「地獄楽」第6巻 賀来ゆうじ先生
集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。
さて、蓬莱の地で激戦を繰り広げている画眉丸たち。
その激戦の中で、「タオ」の使いすぎのせいなのか、画眉丸が最近の記憶を失ってしまいます。
真羽いるものがすべて敵であると認識し、最も大切なものであるはずの妻の記憶まで失った画眉丸……
果たしてこの状況で、一同は生き延びることができるのでしょうか……!?
画眉丸の前に立ちはだかった亜左。
もともと弟以外はすべて敵だと言う考え方の亜左と、里の教えに忠実な忍だったころに戻った画眉丸が対峙すれば、殺し合いにならないわけがありません。
画眉丸はその卓越した身体能力で亜左の首を折るのですが……亜左は全くダメージを負っていないかのように攻撃を続けてくるではありませんか!!
これこそが亜左が斧がモノにしつつある「タオ」の力の一端。
てんせん様のもつ「不死身」に近いレベルにある、人知を超えた力の片鱗なのです!
それでも戦いをやめることはない画眉丸。
巣亜左の好きをついて攻撃を仕掛けるものの、その隙自体は少なくないにもかかわらず、圧倒的な反応速度で攻撃を受け止められてしまうのが厄介です。
同じく人知を超えたレベルの怪力も危険で、この力がある限り容易に拘束することは出来ないでしょう。
全力で無力化しなければ、と判断したその瞬間……画眉丸の口からは、なぜか笑いが漏れるのです。
このピンチと言える状況で出た笑い。
その意味するものは何なのか……画眉丸は言うのです。
いつも通り、気楽だ。
「余計な事」も考えずに済む。
画眉丸は小石を弾丸のように飛ばす技で反撃。
亜左は持ち前の反応速度でそれをかわすものの、その本当の狙いは亜左の気をそらすことだったようです。
同時に跳びかかっていた画眉丸、冷静に攻撃を仕掛けました。
狙うなら脳、そして眼。
近くを奪うのは不死者にも有効だろう。
確かにいずれ再生するにしても、目で見ることのできない瞬間や、考えることのできない時間を作るのは攻めるのにも守るのにも有効なのは間違いありません。
亜左はそれでも蹴りで反撃を試みるものの、画眉丸はそこに更なる反撃を用意していました。
亜左の蹴り足の、
人間技とは思えないその初業ですが、やはり噛み千切ると言うのは有効なのでしょう。
様々な急所を狙って歯を立てて行くのです!!
その戦い方はかつての画眉丸らしい、合理的な戦法と言えるでしょう。
ですがそれは、まるで獣同士の命の取り合いのようで……
相手が何者でも同じ、壊れるまで壊すのが石隠れの流儀。
画眉丸はただそう心の中で繰り返し、攻撃を続けるのです。
……が。
亜左は言いました。
こんなもんかよ、大したことねえな。
亜左は右足で強く地面を踏みつけます。
するとまるで隕石でも落ちたかのように強烈な地割れがおこり、足場が崩れてしまいました。
今までのような身のこなしができなくなった画眉丸に、亜左はさらに続けるのです。
本土で見たとき強そうだったもんで確かめるためにいくつか食らってやったが……
亜左はその右腕にタオの力を集中させ、画眉丸を殴りつけてきます。
今まで以上に豚だもない威力になったその拳は、画眉丸に大きなダメージを与えます。
それでも反撃する画眉丸、その拳にはわずかながらタオが乗っていて……?
流石に亜左もその一撃には警戒したのか、右手でその拳を捌いて左手で顔面に反撃のアッパー。
画眉丸はその拳を食らってはしまうものの、すかさず亜左の左手の指を食いちぎるのです。
えげつないがそれだけだ。
亜左がそう言うように、観戦していた巌鉄斎も言います。
合理的だが、冴えがない。
前の方が強かった、ぶっ倒れたせいで弱くなったのか?
……記憶を失った画眉丸自身も何かに気がついてはいました。
集中しても消えない、違和感に。
覚えがないはずの、奇妙な喪失感に…………固唾をのんで戦いを見守っていためいもまた、わかっていたようです。
画眉丸、タオおかしい。
ツヨイツヨイだめ、ツヨイヨワイ両方大事。
ヨワイはツヨイの種、画眉丸、ツヨイの種……
大事なもの、ない。と言うわけで、亜左と画眉丸の戦いが繰り広げられる今巻。
その戦いは壮絶の一言で、この後さらにヒートアップしていきます。
亜左は他の面々とは違う方法でとはいえ、タオの力、そしてその身に宿った人外の力を使いこなそうとしています。
一方の画眉丸は、記憶とともにこの島で手に入れた力や感情を失い、実力は落ちていると言わざるを得ないでしょう。
共通しているのは、亜左はその再生能力の為、画眉丸は己のない忍びに戻ったが故、自らの身を省みない戦いをすること。
ですがそれは、画眉丸の命が危険であることも意味していて……!!
この戦いを、画眉丸は乗り越えることができるのでしょうか!?
そしてこの後物語は次のステップへ。
結局のところ一同が助かるには、仙薬を見つけるか、姿をくらましてうまいこと逃げ延びる以外に道はありません。
前巻で仙薬に関しては不安な事実が明かされましたが、とりあえずはこの島を出なければ始まらないわけで。
亜左も画眉丸もみな、協力するのが一番なのですが……
そんな状況でさらに巻き起こってしまう、新たな嵐の予感!
激闘とともに、混沌の渦も一層激しくなる本作から目が離せませんね!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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