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今回紹介いたしますのはこちら。

「2.5次元の誘惑(リリサ)」第1巻 橋本悠先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


橋本先生は本作がデビュー作となる漫画家さんです。
週刊少年ジャンプで連載経験のあるとある先生の別名義と言う説もあるようですが、その真偽は果たして……?

そんな謎に包まれた(?)橋本先生の初単行本となる本作、作品内容の方はエロスなサービスシーンのあるラブコメと曝け出した作品になっております。
その内容はと言いますと……?


漫画研究部の部室で一人慟哭の叫びをあげる奥村。
たった一人の部員にして部長である奥村は、大好きなアニメを視聴しながら泣いておりました。
奥村が愛するキャラクター、リリエルの意地らしい姿。
何度見てもその姿は、奥村の涙腺と恋心を刺激して離さないのです!

奥村は、2次元にしか興味がないと言い切る、自他ともに認めるオタクです。
3次元の女性に興味はないと言い切る彼ですが、その境遇を聞くと何となく頷けてしまう気もします。
母は男を作って蒸発、正家区政のころには好きな子に告白したらふられるどころか悪い噂を流されていじめられ……
今現在も姉にはなぜかハゲとののしられ、クラスの女子にはオタクキモいと距離をとられてしまっているのです。
ですが彼は全く寂しさなど感じて羽織りません。
何故なら彼には、2次元に愛してやまない「俺の嫁」がいるのですから!!
その名も「リリエル」。
主人公だけを慕いついてくる一途な女の子で、主人公のために命を落とすものの天使になって帰って来る、と言う……まあ減いつにはいないタイプの女子です。
漫画研究部は先輩たちがいなくなったこの春から奥村一人になってしまったのですが、リリエルがいればへっちゃら!
ここにいれば三次元女子に顔を合わせてしまう恐れもありませんし、奥村はのびのびと羽を伸ばすのです。
が。
そんな聖域に、突然見学を申し込んでくる新入生が入ってくるではありませんか!
その荷物から吹奏楽部か何かかと予想し、それなら隣だと追い払おうとする奥村。
ですが彼女は間違いでここに来たわけではなく……
漫画が大好きだからこの部に入りたい、と言いだすのです!!

天乃リリサと名乗る彼女。
ですがここはいわゆる普通の万げ研究部ではなく、男性のオタク向けの……エロスな欲望の滾る魔窟。
適当に理由をつけて追い払おうとしていた奥村なのですが、積極的に仕掛ける前に、リリサの目の前でフィギュアがキャストオフいたしました!!
もともときわどい服を着ているリリエル、そのギリギリ見えなかったところがあらわになり、一転して健全(?)からエロスなフィギュアに変身。
流石にそんなものを見れば女子ならドン引き……するかと思いきや、なんとリリサは「惜しいかな」と、何やら評価をつけ始めたではありませんか!!
せっかく造型がきれいなのに、なんでパンツがシンプルな白なんですかね?
私がリリエルなら、この衣装には黒のレースを合わせます。
だってその方が
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エロいじゃないですか……
大人しそうな女子高校生の口からおおよそ出るとは思えないその言葉。
奥村はその言葉を聞いて、わかる!と自然とガッツポーズをとってしまいました。
リリサはと言いますと、昔からエロ可愛いのが好きでだった、女子なのに変だろうか、と少し気にしているようですが。
そんなリリサ、なんと「リリエル愛ならだれにも負けない」と断言しました。
リリエルにとっては一家言も二家言も持っている奥村、あの非現実的な男の幻想を詰め込んだヒロイン性が女子にわかるとは思えない、と色眼鏡をかけた攻撃を試みます。
するとリリサ、わかります!と叫んだではありませんか!
小さいころから男の子向けのヒロインが好きで、「男子が憧れる女子」って価値観がリアルに感じられた。
可愛くてエロくて周りの男の子をドキドキさせて、ドジだけど素直で一途でみんなに愛される……
そんなリリエルになりたい!!

好きだとかそう言うのを越えて「なりたい」というリリサ。
その意気込みは奥村も認めるしかありません。
一緒にアニメを見てみても、二人はほぼ同じ場面で、同じように興奮し、同じようなリアクションをして……!
お互い何か感じるものがあったようです。
そんな時、リリサが奥村に、惹かれないか心配だけど趣味のことでお願いがある、と言いだしました。
奥村も趣味に関してはいろいろと言われてきた男。
オタクたるもの好きなものの話は否定しない、何かを熱烈に愛していると言うだけでオタクと言う仲間なんだ!とちょっとかっこいい言葉でお願いを聞く体制を作ります。
するとリリサは、何やらDVDのトールケースを取り出しました。
そのジャケットに描いてあるのは、エロスなコスプレをした女性たち……?
これは男性向けのエロスな、コスプレ物のアダルトなビデオと言うやつではないでしょうか!
リリサは一層熱のこもった声でこう言います。
「ROM」っていいます。
コスプレの写真や動画を詰めた作品で……
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私、これを作りたいんです!!

リリサのお願いは、
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リリエルのコスプレをしている自分の写真を奥村に取ってくれ、というものでした。
同じリリエルに心酔している者同士なら、安心して任せられる……そう考えたようです。
奥村も同じリリエルを深く愛する者として、そのお願いをむげに断ることもできません。
君がどんなエロいコスプレをしようが、邪な考えを抱かないと約束しよう。
そう言い切りますと、リリサはいきなりその場で着替えを始めて……!!
慌てて後ろを向いてみないようにしていますと、程なくいコスプレは完了しました。
その姿は……
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まさにリリエルそのもの!?
恋い焦がれ続けたリリエルが、すぐそこに、現実にいる……
ハンマーで殴られたかのような衝撃を受けた奥村は、人生の中で最大の衝撃を受けてしまうのです。
3次元の女の子は受け入れられない。
でも……2次元の女の子そのもののような、その間……2.5次元の女の子なら!?
止まっていたかもしれない奥村の中の何かが、動き出したのです……!!



と言うわけで、最近ちょっと増えてきた気がするコスプレをテーマにした作品である本作。
本作の特色は、2次元にしか興味のないはずの男の前に、2.5次元、コスプレ女子が現れると言うところにあるようです。
リリサに心を奪われ舞奪われまいとするものの、奥村が彼女に惹かれてしまっているのは疑いようもない事実。
そしてリリサもまた、おそらく初めて自分に深い理解をしてくれた奥村が気になってしまって……?
そんな正直言って時間の問題な気がするラブコメが描かれるわけです!

こう言った作品には付き物のエロスなサービスシーンですが、本作はそのあたりも完備しております。
何せ主人公であるリリサがエロスなコスチュームが好きなわけですから、自然と肌色成分が多くなってくるわけで。
さらにコスプレには着替えが必須で、奥村は三次元に興味がないと言う体なわけですから、更衣室もなしで御着替えしてくれます。
奥村はドキドキ、男性読者もにっこりとこう言うわけですね!

さらに今巻後半では、その時間の問題感を打破する新キャラも登場。
新キャラクターはエロス要素も恋愛要素も、そしてコスプレ要素も大きくひっかきまわしてくれそう!
ますます膨らんでいくコスプレラブコメワールドに期待ですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!