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今回紹介いたしますのはこちら。

「ホームルーム」第8巻 千代先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、様々な思惑が渦巻き、歪んだ愛情の行く先が一向に見えない本作。
そんな中、愛田に好かれるために幸子は変わることを決意し、矢沢たちにアドバイスを求める、というまさかの行動に出て……?



学校がざわついています。
あまり意味でなく目立っている矢沢たちのグループが登校してきたのですが、その戦闘に見たことの無い人物が経っていたからです。
鮮やかな金髪をなびかせる、驚くほどの美少女。
彼女はそんな校内のざわつきを一切に気にもかけず、教室へと向かいます。
そして真っ先に自分の教室に向かうと……
昨日は勝手に早退してどうしたの、と文句を言おうとしていた
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マルに謝罪を始めたのでした。
そう、彼女は幸子です。
今までの、野暮ったい眼鏡でおさげの彼女のイメージとは全く違う、金髪のロングヘアーに整えられた眉、短いスカート……と、マルで別人のようになった幸子。
マルでなくとも、その意外すぎる変化にクラス中が驚愕するのです。
と、その時いろいろあり過ぎてやつれ切った愛田が教室に入ってきます。
出席とるぞ、と声をかけても全く返ってこない返事。
何事か、とそこでようやく間はクラスの様子をうかがうのですが……
目に飛び込んできたのは、う亜鍼見慣れない金髪の生徒です。
その生徒がにこりと微笑んで、先生、おはようございます、と挨拶をしてきました。
……愛田が間違えるはずがありません。
彼女は間違いなく、幸子です。
愛田が今まで幸子に恋い焦がれていたのは、素材そのままの美しさを保った、「天然」の幸子です。
他の女子高生の様な、必要以上に自分を飾り立てた「加工物」は、愛田にとって嫌悪の対象でしかないのです。
その「加工物」に、幸子が変化してしまった。
愛田の中の何かが……音を立てて、崩れ落ちて行って……

愛田は一人、自分の部屋にこもっていました。
何故なんだ、何故お前まで加工物に。
愛田は今まで隠し集めていた、幸子の写真を泣きながら破り捨て、処分をしていたのです。
そして……胸ポケットに入っていたボールペンも取り出します。
そこには、いついかなる時でも撮影や録画ができるカメラが仕込まれているわけですが……
それももう愛田には必要なくなってしまいました。
幸子への決別の意味も込めて、破壊し……ゴミ袋へ。
するとその時ゴミ袋の中から、拝借した幸子の下着が覗いているのに気が付きました。
今となっては、それが「天然」の幸子の最後の異物。
愛田はそっとその下着を頭にかぶり、最後の行為に移ろうとします。
これが最後だ、俺の全てを出し切る!!
謎の決意をした愛田ですが、ほとんどの者はすべて廃棄済み。
もう彼女を連想させるものはありません。
少し考えた愛田ですが……莫うものなんて必要ない、最後は……正々堂々想像で勝負する!!
目を閉じて集中する愛田……!!
なのですが、やはりもう幸子で発電することはできないようです。
なぜだ、なぜなんだ。
もうどこにもあの頃のお前はいない。
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俺の恋は終わった……
全裸で突っ伏し、幸子に、初恋に別れを告げざるを得なくなった愛田。
ですがそんな彼の耳に、何かの物音が聞こえてきます。
物音の方を振り返りますと、そこには
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幸子が立っているではありませんか!!
驚愕する愛田ですが、不法侵入だ、ととりあえず突っ込んでみます。
ですが幸子はこう返しました。
これは、先生の真似です。
だって先生も、私の家にこっそり入ってたじゃないですか。
しかもベッドの下から、私の眠りを待ってらっしゃるなんて。
先生って実はロマンチストさんなんですね。
……幸子の異常性に、愛田はここで初めて気が付いたのでしょうか。
まともに受け答えできず、うろたえ続ける間。
幸子はさらに続けるのです。
私、先生のために綺麗になったんですよ?
だから、この前の続きを……!
……下着姿になって、愛田に迫っていく幸子!
辞めてくれ、と蚊の鳴くような声で遮ろうとする愛田の声は届きません。
先生、大好きです。
先生だってほら、私のこと好きなんでしょう?
そう言って、自らの胸に愛田の頭を抱き寄せる幸子!!
その瞬間、愛田はバッとその身体を離し……
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お前、誰だ!!
そう言って、逃げ出してしまうのです!!
いままで愛田の思い描いていた幸子とはあまりにも違いすぎる幸子の本性。
逃げてしまうのも無理はないのかもしれませんが……
もはや幸子を止める者はいないわけで。
飛び出した愛田を、凶器すら感じさせる表情で追いかけてきて……!!!



と言うわけで、クライマックスを迎える本作。
加工物になってしまった幸子に絶望し、未練を捨て去ろうとする愛田でしたが、それを幸子は許しません。
今まで抑え込んでいた想いの全てをむき出しにして、愛田に思いをひたすら伝えて行く幸子……
追い詰めながら追いかける側だったはずの愛田は、自らがその立場に置かれてどうなってしまうのか。
二人の歪んだ愛に引き込まれるように渦巻いていた様々な思惑は一気になりを潜め、二人の関係のみに焦点が当たって行きます!
全てをさらけ出した幸子。
幸子に恐怖すら感じてしまっている愛田。
その二人の関係はどうなっていくのか。
どうなればいいのか……
待ち受けている衝撃の……いや、なるべくしてなったともいえるかもしれない結末、是非ともその目でご確認ください!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!