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今回紹介いたしますのはこちら。

「男塾外伝 死天王」第1巻 原案・宮下あきら先生 作画・柳田東一郎先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、物凄い勢いで外伝が連載されている「男塾」シリーズ。
伊達、赤石、邪鬼と人気キャラクターのスピンオフが描かれてきたわけですが、ここに来て始まったのがまさかの「死天王」でした!!
個人的には羅刹が大好きなのでこの采配は嬉しいところなのですが……どちらかと言えば「名脇役」であろう死天王、果たして主役を張るにふさわしい活躍ができるのでしょうか!?



ずらりと並ぶ400人のむくつけき男たち。
彼らはこの春から、男塾に入塾せんと詰めかけてきた荒くれ者達です。
ですがこの年は何かあったのでしょうか、来るもの拒まずの筈のこの男塾で、入塾できるのは40人と制限されてしまいました。
希望すればだれでも入れるんじゃないのか、もうここの学ランを買わされたぜ、と口々に文句を言う入塾希望者たちですが、鬼ヒゲはそんなことはどこ吹く風。
これから百人ずつの四グループに分かれてもらい、それぞれ地獄試験を受けてもらう、その中で生き残った10名が合格だ、と話し続けるのです。
ざわつく入塾希望者たちに、文句があるなら立ち去れと怒鳴りつける鬼ヒゲ。
いつものように、立場の弱いものにはとことん強く出る彼ですが……今年の1号生になる男たちは一味違うようです。
ブイブイ言わせている鬼ヒゲの前に、一人の男が立ちはだかります。
嫌が応にも目に飛び込んでくる立派なモヒカンヘアのその男……御託はそのくらいにしてとっとと始めろや、と鬼ヒゲをにらみつけました。
なんだその態度はと飛行帽が男をにらみ返すのですが……その男は全く怯むことなく、飛行帽をまっすぐ睨み返し……!
遂にはその圧力に負け、飛行帽は及び腰に。
そしてさっそく地獄試験が開始されることになるのでした!

モヒカンの男、卍丸が挑むことになったのは、「灼熱鉄板地獄」。
読んで字のごとくといいますか、猛烈な勢いで熱された鉄板の上にどれだけ立っていられるか、という危な過ぎる地獄試験です。
挑む塾生たちは次々に鉄板の上から飛び降りて行くのですが、卍丸は足をバタバタさせることすらなく、仁王立ちのまま!!
その余裕に苛立った飛行帽がたまりかねて油をまきますと、鉄板上に残っていた入塾希望者たちは炎に包まれてしまいました!!
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……が、それでも卍丸は微動だにせず!!
心頭滅却すれば火もまた涼し!
昔の野郎はいいこと言うぜ!
と、あっさり地獄試験を生き残って見せるのでした!!

その他の試験も地獄ぞろい。
四方八方から鋭い矢が乱射される「串刺し上等」では、飛んでくる矢をすべて最小限の動きでかわし続けたあげく、最後にはヌンチャクで自分の周りに襲い来る矢をすべて払い落すと言う荒業をやってのけた男、影慶が存在感を見せつけます。
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坂道から巨大な岩石が次々に転がり落ちてくる「岩石落下祭り」では、直径数メートルはあろうかという巨岩を一突きで破壊して見せた男、羅刹が目を惹きます。
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最後の、熱々の鉄板の上に置いてあるカードから、なぞなぞの答えが書いてあるものをピックアップすると言う知恵(?)も試される「教養灼熱鉄板カルタ」では、華麗な身のこなしで引っ掛け問題もあっさりクリアする男、センクウが目立っていました。
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卍丸、影慶、羅刹、センクウ。
彼らの実力は、入塾を決めた男たちを祝福するためにやって来た塾長の目から見ても上々のようで。
いつもの大ボリュームの名乗りを終え、去って行くそのさなかに、にやりと笑いを漏らすのです。
今年はとんでもない男たちが入塾したようだ、楽しみが増えたわい、と!

とんでもない男が入塾してくるのは、塾長としても望むところでしょう。
ですが腕自慢が四人同時に入塾してきたと言うことは……当然、いさかいも起きてしまうわけです。
特に卍丸は四人の中でとりわけ血気盛んで、どうも男塾の制覇を早速目指している様子。
その日も同じように野望を抱える一号生を軽くのして見せるのです。
そんな卍丸の暴れっぷりを見た男は、羅刹に相談に向かいました。
羅刹は四人の中で最も落ち着いた性格のようで、分厚い本を読みながら静かに時を過ごすのが好きなようです。
卍丸の大暴れの報告を聞いても、血の気の多い奴だ、放っておけ、と静観を決め込むのでした。
ちなみにセンクウはと言いますと、こちらは四人の中で最もマイペースなようです。
権力闘争などどこ吹く風と、一人中庭で花を愛で、鳥と戯れておりました。

さて卍丸ですが、勢いのままにとうとう大物狙いの戦いにも着手しようとしたようで。
俺がここを支配するには、お前を倒さねばならん!
そう言って喧嘩を売った相手は……影慶だったのです!!
後に死天王最強の男と呼ばれることになる影慶ですが、まだ若かったのでしょう。
売られたケンカをあっさり買いまして……早速二人の間に火花が散るのです!!
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早くも幕を開けることになる卍丸VS影慶。
後の男塾本編でも発揮されるように、四天王は誰をとってもとんでもない実力者ばかり!!
その実力者同士が戦うのですから、ただで済むはずがありません!!
さらにその戦いの余波は、羅刹やセンクウにまで波及し……!!!
こうして死天王の物語は、四人の間での戦いで幕を開けることになるのです!!



と言うわけで、四天王にスポットライトを当てることになる本作。
死天王と言えば、その戦闘スタイルが一芸特化型といいますか……ものすごい技を一つか二つ持っていて、それを軸に戦うと言うイメージが強い……様な気がします。
さらに三号生と言う大物イメージも手伝ってか、男塾本編では一人2戦位しかせず、あまり出番がございませんでした。
自分は山艶戦で羅刹ファンになったクチなのですが、まさかその後まともに戦うことがないとは……!!
そんなファンが枕を濡らしたとか濡らさないとか言われていた、死天王達の物語がここで楽しめると言うわけです!!
作画が「邪鬼」執筆中の柳田先生と言うことで、あの独眼鉄を猛プッシュしてくださる先生だけに、死天王の皆もきっと最高にかっこよく書いて下さるはず……!
若かりし日の死天王はどんな戦いをしてきたのか?
本編のような魂で繋がった盟友、とでも言うような関係にはどうやってなったのか?
そんなアレコレが明かされるであろう本作、死天王ファンならば見逃すわけにはいきますまい!!

さらにちょっと面白いのが、死天王が最初に協力して戦うことになる相手と言うのが、外部の敵ではないと言うこと!!
では男塾本編に倣って三号生なのか、あるいは本編では赤石以外ろくなのがいなかった二号生なのかと言うとそうでもなく……
お、そうきた?と思わず漏らしてしまうような、思いがけない相手が現れるのです!!
その敵とは……早速始まる激戦とともに、皆様の目でご確認ください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!