kz0
今回紹介いたしますのはこちら。

「黒ギャルは雑に学びたい!」第1巻 工藤洋先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。


工藤先生は、本作が全年齢向け作品の初連載作となる漫画家さんです。
が、漫画家としてのキャリアは00年代中盤あたりから積んでおりまして、成人向けの漫画をメインに活動しておりました。

そんな工藤先生が描く本作は、そのタイトル通り黒ギャルが雑学を学ぶ(?)というお話になっております。
気になるその内容はと言いますと……



雑学大好きな女子高生、幸田芽衣子。
彼女はその趣味を存分に堪能できそうな部活、知識文化研究会に入会しようと、部室にやってきました。
部室の扉を開けて中に入りますと、そこにいたのは
kz1
机にお菓子をひろげてくつろぎ放題繕いでいる黒ギャル三人組だったのです……!

躊躇はしたものの、ここまで来たら行くしかありません。
一応入部届は出してみたものの、バリバリの黒ギャルを前にした芽衣子はものすごく腰が引けてしまったおりまして……
芽衣子はこの10月に転校してきたばかりで、雑学の探求が趣味なのでこの部活に入ろうとしたわけです。
が、イメージと違ったのでやめます、とそそくさと立ち去ろうとしてしまうのです。
が、黒ギャルたちはそれを許しません。
アタシら暇なんだよね、せっかく来たんだからもっとお話しよーよ、と芽衣子を強引に部室に引き留めたどころか、入部は決定で、と強引に入部まで決定してしまうのです!
私は入りませんよ、さっきまでおかし食べながらくつろいでたじゃないですか、とても部活動をしてるようには見えませんでしたよ、と抵抗を試みる芽衣子。
部室には机しかない状態で、本棚はあるもののそこには何も入っておりません。
何でもこの部活自体が先週出来たばかりとのことで……
活動実績がない部に入るのはもちろん、真面目な委員長タイプといった感じの芽衣子が、黒ギャルと馴染めるとは思えない……芽衣子は身震いしながらこの場から退散しようとするのですが……
その時、黒ギャルの一人、志摩子がこんな事を尋ねてきました。
私たちってやっぱ、黒ギャルなの?と。
他の二人は、黒く肌焼いてるギャルなんだからそうだろう、と当然のように答えるものの、じゃあ「ギャル」って何なのか、と重ねて尋ねられると答えられません。
そこでメイコに改めてその事を尋ねてみますと、雑学が趣味というだけあってよどみなく教えてくれました。

ギャルと言うのは英語のgirlから派生した俗語で、日本では70年代から若い女性を指す意味でつかわれるようになった。
近代では女性そのものというより、ファッションなどの趣味趣向のジャンルとしての存在が強い。
黒ギャルの誕生は90年代のサーフファッションブームに由来すると言われ、当事者怪現象になった人気歌手の存在も大きかった。
「黒ギャル」という名称が定着したのは00年前後の「白ギャル」ブームがきっかけ。
白ギャルブームの中でも黒にこだわり続ける人も多かったため二つに分類され、今日では「黒ギャル」というカテゴリが確立している……

と、解説しますと、意外にも黒ギャル三人衆は真面目に聞いてくれ、感心して盛り上がってくれました。
その様子を見て……芽衣子は今まで感じたことのない興奮を感じてしまうのです。
いつもは一人でひたすら本を読んで知識を吸収するだけだった芽衣子。
それも勿論楽しかったのですが……
今日初めて、得た知識をひとに聞いてもらうy\という快感を知ってしまったのです!!

それをきっかけに、芽衣子は翔子、多香美、志摩子の三人衆と一気に打ち解けます。
黒ギャルたちは芽衣子の雑学を楽しみ、芽衣子もまた自分の尻えば買った世界を教えてくれる彼女達の話を楽しみ……
さらに決定打になったのは、無理して入部しなくていいから、
kz2
普通に友達になってくれないかな、という言葉でした。
その言葉が決め手になったのかもしれません。
最初は入部を固辞していた芽衣子ですが、今はすっかり気が変わり、入部する方に心が動いていたのです。
……が、そこで突然校内放送がかかり、知識文化研究会はすyグニ校長室に恋、来なければ廃部だと言う呼び出しがかかるではありませんか!

慌てて校長室へすっ飛んでいきますと、校長は言います。
1週間の期限以内、今日までに部活動の最低部員数である4人に達していなければ廃部だ、と。
翔子は正直そんなこと忘れていたのですが、タイミング良くといいますか悪くと言いますか、今まさに芽衣子が入部してくれたところ。
条件は満たしましたが、校長はまだ納得してくれません。
なぜか理事長に気いられて発足した研究会だが、遊ぶための部室が欲しいだけなんだろう、活動なんて全くしていないはず、悔しかったらワタシが関心を持つような知識を披露してみたまえ、とまくし立ててきました。
そこで再び芽衣子の出番。
校長室にモナリザが飾ってあることに気が付くと、モナリザの「現在のモナリザは縦横が切り取られた原寸より小さいサイズである」という雑学を皮切りに、絵画がらみの雑学をどんどん披露!!
芽衣子の活躍で、
kz3
好調をあっさり丸め込むことができたのでした!

こうして正式に知識文化研究会が立ち上がり、芽衣子もその一員となりました。
歓迎会とばかりに、4人そろって遊びに行きまして……
気が付けば
kz4
芽衣子は金髪おさげの眼鏡黒ギャル、という世にも珍しい属性のキャラクターに仕上がっていたのでしたとさ……


と言うわけで、芽衣子と黒ギャル三人衆の日常を描いていく本作。
芽衣子が黒ギャルたちに雑学を披露しつつ、黒ギャル独特の(三人衆独特の?)知識に翻弄されていく様がメインとなっております。
教室だけでなく、4人で遊びに行くなどのエピソードもあり、そこでどんどんと仲良くなっていく芽衣子と三人衆の様子が描かれていくのです。
ついでにちょっぴりエロスなサービスシーンもあったりしますので、黒ギャル要素に惹かれた人も安心です!!
さらに校長の再登場や、この部活を妙に気に入っていると言う理事長が登場し、その強烈なキャラクターを発揮しまして、本作に荒らしを巻き起こしてくれるのです!

本作は基本的にまんがライフ系列で連載されているのですが、巻末には本作のひな型となる「くろじゃん!」が収録されておりまして、そちらは近代麻雀で発表されました。
雑誌が雑誌だけにこちらは雑学ではなく麻雀がメインで、サービスシーンも露骨になっております……!!
一応本編の前日譚となっているようですが、結構違う各キャラの性格や造詣にも注目です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!