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今回紹介いたしますのはこちら。

「キン肉マン 『超人』」

学研さんの学研の図鑑より刊行です。


さて、19年で40周年を迎える「キン肉マン」。
その記念企画が次々と催されているわけですが、その企画群の中でも一二を争うほどの目玉と言ってもいいのが本書、「超人」です。
本作は今までも何冊か出てきた、キン肉マンの超人リスト系の書籍になるわけですが、今回のこの本はそのタイトルに嘘偽りのない「学研の図鑑」そのものなのがすさまじいところなのです!

学研の図鑑と言えば、皆様も一冊や二冊持っていたり、図書館なんかでご覧になったことがあるでしょう。
本書はその学研の図鑑のフォーマットで、キン肉マンの超人の解説をしています。
しかも、キン肉マンの中にしかいないはずの超人たちが、現実にも当たり前にいる体で!
……当然奥付には、この図鑑はフィクションです、と但し書きがあるのですが……
キン肉マンの世界で発行された学研の図鑑とでも言うべき形になっていまして、キン肉マンファンならばそれだけでニヤニヤが止まらない一冊なのです!

肝心の中身はと言いますと、やはり「超人図鑑」そのもの。
ですがやはりそこは学研の図鑑でして、今までの超人図鑑にはない分類の仕方がしてあります。
今までの超人図鑑ですと、だいたいの登場順などでまとめられていました。
本書はと言いますと、種族と言いますか、由来でまとめられているのです。
最初こそ「変身超人のなかま」「時間超人のなかま」と超人の枠組みで分けられているのですが、その後からが本番。
まず「岩石・鉱物のなかま」から始まりまして、
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サンシャインやザ・魔雲天と言ったメジャー所から、クリスタルマンなどのちょい役、単行本未収録の読み切りに登場した暴留渓、マグニチュードIマンと言った読者投稿採用で本編には出なかった超人までもが同じくくりで紹介されているのです!
そしてそれらの超人が、原作のテイストを残した絵柄のまま、フルカラーで鮮やかに、リアル(?)に彩色!!
それだけに飽き足らず、キン肉マンと並べての身長の比較や、魔雲天は石灰岩を多く含んでいるなどと言う今まで誰も気にしなかった……もとい誰も知り得なかった成分的な物まで紹介。
さらにサンシャインを例にとっての形状の変化のバリエーションなども網羅しています!!
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それに加えて各ページの下段端には豆ちしきならぬ肉ちしきも記されていまして、このサンシャインのページには「2世」に出ていたころのサンシャインのあの痩せ方についての新事実が描かれております!!
キン肉マンの作者……もとい、文化超人学博士の嶋田先生と、国立超人博物館館長の中井先生による観衆が入っておりますから、これはもう公式設定と言っていいのではないでしょうか!?

基本的にはそんな「植物のなかま」「水のいきもののなかま」「スポーツ超人のなかま」などの由来ごとに分類された超人たちをまとめて紹介していくわけですが、それ以外のちょっと目を惹くコラム的なものも見逃せません。
「本当の大きさ」と称しまして、大判の学研の図鑑ならではの大きな紙面を活かし、原寸大の「ロングホーン」や「ベアクロー」が映し出されているページはインパクト満点!
そして「オモシロ起源説」と言うページでは、キン肉マンシリーズには付き物のトンデモ理論……いや、新事実の数々が掲載されています。
例えば思わず自分も笑……感嘆の声を漏らしてしまったエアーズロックの「ウルル」と言う現地名の由来がザ・マンの口癖の「グロロ」だと言う事実や、地球の力を引き出すカギ穴だったことがわかった大仙陵古墳、オナガザルだと思われていたナスカの地上絵が実は排便中の古代人を描いていたと言うベンキマン一族ならば周知の事実などなど、読者の度肝を二つも三つも抜いていくあれこれが現地の写真とともに楽しめるのです!!
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そして巻末には超人情報館と言うコーナーも。
こちらは白黒のページながら、超人の属性、進化と分類、社会、歴史、命とパワー、と様々なテーマでキン肉マンのツッコミどころ、いや、超人の超人たる所以を冷静に解説しているのです!!

そんな様々なお楽しみがある本作ですが、単なる超人図鑑としても今までとは一味違うラインナップになっています。
本格的にマイナーな、こいつ誰だっけ?みたいな読者投稿超人から、いろいろしがらみのありそうな実在の人物モデルの超人、さらに今までではスルーされていたりもした怪獣関係までフルカラーで掲載されているのです!
その一方でテリーマンの父であるドリーマンのデータが無かったり、キン肉マンファンの語り草になっている「7億」のスキーマンが載っていなかったりと、独自の基準で選んでおられる様子。
……肉田ムキ子とか載ってるのに……!
さらにそんなマイナー系の超人たちにも一言コメントが載っていまして、それらを見ているだけでも楽しめちゃいます!!


と言うわけで、キン肉マン史上でもまれに見る重厚な一冊となっている本作。
この大充実のデータ量は、キン肉マンファンのみならず……とは言えませんが、キン肉マンファンならば必携と言わざるを得ない内容と言えましょう!
なにせ企画編集の芳賀氏からして、あの「ジャンクマン」の発案者だと言うのですから、もう何から何まで「ファン向け」なわけです!!
少々お値段は張りますが、超人に思いを馳せる皆さまならば是非ともお手に取っていただきたいものです!!
いろいろな意味で少年のころに戻れる図鑑となっていますよ!!

……ちなみに本書のスニゲーターの超人強度はしっかり(?)400万です!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!