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今回紹介いたしますのはこちら。

「双亡亭壊すべし」第16巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。



さて、鬼離田姉妹の戦いが決着を見た前巻。
ですが禄朗が狙撃されて意識を失ってしまったり、泥努に協力している人間、五頭応尽が鬼離田姉妹の実の父親であることがわかったりと、衝撃的な事実が連続します。
それでも徐々に双亡亭に対抗する希望も集まり始め、務達さらに双亡亭の奥深くへと向かうのですが……?



宿木をはじめとした、再突入の破壊者たちと合流することができた務。
ある理由のおかげで禄朗もとりあえず命に別状はないことがわかり、ほっと胸をなでおろします。
そして逆に宿木たちは、務の手に入れた情報に興奮することとなるのです。
双亡亭の「絵」は、帰黒の髪の毛から作られる液体で壊すことができる。
そして泥努の描いている巨大な絵をそれで破壊すれば、侵略者たちがこちらに一気に押し寄せることはなくなる……!!
確かにそれが本当ならば、一気に希望が見えてきます。
その希望を元に、一同は作戦の練り直しを図るのでした。

アウグストは双亡亭破壊の準備として、軍事用衛星の回線まで使えるようにしていたようです。
双亡亭を見下ろす映像と照らし合わせながら、現在の自分たちの位置を確認。
そして、泥努が今どこで件の「絵」を描いているのかを話し合います。
双亡亭はあまりに広大で、適当に探していては見つからないでしょう。
いや、そもそも今から突入しようとしている双亡亭の母屋の中に本当にいるかどうかすらもわかりません。
造園を待って物量に任せた捜索をしようにも、泥努の放つ超広範囲攻撃を考えると……増援に頼ることはできませんし、政府が増援を送ること自体に二の足を踏んでしまいかねません。
だからと言って悠長に作戦を練り続けている暇などあるはずもなく。
宿木とアウグストがああでもないこうでもないと白熱しすぎたきらいのある議論をしておりますと、そこで突然笑い声が響き渡ります。
それは、意識を取り戻した鬼離田姉妹の声でした。
視える、視えるわ。
泥努のいる場所、大きな絵が視えるわ!!
鬼離田姉妹は、長女から受け継いだ目の力で、泥努の居場所を感じ取ることができるようになったのです。
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鬼離田姉妹が指さしたのは、母屋の中心に聳え立つ塔状の建物、その頂上でした!

鬼離田姉妹は強化された目の力で、さらに仔細な状況まで探ります。
泥努は今、大きな絵の前で、紅をモデルに絵を描いている……
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その大きな絵と言うのが、侵略者たちの門になるであろう絵なのでしょう。
それがもし完成しているとすれば、全ては終わり。
こうして様子をうかがっている間にも、侵略者たちが飛び出してくるかもしれません。
ですが絵が完成しているかどうかというのは、その絵を描いている作者が決めるもの。
ましてや絵描きではない鬼離田姉妹からすれば、その絵が完成しているかどうかなどわかりようがないのです。
ですが、泥努ではない者達の気持ちならばわかります。
室内にいくばくかこびりついている、侵略者たちの感情。
それは……「苛立ち」。
彼らが苛立っていると言うことはつまり、まだ絵が完成していないと言えるでしょう!!
場所はわかりました。
そして紅は無事で、少なくともその紅が絵のモデルを務めている間は侵略者たちの門は完成しないこともわかりました。
後は泥努のもとに乗り込んで、帰黒の髪の力で生み出す霊水で絵を破壊するだけ!!
……と思われたのですが、そこで鬼離田姉妹がこんなことを言い出すのです。
帰黒の霊水なるものをかければ「絵」がこわれると?
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先刻から霊水で壊れた「絵」を視ようとしておるのじゃが、回り階段のあたりはおろか、どこにもそのような「絵」は、一枚たりとも見えぬのじゃ。
……そんなはずはありません。
帰黒の霊水は、確かに絵を壊したはず……
うろたえる務と帰黒ですが、それならば実際に今試してみればいい、と残花が帰黒とともに屋敷内に入り、手近な絵の元へと走りました。
そして絵に帰黒の霊水をかけますと……
確かに絵にはヒビが走り、瞬く間に壊れたのです!!
これを見る限り、霊水が絵を破壊できるのは間違いない様子。
ですが、その直後のことでした。
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ヒビだらけになって破壊されたはずの絵がみるみると元通りになって行ったのは!!
双亡亭の絵は、霊水で破壊できるが……すぐに復活する。
これでは泥努のもとにたどり着いたところで、絵を破壊することが……できない……!!




と言うわけで、双亡亭破壊の希望が一気に消えてしまったかに見えた今巻。
ですがこの後、ある人物が双亡亭破壊のための意外な事実を知ることになるのです!!
その人物とは……意識を失っているはずの禄朗!!
その禄朗がどうやって破壊の手がかりを得るのか?
驚きの展開が繰り広げられることとなるのです!!
さらにその他にも見逃せない内容が盛りだくさん。
務達の戦い、録朗の冒険の他、応尽としのの企みが描かれており、今までに状に戦いが複雑化の様相を呈していきます。
ですが、務達の戦力は整い、録朗は重大な真実を知り、双亡亭を守る者達も減って来たいま、物語はクライマックスに近づいてきているのは間違いなさそうです。
刻一刻と迫る運命の時。
その時まで、目の離せない展開は続きそうです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!