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今回紹介いたしますのはこちら。

「週刊少年チャンピオン 創刊50周年記念 伝説の最終回 平成版」

秋田書店さんより刊行です。


さて、1969年に創刊され、1970年より週刊詩となった少年チャンピオン。
チャンピオン誌上ではチャンピオンの誌面を彩った作品を一話ずつ掲載していくと言う企画も行われていました。
本作はそんな50周年を記念した企画の一環で刊行された一冊となっておりまして、平成に完結を迎えた人気作の最終回を一堂に会した一冊になっているのです!!


収録されているのは12作品。
「4P田中くん」「本気!」「グラップラー刃牙」「シャカリキ!」「ウダウダやってるヒマはねェ!」「浦安鉄筋家族」「覚悟のススメ」「優駿の門」「無敵看板娘」「アクメツ」「侵略!イカ娘」「バチバチ」となっています。
どちらの作品も劣らぬ名作ぞろいですが、「刃牙」「浦安」あたりは現在もタイトルが変わって連載が続いていますし、「本気!」「バチバチ」などはこの最終回後に続編が連載されたこともあって少し最終回感は少ないかもしれません。
ですが、やはりそれでも名作の最終回だけあり、しっかりと読ませる最終回にはなっているのは流石と言えましょう!

数ある作品の中で個人的に最も思い入れが強いのは、「覚悟のススメ」です。
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連載開始当初こそ、下ネタ多めの変身ヒーロー的なギャグ風味のバトル漫画家と思わせる展開だったものの、回を経て行くごとにシリアスに!
主人公である覚悟は戦いの度に大きなダメージを負い、そして持ち合わせていた武装も失っていく、という話が進むにつれてパワーダウンしていく構成になっています。
ですがパワーダウンしていると言ってもそれはあくまで武装面でのこと。
覚悟の戦意や魂と言った精神はまったく衰えません!
そしてギリギリのところで行われるバトルはもちろんのこと、覚悟のススメ、ひいては山口先生と言えば魂のこもりまくった名言の数々も忘れてはいけません!
「雑草などと言う草はない!」というセリフは元ネタはあるものの、そのシチュエーションも相まって
読者の心を燃え滾らせてくれることは間違いありません!!
そんな名言たっぷりの覚悟のススメの最終回でも、山口先生ならではとしか言いようのないセンスで生み出される名言が収録されております。
この「覚悟のススメ」は、世界に数あるバトル漫画の中でも、唯一と言っていい独自の魅力を持つ作品。
ご存知の方もご存じない方も、これを機会にまた堪能いただくのもよろしいのではないでしょうか……!!

そんな覚悟のススメの他にもたすうのクライマックスを収録している本書。
名作の最終回が楽しめる、というだけには終わらないこだわりも見られます。
連載当時の雰囲気を最大限に味わえるよう、掲載されている各作品の1ページ目と最終ページ、カラーページは敢えて雑誌をスキャンしたデータを使用しています!
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勿論原稿は残っていて、原稿そのまま掲載することもできたようなのですが、雑誌掲載時の煽り文などの素材が残っていないためにそうしたのだとか。
その為どうしてもそれらのページは他のページに比べてぼやけた画像になってしまっているのですが、当時の雰囲気を味わえると言うのはなかなか乙な物。
各作品の解説や
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各作品が表紙を飾ったチャンピオンの紹介など、
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見どころ満天の一冊なのです!!

個人的には「ドカベン」はこっちにも入れてよかったんじゃないかとか、アニメ化もした「ななか6/17」「みつどもえ」「実は私は」あたりのどれかが入っていてもいいんじゃないかとか思いますし、皆様もそれぞれ思うところあると思います。
ですがそのあたりは、60周年記念の時にきっと出るであろう何かに期待することにしましょう!!
それまでは本書と同時発売の「昭和編」そして10年前に出た「チャンピオン40th」などをじっくりと楽しみましょう……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!