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今回紹介いたしますのはこちら。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」第17巻 赤坂アカ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、かぐやと白銀はお付き合いを始めたものの、かぐやの立場などを考えるとまだまだ大っぴらにはできない状態。
いちゃいちゃしたい、でもできない、誰かに自慢することもできない。
そんなモヤモヤな状態の二人は今巻でどうなるのでしょうか!?



生徒会の面々の様々な思いが交錯するようなしないような中、3学期が始まりました。
そんなある日、白銀がいつものように生徒会室に入っていきますと、そこには
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セルフで丸刈りにしてしまった千花がいて……!!

結果から言いますと、それはドッキリでした。
わざわざハゲヅラを作ってかぶり、刈り取った髪の毛のような小道具まで使っての、千花渾身のネタだったわけです。
馬鹿ですね、女の子が突然丸刈りにするはずないじゃないですか、と白銀をあざ笑う千花なのですが……確かに普通の女子ならばそうですが、千花ならば「もしかして……」と考えてしまい……
私を何だと思ってます?という千花のやや冷たい視線を浴びる白銀でございますが、そもそもなぜ千花はいきなりドッキリなどしかけてきたのでしょうか?
聞いてみれば、近くあるかぐやの誕生日にサプライズを仕掛けたいのだ、ということでした。
ですがサプライズというのは難しいものです。
やり方によっては喜ばせるどころか嫌がられてしまうことも珍しくはなく、仕掛ける側のセンスが大きく問われます。
ハゲヅラというのはとてもふさわしいとは思えませんが……さすがに千花もそれはわかっているようで、これはどうしようかと思案した末に何となくやってみたいたずらのようなもののようです。
それにかぐやの誕生日はもう先週の話。
タイミングを逸してしまっている気もしますが……
千花は気持ちが大事なんだ、とやる気満々。
そのやる気は、こうでもしないと自分の誕生日を祝ってもらえないかもしれない、という下心からくるものなのですが!

千花の下心はともかく、かぐやに喜んでもらえるのならば白銀も望むところです。
自分も協力しようと手を挙げるのですが、そもそも白銀もサプライズなんてやったことがありません。
苦いお茶を出すとか、ブーブークッションをしかけるとか……と、べたべたなドッキリを提案してみるものの、千花にため息とともに却下されてしまいます。
そして、もっと人の心を動かすものを考えましょうよ、かぐやさんの慌てふためいた顔を見たくないですか?と、にこやかに下種なことを言ってのけるのでした。

千花が例えばと挙げたのは、かぐやの前で急に喧嘩を始めて、ぎすぎすして気まずくなったところからのドッキリ宣言、というものでした。
これもまたべたなのですが、白銀は誰も幸せにならない感じで辛い、と難色を示します。
千花もその点に関しては同じ考えの様で……だったら、逆にいちゃいちゃしてみるのはどうか、と提案してきました。
冬休みの間に二人が付き合い始めたという体でいちゃついてみてはどうかと持ち掛けてくる千花。
しかし白銀からすれば、冬休みに家具屋と付き合い始めたばかりなわけで、マッハで浮気したみたいなドッキリはとてもシャレになりません!!
いっそのこと、家具屋と付き合い始めたことを明かしてみようかとも考えるのですが、やはり家具屋の家庭の事情なんかを考えるとそこも踏み切ることはできず……
悩んでいるところで生徒会室のドアが開きました。
すると、かぐやさん来たかもしれません!ホラホラ!と、千花は強引に白銀と腕を組んできやがります!!
……入ってきたのは石上でした。
なんすかこれ、と冷え切った目で見てくる石上に、千花は先ほどの考えたドッキリを決行!
するのですが、石上は一層冷え切った目で
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そんなハゲヅラ女と付き合う男がいてたまるか、と断言してしまいました……!
石上は一瞬で状況分析を終えたようで、ドッキリをするならハゲか交際かどっちかに絞ってください、登録者1000人の動画配信者でももうちょいまともにできますよ、こんなんじゃ四宮先輩は騙せません、と完ぺきな突っ込みを入れて見せます。
さらに、白銀が千花を選ぶ時点でリアリティゼロ、もう少し現実味がある設定にしないと、と物凄く千花をこき下ろすのです!!
そこまで言うなら私と石上君が付き合ってる設定にしましょう、さんざん言ってくれた罰です、この責め苦でいっくり反省しなさい!
と石上の手を引く千花、すぐ冷静になって自分と付き合うことが何で罰扱いなんだ、普通の男子なら喜ぶ場面なんですけど!とセルフ突っ込みするのでした……!

また生徒会室のドアが開きます。
今度入ってきたのはミコでした。
そこで早速千花、石上君に彼女できたの知ってる?それは、私です!!とドッキリを仕掛けるのですが……
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相手がつばめ先輩っていうなら応援してあげようって気にもなるよ、でもこれは本当に無理、普通に幻滅した。
そういって、リアルに石上を罵倒してきまして……
流石の千花も焦り、これドッキリだから!!と部屋の隅でドッキリの看板を持った白銀を指しますと、

なーんだ、ビックリしました!そうですよね、藤原先輩が石上なんかとつきあうわけないですもんね、と別人のようににこにこしだしまして……

石上が絡むと反応がアレなミコがいる以上、彼氏役を石上にするのも無理がありそうです。
そこで今度はミコにドッキリのアイディアを聞いてみますと、すらすらとこんな案を出してきました。
例えば何かを私がミスして、

会長が思い切りビンタするとかどうでしょう、と!!
確かにかぐやは驚くでしょうが、さすがにそれは……
ドッキリだけど実際にビンタするとなれば、嘘から出た実になってしまいますし、それは今まででできた案の中で一番やってはいけないやつな気がします!!
ミコが表情も変えず、別に私はいいのですが、と謎のDV耐性を見せつけてくるのもおっかないですし……

結局いいアイディアは出ませんでした。
やっぱり基本に立ち返って、と千花がつぶやいたその時、とうとうかぐやが生徒会室にやってきます。
すると千花は白銀が止める間もなく、会長に彼女ができたの知ってます?と話しかけてしまいました!!
顔面蒼白になる白銀ですが、かぐやは余裕すら感じさせる表情のまま、こう答えます。
えぇ、もちろん知ってますよ。
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私がこの人の彼女です。
私と会長は冬休みからお付き合いしています。
…………まさか、このタイミングでカミングアウト……!?
千花の言葉にならない叫びが生徒会室にこだましまして……
そして、かぐやは……!!



というわけで、まさかのカミングアウトを行うエピソードを収録した今巻。
この後どうなるのかは皆さんの目でご確認いただくとしまして……
今巻は今までも「天才達」でも「頭脳戦」でもなかったともっぱらの評判だったわけですが、二人が付き合い始めてしまったが故「戦」ですらなくなったエピソードが繰り広げられてまいります!!
白銀とミコが生徒会室に二人きりになるという珍しい組み合わせを描いたエピソードや、石上が応援団長を尋ねたらとんでもないことになっていた様子を描くお話などを挟んだ後、かぐやをメインにして、渚や眞妃との絡みと「教育」を描く小シリーズが展開!
今まで語られてこなかった眞妃とかぐやの知られざる過去を描いてみたり、かつてないほどシリアスな表情を浮かべながらとんでもないものをかぐやに手渡す渚など、今までにない様子が楽しめる内容となっております!
さらに自由になる時間の少ない白銀とかぐやが、これまた少ない恋人らしいことをするお話も要注目。
単純に電話でお話しするだけなのですが……なんだかいい感じのお話に見せかけての怒涛のオチが待っている、本作らしいエピソードなのです!!
石上の恋愛がらみのお話や、かぐやの家の話、白銀とかぐやとの進展などの本筋めいたお話はほぼ進まない、比較的ゆったりしたギャグ(と惚気)多めの一冊となっておりますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!