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今回紹介いたしますのはこちら。

「ほぼほぼほろびまして」第2巻 吉沢緑時先生 

新潮社さんのバンチコミックスより刊行です。


さて、人間たちが次々と奇怪な怪物へと変化し、人類がほぼほぼ滅びた世界で、怪しげな男・吉良と合流したノア達。
吉良は怪しげではあるものの、様々な情報や、何よりもこの状況から脱出する鍵となるものを持っているようで。
ノア達は吉良と協力し、全員で離島に逃げる作戦を決行することにしたのでした。



ひょんなことから、「あるもの」が怪物たちを寄せ付けない効果があることを知った一同。
それが効果を発揮し、怪物たちは一同に襲い掛からなくなりました。
だからと言って油断はできません。
それが自分たちにとって天敵だと理解している個体だけならばいいのですが、何らかの理由で全く恐れずに襲い掛かって来る個体もいるかもしれないのですから。

吉良は船を入手するため、仲間の待っている港へ。
ノア達残り三人は、吉良の隠れ家に保管してあったガソリンを移動させ、吉良の乗ってきた船と浜で合流、と二手に分かれて行動することになりました。
ノア達は怪物忌避剤を全身にかけ、慎重に浜へと向かっていました。
ですがその道中で奇妙なものを見つけます。
それは、怪物たちが……集団で惨殺された死体、です。
一体誰がこんなことをしたのでしょうか。
その死体の有様から見るに、普通の人間の仕業とは到底思えないのですが……
と、その時でした。
怪物たちを察知するノアのレーダーに、3人の反応が感知されたのは!
玲は刃物を構えながら、やってくる敵に備えるのですが……
どうしたことか、15メートルあたりからそれらの藩王が近づいてこなくなってしまいました。
なんだかんだで忌避剤が効いてるんじゃないか、と笑う玲なのですが、どうやらことはそう単純ではないようです。
15メートルと言うのは横の距離だけではなく……
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縦に15メートル、離れたところに怪物たちはいたのです!!
ビルの上からじっとこちらを見ている二体の怪物。
依然玲が不意打ちされたことのある、因縁の怪物でした。
その節はどうも、とジョークを飛ばす玲ですが、怪物は「3人」いることを忘れてはいけません。
もう1人は、ずんずんと歩いて近づいてきていたのです。
が、やはり忌避剤は有効なのでしょうか。
残りの距離が10メートルと言ったところで……その怪物は足を止めます。
テメェもビビッて近づけねぇか、と玲がにやりと笑った、その時でした!!
ビルの屋上の怪物が、もう一体の怪物を抱え上げて……
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投げつけてきたのは!!!
玲は目の前のもう一人に気を取られて上空の様子に気が付いておらず……
そこでとっさにパパ様が手を伸ばし、例を付きばしました!!
直後、地面に肉が叩きつけられる嫌な音が周囲に響き渡ります。
突き飛ばされた玲は、どうやら無傷で済んだ様子。
すぐ後ろを振り向くと、そこには……
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パパ様が、下敷きになっていて……!!
ノアはすぐさまパパ様に駆け寄ります。
ですが、パパ様の安否を気遣うのはいまではありません!
上に注意しろ、と叫ぶ玲!!
その隙を狙って襲い掛かって来る怪物を刃物で撃退するものの、さらにその隙を突こうと屋上から降りて来ていた、最後の怪物の攻撃には対応しきれませんでした。
凄まじい威力の蹴りを食らい、ふっとばされてしまう玲!!
さらに悪いことに、そのふっとんだ先にはノアがいまして、壁と玲に挟まれて意識を失ってしまうのです!
忌避剤は効かないのか、とうめく玲、そのダメージは大きそうです。
止めを刺そうと近づいてくる怪物をにらみつけることしかできないのですが……
そこにまた、予想だにしなかったとんでもないものが現れてしまうのです。
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見上げるほど巨大な、まるでギリシャ神話の登場人物が来ているような服を身にまとっている怪物……
その巨体に見劣りしない巨大な刃物を携えたそいつは、見るからにただものではありません。
この絶体絶命の状況で、ボス敵と遭遇してしまうとは……
あまりの手の打ちようの無さに、思わず笑みすらこぼれてしまう玲。
ノア達の命運は、ここで潰えてしまうのでしょうか……!?



と言うわけで、クライマックスを迎える本作。
怪物の支配下となってしまったこの地から、希望を求めて離島へと向かうノアたちだったのですが、やはりそう簡単に開放してはくれないようです。
忌避剤を手にして、脱出に一歩近づいたかと思われた矢先、その希望はかき消されてしまいました。
怪物たちは容赦なくノア達を追い詰め、さらにボス格と思われる謎の巨大怪物まで登場。
パパ様はおそらく相当な重傷で、ノアは気絶、玲も相当なダメージを負った状態に。
絶望しか見えないこの状況から、物語はどんな展開を迎えるのでしょうか?
その先にあるのはやはり絶望なのか、それとも……
迫りくる最後の時に待っているものを、是非ともその目でご確認ください!!

全2巻となってしまった本作ですが、このクライマックスの中で数々の謎がしっかりと明かされていきます。
人間がなぜあの怪物になってしまうのか。
怪物になる人間とならない人間がいるのは何故なのか。
ノアが怪物を察知できる理由とは。
そして、怪物たちが人間を排除しようとしていた目的とは……
独特の読後感が味わえるフィナーレはもちろんの事、多くの謎が明かされる、謎解きにも注目ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!