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今回紹介いたしますのはこちら。

「はぐれアイドル地獄変」第10巻 高遠るい先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、ヴァルキリーオペラもどんどんと大詰めに近づいて行く本作。
海空は苦戦しながらもなんとかベスト8にまでたどり着き、大晦日の超大舞台に挑むことになったのですが……!?



とうとうその時がやってきました。
ケージの中でにらみ合う、海空とマリア。
格好は紐水着同士(しかもレフェリーはビキニのバニーガール)と言うアレなものではありますが、だからと言って二人の実力を疑うものはもはやおりません。
ゴングが鳴るや否や、水着のおかげで華やいだ雰囲気も一気に消え失せ、緊張があたりを支配します。
海空は本大会の打撃系選手の中ではトップクラスのフィジカルの持ち主で、空手の技術も持ち合わせて一撃の破壊力はすさまじいの一言。
一方のマリアは本体会随一の柔術の使い手で、関節技においては右に出る者はいないでしょう。
マリアは高速タックルで寝技に持ち込みたい、海空は組まれないうちに打撃で決着させたい。
一瞬で勝負が決してしまう可能性があるだけに、双方は全く動けないまま、時間が経過していきます。
ですが、このままお見合いが続いては埒があきません。
最初に動いたのはマリアでした。
彼女の享楽的な性格もあるでしょう、せっかくのTVマッチなんだからお見合いしてても寒いだけ、イチャイチャして楽しませなきゃ、と言いながらゆっくりと海空の方へと歩いて行き……
マリアは海空の左足へ、間接蹴りを放ちました!!
とっさに反応する海空ですが、その蹴りは海空すらも騙されてしまう完璧なるフェイント!!
本命は
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ヒットする直前で膝を返し、頭上から振り下ろすような軌道でけりつけるブラジリアンキックだったのです!!
完璧な蹴りを頭部にもらい、海空の意識は飛んでしまいます。
そこにすかさずマリアはアッパーで追撃!!
崩れ落ちる海空の背後に回り込み、スリーパーを狙ったのです!!
マリアは「柔術家」ではありますが、柔術と言うのはそもそもが何でもあり、「バーリトゥード」。
打撃ができないわけがない、と言うわけです!!
ですがこれで決着してしまうのか、と思われたその時でした。
海空の背後を完全にとったかと思われたマリアの体が、
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まさしく「ふっとんだ」のは!!
一体なぜ一瞬のうちにマリアはふっとばされてしまったのでしょうか?
マリアを振り払ったその技は、なんと基本の「正拳突き」なのだと言います。
腹筋と腰で重心を安定させる「ガマクを入れる」。
背中から脇への筋肉を引き締め一枚岩にする「チンクチを掛ける」。
沖縄空手の基本である正拳突きの威力を決めるその二つをしっかりと鍛え上げることで、政権月の爆発力が上がります。
しっかりと鍛え上げられた海空の正拳突きの動作は、さながら鋼鉄のプロペラがいきなり全速力で回転し、直後に急停止したようなもの。
いかにマリアであろうとも、組みつき続けることはできなかったと言うわけです!!
ちなみに海空、一発目のブラジリアンキックで完全に意識が飛んでいたのですが、二発目のアッパーがきつけになって意識を取り戻すことができたようで。
ラッキーと言ってもいい展開でしたが、これも海空の鍛え上げられたフィジカルあってのことでしょう。
そして……海空は立ち上がり、マリアは吹き飛ばされて座っている状態。
このまま、マリアを立ち上がらせない!!
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海空はマリアの顔面に正拳を見舞うのです!!
それでも起き上がろうとするマリアの顔にもう一発。
起きようとすればもう一発、もう一発……
海空が一方的に攻撃を見舞っているようですが、マリアはダウンしません。
戦う意思があり、意識がある以上勝負はつかないわけで。
そんな状態だと言うのに……マリアは海空に、あたしは虫の息だけど参ったはしない、止めを刺しに来なよ、と挑発するような言葉まではいてくるではありませんか。
挑発された海空ですが、こう返します。
行かないよ、空手家は寝てる人まで殴らない。
それに……あなた、ホントはピンピンしてるでしょ。
手応えでわかるわ、当たってはいても届いてはいない……だよね?
海空の言葉を聞いたマリアは……にやりと笑いました。
これはマリアの驚きべき力の一端です。
スリッピングアウェー。
パンチがあたる瞬間に、当たる方向と同じ方向に回転やスライドし、ダメージを受け流す。
本来、「もうかわすことができない」となった時の最終手段である回避手段なのですが、マリアはそのとんでもない目の良さと反射神経、身体能力で、自分からあたりに言った上、触れてからダメージを完全に受け流す、という人間技とは言い難いスリッピングアウェーをこなしていたのです!!!
マリアとその父親のニックネーム……「幽霊(ファントム)」。
まさしく幽霊のように、海空の打撃を受け流し……
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今度こそ、マリアは海空を寝技に引き込んでしまうのでした!!!



と言うわけで、決勝大会が始まる今巻。
ベスト8が勢ぞろいしたこの決勝大会、残ったのはいずれ劣らぬ実力者ばかり。
空手の実力においては言うまでもなく、フィジカルにおいても本大会トップクラスの海空ですが、相手はそれ以上に尖った能力を持つ者ばかりです。
寝技に持ち込まれてしまえば実質ゲームオーバーと言っていい、このマリアもその一人。
組みつかれることなく勝負をつけるのが理想ではありますが、あえなく寝技に持ち込まれてしまい……
この後待っている驚きの決着まで、息をつく間もない熱戦となるのです!!

そしてもう一戦、ミカVSルナも完全収録!!
毎回紙一重で勝利している感じのあるミカですが、その実力はもちろんのこと、過去作で人類を救った人物だけに、窮地に追い込まれてからが本番と言っていいでしょう。
さらに勝つためならありとあらゆる手を使うダーティーさも持ち合わせているだけに、過去の戦いを圧勝で飾っているルナでも全く油断はできません!!
こちらもアッと驚く結末が待っていますよ!!

そんなバトル展開の連続でも、お下品と言ってしまってもいいエロスなサービスシーンは忘れないのが流石高遠先生。
決勝大会前にはまさかのベスト8のメンバープラスαによる温泉買いが用意されております!!
ついでに(?)本大会を裏で糸引くあの人物の介入も行われ、これからの展開を左右する重要な要素もミックス。
最初から最後まで見逃せない一冊となっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!