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今回紹介いたしますのはこちら。

「JKオブ・ザ・デッド」 原作・森橋ビンゴ先生 作画・西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。

さて、「鉄鍋のジャン!!2nd」を連載中の西条先生最新作となる本作。
最近は「鉄牌のジャン!」をはじめとした近代麻雀系の雑誌でも連載をされている西条先生、本作も麻雀雑誌での連載作品となっています。
原作に「ゲッターロボ牌」をはじめとした麻雀漫画を手掛けられている森橋先生を迎え、描くのは……ゾンビ×麻雀×女子高生といハイブリッド(?)な作品です!



ミカ、カナエ、スミレ、タマキの16歳女子高生カルテット。
その日も4人は麻雀に興じていました。
結果はオーラスでダブロンを食らってしまったミカの最下位。
どうもミカは4人の中では一枚腕が落ちるのようで、こうして彼女が一人大負けすることが珍しくないのです。
麻雀でラスを引いたミカは、今日も「調達係」。
今日こそは絶対タマキが最下位だと思ったのに、とぼやくミカですが、決まってしまった勝負は覆りません。
スミレに、食べ物以外で必要なものあったっけ?と確認し、水とガスボンベが必要なことを確認。
カナエはチョコが欲しい!と叫ぶものの、御菓子類はあまり期待しないでよね、とそれを軽くあしらって……釘バットを持って出かけて行くのでした!!

彼女達が立て籠もっている学校を出ると、そこにいたのは
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大量のゾンビ!!
理由はさっぱりわからないのですが、1か月前から世界はゾンビだらけに変貌してしまったのです。
ミカは手慣れた様子で塀の上を伝って移動。
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邪魔をするゾンビは釘バットで撃退し、華麗に街を闊歩するのです。
なぜこうなったのか分からない、わからないなら考えても仕方ない。
そうやってミカたち四人はこのゾンビの世界を生き延びてきたのでした。

ミカの帰りを待つ三人は、思い思いの時間を過ごします。
パンツ丸出しで砂嵐しか映らないテレビを眺めるカナエは、しみじみと漏らしました。
やっぱ人類滅亡だねコレ。
スミレは電気の無駄遣いだからテレビを消してと良いのですが、夜に明かりをつければゾンビが集まって来てしまいますし、電気の使い道がそもそもほとんどない状態。
虫みたいねあいつら、とぼやくカナエに、タマキは筋トレにいそしみながら俺は無視嫌いだからゾンビのほうがいいな、などと適当なことを言います。
タマちゃんの趣味は筋トレで、道具も何もいらなくていいね、とうらやましがるカナエ。
タマキは、お前も少しは絞れ、そんな霜降りじゃ食料がなくなったら真っ先に食われるぞ、とからかうのです。
……冗談めかしてはいますが、食糧がいつ無くなってもおかしくない、と言うのは本当のことです。
4人の頭脳担当のスミレはその事は重々承知で……
時々本質をつくのよねタマキって、ミカの方も心配だし、とかんがっを巡らせながら、今日の食事の準備をするのでした。

ミカはいつも来ているスーパーにやってきました。
ここは入り口が封鎖してあるため、ゾンビは簡単には入ってこれません。
それでも潜り込んできてしまうゾンビはいまして、人間の気配を感じたのか、早速ミカに襲い掛かってくるのです。
しかしミカもなれたもの。
ホラいた、ゴキブリどもは閉鎖していてもどこからか入って来やがる!とぼやきながらも、釘バット一閃、ゾンビを片付けるのです。
……ですがこのスーパーもそろそろ限界のようです。
今まで何度も来ている為に食糧も残り少なく、鮭缶と米くらいしか見つかりません。
そして何より、ずっとゾンビが殺到していたためなのか、ちょうどその瞬間にバリケードが限界を迎え……
ゾンビが大挙して中へなだれ込んできてしまったのです!!
万が一のことを考え、逃走経路は一応確保してあります。
高いところに登るのが苦手なゾンビが追いかけにくい、高い位置の窓から裏口を通って逃げる!
ですがゾンビも待ちに待った獲物の来場ですから、しつこく縋りついてきて……!!
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ゾンビの群れに追いつかれてしまったミカは、死ね死にぞこない、もう死んでいるけど、と必死で釘バットを振り回すのですが……!?

パンツとスカートを失いましたが、ミカは何とか学校に帰ってきました。
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手に入れたものも米と缶詰のみと寂しい限りですが、それでもないよりはましというもの。
お気に入りの制服がなくなってしまったミカは、どうしても変わりが欲しいと泣くのですが……スミレによると、商店街に制服を扱う店があったから、そこで調達すればいい、と言うのです。
……が、その調達係を決めるのも勿論……麻雀です!!
こうして何かにつけて「係」を決めるためにする麻雀。
たまたま立て籠もって拠点にした野球部の部室においてあった麻雀セットを使って、彼女たちは暇つぶしに麻雀を打ちはじめました。
世界がどうなっているかは、ミカたちにはわかりません。
ですが彼女達は、いまをそれなりに楽しんで生きているのです。
この腐った世界の片隅で……


と言うわけで、ゾンビと麻雀と女子高生、と言う3つを混ぜた本作。
ゾンビと女子高生や、女子高生と麻雀と言った組み合わせはもはや珍しくありませんが、そこに麻雀を混ぜてしまった本作、もはや何でもあり……とおもいきや、なかなかどうしてしっかりストーリーのある作品なのです。
ゾンビものと言えばまず、誰がいつ犠牲になるかわからない恐怖、立て籠もった中での人間同士のいがみ合い、そしてゾンビになってしまった仲間をどうするか、といったあたりの要素が欠かせません。
本作はしっかりその要素を抑えながら、無理なく…………ええ、無理なく麻雀を盛り込んでいるのです!

「誰がいつ犠牲になるかわからない」要素は特に顕著で、物凄い早い段階でまさかのキャラクターが犠牲になるなど、驚きの展開が用意されています!
そしてその犠牲になってしまった仲間をどうするか、決定するために麻雀を打つ。
……ほら、自然です!!
さらにゾンビものに付き物の新天地を目指しての旅、その新天地でのいざこざを、毎回麻雀を絡めながら描いていくそのストーリーテリング能力は流石森橋先生と言わざるを得ますまい……!
ついでに西条先生作品ファンならばなじみ深いあのキャラもゲスト出演を果たすなど、その他の見どころも満天!
巻数表記が無いので全1巻予定だとは思われますが、最終回に当たる話も「第7話」と話数表記となっておりますので、何かが間違って(?)売れたりすると続きが描かれる、のでしょうか!?
西条先生らしい個性の強さと、そもそも作品の題材から個性の強い本作、先が読めるかどうかはみなさん次第……かもしれませんよ!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!