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今回紹介いたしますのはこちら。

「バキ道」第3巻 板垣恵介先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、「二代目」野見宿禰と言うビッグネームが登場し、グラップラーの世界が揺らぎつつある今巻。
宿禰はその尋常ならざる握力と膂力をもって、あのオリバですらも相手にしな実力を持っています。
果たしてそんな宿禰の次なるターゲットは……?



喧騒鳴りやまぬ夜の繁華街。
そこで、二人の巨漢が対峙していました。
一人は野見宿禰。
そしてもう一人は、あの髙や……もとい、現役バリバリの大関です!
挑発をしたのは宿禰の方。
いくら素人(よかた)に手は出せないと言っても、天下の大関が真正面から喧嘩を売られて黙っていることなどできるものでしょうか?
いや、できはしません!
浴衣の上を脱ぎ、草履を脱ぎ捨て、臨戦態勢に入る大関。
周囲の野次馬たちは色めき立ち、警察たちはその喧嘩をやめさせようと動きます。
ですが、警察の言うことなど聞く二人ではありません。
そして、それこそ拳銃でも使わなければ、警察に止められる二人ではないのです!
この坊や、あんたらじゃ止められんでしょ。
ワシがやります。
そう言って、大関は警察を退かせます。
そして宿禰をにらみつけながら、あんちゃん、相撲できんのかい、地面はコンクリだぞ、と形ばかりの忠告。
宿禰はいつもの涼しい顔を崩さず、土俵とさほど変わらんでしょ、と返すのです。
みるみる怒気が増していく大関!
ダメダメ、絶対ダメ!やらせんぞ、とそれでも制止しようとする警察ですが、大関はゆっくりと腰を割り……
いいスよもう、勝手にやる。
怪我は「自分持ち」ってことで。
そう言って、仕切りを始めてしまうのです!!
もうこうなればどうにもなりはしません。
警察たちはたまらず逃げ出します。
それもそうでしょう、あの強烈極まりない体当たりやかち上げでならす大関の立ち合いを、数人がかりだろうと普通の警察に止められるわけがないのですから。
待ったなし。
宿禰が直立不動のままそうつぶやくと……
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トラックでも衝突したのか、とでも勘違いしかねない、とんでもない轟音が響いたのです!!
その衝撃のすさまじさたるや、筆舌には尽くせないでしょう。
さしもの宿禰もそのままずるずると後退し……
たのですが、ほどなくピタリと大関の突進は止まってしまいました。
一番驚いているのは大関自信です。
自分の渾身の立ち合いが、棒立ちの相手に止められてしまった……?
冷や汗を噴き出す大関に、宿禰は流石は大関、と称賛の声を送り……
そして、ゆっくりと左腕を肩越しに大関の背中へと伸ばしました!!
がっちりと、大関の「背中」をつかむ宿禰!!
大関の顔面は、ますます蒼白になっていきます。
宿禰の手は、廻しの位置、帯には届いていません。
では……どこをつかんでいるんだ?
大関自身よりも、それは周りで見ていた弟弟子たちの方がよくわかっていました。
その位置にある、掴めるような硬い場所。
それは……
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肩甲骨!?
宿禰はそのまま肩甲骨をつかみ、片手で軽々と大関の体を「巻き上げ」ました!!
そして
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背中で担ぐように持ち上げ、周囲のギャラリーに「どう担いでいるのか」を見せつけたかと思うと……
そのまま、頭から真っ逆さまに落としたではありませんか!!
そのスピードで頭からコンクリートに叩き落とされれば……
いかに体を鍛えていようと、いや、その鍛え膨れさせた自重も加わって、大関の頭は柘榴のように爆ぜてしまうでしょう!!
大関の頭には様々感情がよぎります。
もはや覚悟するのは死か、それに等しい地獄の日々……
ですが幸か不幸か、その最悪の事態は免れました。
頭が地面にぶちまけられるその直前に、あの勢いで落下していた大関を
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宿禰はピタリと止めてしまったのです!!



と言うわけで、宿禰は本格的に表舞台に出始めた今巻。
宿禰の強さはオリバを撃退したことからもはや疑いようのないところ。
だからこそ、この行動は自分の強さを確かめるための物、と言う事ではないでしょう。
宿禰の目的は一体何なのか。
それは本作における相撲キャラの第一人者のあの人が絡んでいる、思いがけないことのようで……!?
そんな彼の差し金なのか、宿禰は大関の後に早くもあのチャンピオンを狙うことになるのです!!

今巻は宿禰の逸話や強さを証明するお話や、これからの展開を占うような様々な出来事を描いていくのがメイン。
バキシリーズには欠かせない外連味たっぷりのサイドストーリーが描かれる一方、バトルの方は控えめです。
が、最後の最後で本気のバトルと言うわけではないものの、早くもターゲットのあの人物と宿禰の激突が行われることに!!
「グラップラー刃牙」のころから、最初はとりあえず負けてみることの多い気がするチャンピオンですが、果たして本シリーズでは!?
注目のバトルとなりそうです!!


ちなみに個人的には、板垣先生が龍金剛を忘れていなかったのが嬉しかったり。
バキが数歳年を取る間に、龍金剛ははるか昔の人に、金竜山はすっかり老け込んでいると言う謎の時系列になってしまいましたが……そんな旧キャラの再活躍も期待していいのでしょうか!?
……ダメかな……



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!