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今回紹介いたしますのはこちら。

「侵略好意」第1巻 犬背九二郎先生 

小学館さんの裏サンデーコミックスより刊行です。


犬背先生は19年にマンガワンの新人賞を受賞し、デビューした漫画家さんです。
その受賞作を下敷きにした本作の連載を20年より開始。
この度めでたく単行本刊行となりました。

そんな犬背先生の初連載作となる本作は、バトル漫画に分類される漫画となっています。
女子高生が命懸けのバトルをする、と言うだけならば今やそれほど珍しくはありませんが、本差kはそれだけではなく……?


一人、ゲームをプレイしてはにやつく少女。
どうやら人助けをしたりしてキャラクターの好感度を上げて行き、友達を作るゲームのようです。
攻略は順調に進み、友達の数は99人に。
間もなく100人と言うところに差し掛かりまして、少女……和嶋イソラはにやにやと笑いました。
ですが、一昔前に流行った、現実の友達のプロフィールを書き込んでいくノートは白紙のまま。
ゲームで友達を作るのはこんなに簡単なのに、こっちは0人のままか。
白紙のノートをぼーっと見つめておりますと、突然携帯電話のアラームが鳴り響きました。
学校に行く時間を知らせるアラームです。
もう朝?どうか今日こそ、友達ができますように。
そう呟くと、イソラは身だしなみを整え、台所に向かいます。
あはよー、朝ご飯いつものでいいよね。
お父さんいつもこれ食べてるから、私も真似したら好きになっちゃった。
そう言うとイソラは、ボウルにコーンフレークを開け、そこになんとメロンソーダを注ぎました!!
あまり想像したくない気がするその料理(?)を二つ作ると、テーブルの上に並べるイソラ。
ひとつは自分のモノ、もう一つは……遺骨と写真になった、父親のためのものです。
お母さんがね、仏壇買ってやる義理ないって。
いろいろ落ち着いたら私が買うからね。
あと、お母さん、もう連絡してくるなって。
私の顔お父さんそっくりだからもう会いたくないって。
……乾いた笑い声をあげながら、イソラは食事を始めるのでした。

テレビには、動物の微笑ましい姿を映した番組が流れています。
その様子を見ながらコーンフレークを食べていますと、突然映像が乱れます。
テレビの故障かと思った矢先、今度は画面に「おいで」とだけ表示坐されました。
……心霊現象!?
思わずのけぞってしまうイソラでしたが、気が付けばテレビは先ほどの画面に戻っていまして。
なんだかはわかりませんが、とりあえず気にせず学校に向かうことにするのでした。

登校中、イソラはこんなことを考えています。
もしもここに車が突っ込んできて、逃げ遅れた生徒を助けたら友達になってくれるかな?
そんな不謹慎な妄想は、授業が始まっても止まりません。
もしも教室に変質者が襲撃してきたとして、襲われているクラスメイトを助けたら友達になってくれるかな?
そんなことを考えたせいで、先生に呼ばれていることに気が付かなかったイソラ。
ですが先生は、イソラを和嶋ではなく、田中と呼んでいます。
そのせいもあって気が付くのが遅れたのですが……
イソラは父が死んだあとは母方の姓を名乗っているのですが、扱いは朝呟いていた通り。
母親に見捨てられ、一人暮らし。
さらに子供の頃は転校続きだったせいもあって友達もおらず、いつもひとりぼっち。
いつもひとりぼっちってことは問題児なのか?と周りに敬遠されてしまい……イソラの友達はいまだに一人もいない、という状況になってしまっているのです。

その日の体育は水泳でした。
授業の最後は自由時間になりまして、クラスメイトは楽しそうに遊んでいるのですが、イソラはひとりぼっちで端で座り込んで時間が経つのを待っています。
この状況では妄想もはかどりませんで、隕石でも落ちてきたら……それじゃ私も死んじゃうか、とはかどらない妄想で自虐的に笑うのでした。
そんな時のことです。
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天井を突き破り、得体のしれない何かがプールに落下してきたのは。
それは誰も今まで見たこともないもので、一体何なのかとクラスメイトはこぞって近寄って行きます。
そして一人の少女がその物体に手を触れますと、突然それは触手を伸ばし……
次々に生徒に襲い掛かるではありませんか!!
手や足を貫かれてしまったり、突き飛ばされて壁にたたきつけられたりと、プールは地獄絵図へと変わってしまいました!!
逃げ惑う生徒たちの中、ホントに降ってきちゃった、とつぶやきながら自分も逃げようとするイソラ。
ところがそこで、クラスメイトの一人が触手に捕まえられてしまっていることに気が付きます。
誰か助けてぇ、という彼女の叫び声が聞こえるなか……イソラは、
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ひきつった笑みを浮かべながら、ガラス片を手に取ります!!
そして、一目散に彼女の下に向かうのです。
助けるチャンスが本当に来た!
怖いけど、ひとりぼっちなんかよりずっと怖くない!
イソラはクラスメイトを捕えている触手にガラス片を突きたてました!!
その謎の物体も痛みは感じているようで、触手は彼女を手放して痛みに悶えます。
イソラは彼女にそっと手を差し伸べますと、彼女も手を取ってくれまして……
人の手に触れるのいつぶりだろう、あったか否、今ならあの言葉言ってもいいかな。
むしろ今しかない、今がチャンス、今言わなくていつ言うの!!
イソラは憧れのあのセリフ、私と友達になって下さい、をついに言うことができたのですが……
瞬間、触手が彼女を突き飛ばし、壁にたたきつけてしまったのです!!
突然の出来事にびっくりするイソラ。
そして触手は、イソラの足に絡みつき……
物凄い力で、引っ張りこもうとしてくるではありませんか!!
わたし、最後までひとりぼっちなんだ。
友達ができないまま死んじゃうんだ。
脳裏によぎるのは、自分の葬式に、誰一人参加しないと言う考えるのも恐ろしい光景。
そんなのやだよ、一人で死にたくないよ。
誰か助けて、一人にしないで!
イソラがそう叫んだ瞬間のことでした。
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ウサギの形をした風船、と形容するしかないような、不思議な生き物が目の前に現れ、助けてやろうか、と声をかけてきたのは!!
助けてやろう、その代わり私のことを助けてほしい。
その為には気味の体が必要だ。
……こんな大ピンチで、わけのわからない誘いを受けた時でも、イソラは自分を必要としてくれる存在がいることに反応してしまいます。
私が必要、私がいい。
その言葉に後押しされ、イソラはお願いします、と叫んでしまいました!!
するとそのウサギの風船は、紐の様な部分をイソラの耳の中へとつきたてました!!
そしてその紐の様な部分を伝って、ウサギの風船は自分の「中身」を、イソラの中へと注いでいきます!!
行きたいのならば強くそう思え、生存本能は生物の力を引き出す。
その力で私を助けるのだ。
ウサギの風船のその言葉を聞いて、イソラは歯を食いしばります。
生きる……?
そうだ、私は生きて、生きて……
生きて、友達をたくさん作るんだ!!
そう叫ぶともに腕を振るいますと、イソラを捕えていた触手が一気に切断されます!!
一体どうして……?
イソラがそのふった腕を見てみますと、
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なんとその右手が怪物か何かのように、鋭い爪を備えた真っ黒なものに変貌していたのです!!
予想だにしていなかった出来事にうろたえるイソラですが、その時彼女の耳の中からあのウサギの風船だったものが出てきました。
そして、こう言うのです。
上手く定着できたようだな。
君の体は素晴らしいな、よくなじむ、信頼できそうだ。
次々に巻き起こるとんでもない、現実離れした出来事。
ですがイソラは……
信頼してるなんて初めていわれた、と、何故か笑顔を浮かべてしまうのでした!!



と言うわけで、突如現れた謎の物体と戦うことになってしまった本作。
この後イソラは、ウサギの風船のようなモノ、宇宙人のエゴと共に謎の物体(こちらも宇宙人)を倒すことになって行きます。
こう言った巻き込まれ方の主人公は、最初は相当嫌がるものの、徐々に心を許していって、最終的には親友のようになっていくのがセオリーです。
ですが、本作の主人公であるイソラは並の主人公とは一味違います。
今までずっとひとりぼっちで生きてきたイソラは、たとえ得体のしれない宇宙人が相手だとしても、信頼しているだとか、必要だとか言われてしまえばすぐに信頼してしまうようになってしまっているのです!!
異常にあっさりとエゴを受け入れるイソラは、エゴと言う友達(?)を手に入れたこと、そしてその力で人助けできるようになったことで、新しい友達を作ろうと大ハッスル!!
エゴですら驚くとんでもない行動をとるのです!!
続々と登場する敵宇宙人、そして友達候補となる人々。
次々に巻き起こるあれこれに、歪な笑いを浮かべながら、イソラは秘められた力の片鱗を見せつけ始め……!?
本作ならではの要素が満載の本作、今後の展開も本作ならではの展開をしてくれるはず!!
これから先も見逃せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!