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今回紹介いたしますのはこちら。

「屑の館」第1巻 ながしま超助先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


ながしま先生は94年にデビュー後、成人向け漫画をメインに活躍されている漫画家さんです。
独特な世界観を持つエロスな漫画を得意とされておりますが、別名義で全年齢向けの料理漫画や、中年男性のBL漫画を執筆するなど、活躍の幅をひろげられております。

そんなながしま先生が、電子書籍雑誌「毒りんごcomic」で連載しているのが本作。
本作はそのタイトル通り、世間的に見れば「クズ」と言われてしまうような人物が集める館での出来事を描いていくのですが……


円香聖(まどかひじり)は、半年ぶりに日本に帰ってきました。
紛争地域で医療活動を半年間務めてきた聖でしたが、そのたたずまいはまるで、ちょっとヨーロッパまでお買い物旅行に行ってきたお嬢様、とでも形容できそうな艶やかなもので……
現地に同行していたボランティアたちも、地獄だと形容してしまうような光景を目の当たりにしながら、彼女はまったく精神的な疲れを見せません。
そんな彼女が帰国したのは、「やることができたから」だと言います。
そのやることと言うのは、先日彼女の祖母が亡くなり、唯一の遺産相続人である聖にすべての遺産が転がり込んできたことでできるようになったのですが……
その遺産と言うのは、ざっと20億。
20億と言う金額を聞いても表情を崩さず、当たり前のように相続する聖。
遺産相続の管理を行っていた業者は、お金はともかくとして、残された文化財レベルの邸宅は、若い聖が管理するのは大変だろうから、売却をお勧めすると持ち掛けてきたのですが、聖は首を縦に振りませんでした。
この屋敷で、その「やりたいこと」があると言うのです。

やりたいこと。
それは、
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行き場のない可哀想な人を集めて共同生活をしよう、というものでした。
突然そんなことを言い出して、以前からの知り合いはあっけにとられてしまうばかりなのですが、聖は着々と準備を進めて行きます。
市役所で手続きを進めようとた聖ですが、その際担当した市役所の人はちょっぴり性格の悪い人でして。
素晴らしい考えだわと一旦持ち上げておきながら、あなたの求めているような人は扱いやすい安全な人間とは限らない、と脅しにかかってくるのです。
例えば、煽り運転で死亡事故を起こしたうえ、出所後も保護施設で問題を起こして追い出された男。
例えば、新幹線車内で婦女暴行事件を起こし、出所後レイプ未遂で再び懲役刑となった男……
そんな危険人物ばかりですよ、やっぱり無理よね!
いやらしい笑いを浮かべながらそう告げる係員なのですが、聖は迷うことなくこう答えるのです。
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ぜひ引き取らせてください、と!

犯罪者は死刑ではない限り、必ず戻って来る。
その時迎える場所がなければまた過ちを犯すかもしれない。
だからその迎える場所を作る、それが自分の務めだ。
聖は余裕すら感じられる笑顔でそう言うのでした。

そのころ、聖が日本に返ってくる前、従事していた難民キャンプである騒ぎが起こっていました。
聖の帰国直前、ボランティアの一人が自ら命を絶つと言う事件がありました。
当初は地獄としか言いようのない光景を見て絶望して命を絶ったと思われていたのですが、今になって遺書が見つかったのです。
その遺書には、とんでもないことが書かれていました。
自分は初めて会った時から聖に恋心を抱いてしまっていた。
思いは募り続け、ついに聖に睡眠薬を飲ませてレイプしようとした。
ギリギリのところで踏みとどまり、何もしなかったが、自分のしたことに気付いているのかいないのか、聖は変わらず優しく接してくれた。
聖と一緒にいると自分が余計汚いみじめな存在に思えて、毎日が耐え難い地獄に感じられ……命を絶つことにした……
そんな衝撃的な内容の遺書を見て、残っていたスタッフは驚愕します。
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この子「も」だったんだ!!
自殺まで至ったのは初めてだったものの、このキャンプではいままで聖を巡っての喧嘩や帰国が何度も起こっていたと言います。
勿論聖が魔性の女である、と言うわけではありません。
美しすぎる容姿、強すぎる心、優しすぎる愛。
それは彼女が望む望まざる関係なく、周囲に危険の種を生んでしまうのです……

そして、聖の経営する保護施設、「白鳥館」の運営が始まりました。
たっぷりの御給金を用意したこともあり、従業員も5人無事に雇うことができたのですが、やはり従業員も恐怖がないわけではありません。
何故ならここの入居者は、いわくつきの男ばかりが4人。
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件の煽り運転の男、赤井。
連続婦女暴行班、星野。
詐欺や窃盗を繰り返した、尼崎。
そして、最年少にして最も凶悪な事件を起こした元「少年X」、リョウマ……!!
いずれも改心とは程遠い危険な、どす黒い思いを抱いた物ばかり。
聖は自らの身に秘めた力で、彼らを更生することができるのでしょうか。
それとも……!?



と言うわけで、白鳥館で繰り広げられていく、屑たちの企み。
聖はその美貌と慈愛で更生を促していく……のかと思いきや、徐々に物語に異様な空気が漂って行きます。
魔性の女としての側面も持ち合わせている聖なのですが、「あれ?」と首をかしげる不可解なふぇきごとが起き始めまして。
そしてその出来事は、聖の持っているある「能力」が原因だと言うことがわかり……物語は経路を変えていくことに。
今巻はその聖の謎の能力の片鱗を描きつつ、住人たちを掘り下げて行く展開がメインとなって行くのですが、最後の最後にさらに予測不可能の展開に!?
ただのサスペンスでは片づけられない、本作ならではのストーリーから目が離せませんよ!!

ちなみにながしま先生作品と言うことから、そしてこう言った作品のお約束的なことからも、お色気シーンが多分に含まれている、と予想される方もいるでしょうが、なんと以外にも(?)本作にお色気要素はほとんどありません!
勿論全くないわけではないのですが……こう言った点からも、ながしま先生はストーリーで勝負しようと考えているのがうかがえます!
そんな本作のこれからが楽しみですね!!





今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!