた冴ちゃんに見つかるかもしれない。
そうなれば結局同じことの繰り返しになりませんか?
だったらいっそ、逃げるんじゃなくてはっきり拒絶を伝えて、堂々と胸を張って冴ちゃんと別れよう、そう思いました。
……あの時のように……

硬い別離に決意を胸に、冴の家に戻って来た美沙緒。
そこで彼女を出迎えたのは……田鶴でした。
美沙緒は、逃げ出すんじゃなくてちゃんとお別れを言いたい、と田鶴に伝えるのですが……
田鶴は言うのです。
私の出した条件を、あなたは了承なさったはず。
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私との約束、反故になさいましたね?
……田鶴は袖口から刃物をのぞかせ……美沙緒に、強烈な殺意を向けるのでした!!!




と言うわけで、田鶴の協力を受けられたはずが、一転して逆に命を狙われてしまうことになる今巻。
たびたび悪手を打ってしまうことのある美沙緒ですが、今回の件に関しては微妙なところ。
実際あの執念深い冴が、いったん逃げて消息がつかめなくなったところで、諦めるとは到底思えないのですから。
しかし田鶴からすれば裏切られたも同然ですから、それは怒っても仕方ないでしょう。
怒り狂う田鶴に、美沙緒はどう対処すればいいのか……?
気が付いた蘭はどうするのか!?
まさかの急展開はこの後も続きます!!

そして紹介していない部分も見どころ満載。
美沙緒を助けるために行動する蘭、古海、シバコーの三人のパートでは、蘭の決死の行動だけでなく、古海とシバコーの奮闘もしっかり描写。
彼らは彼らでとんでもない命懸けの作戦に挑んでいるのです!
田鶴の過去が明かされるパートでは、田鶴の底しれなさが描かれ、それが今後の物語にどう作用していくのか気になるところ!
今巻の最後にはその田鶴がとんでもないことになるわけですが、果たして……?
とにかく今後の展開が気になるところです!!






今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!