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今回紹介いたしますのはこちら。

「目玉焼きの黄身いつつぶす?」第12巻 おおひなたごう先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、もろもろの困難を乗り越えてとうとうみふゆとの結婚が秒読み段階となった本作。
食べ方問題での数々のもめ事を経て人間的にも成長した二郎は、結婚に備えて正社員になるなど、もう二人の間に障害はないかと思われていました。
ですが、結婚に際しての一つの大きな悩みどころがあるようで……?



結婚するとなると、いろいろ入用になります。
二人はその資金作りのためにも、ちょうど一部屋開いているみふゆのマンションで共同生活することにしました。
引っ越しもとりあえずひと段落したところで、気になってくるのは結婚式の事。
なにせ二郎ですから、食に関しては人一倍のこだわりを持っています。
それを参列者に押し付ける……ようなことは今の二郎ならばしないでしょうが、「流石二郎&みふゆ!」と言われるような、皆をあっと言わせる料理を出したいとは思ってしまうのです。
あっと言わせる料理って何よ、とみふゆが尋ねても、二郎の頭に浮かぶのは
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闇鍋とか、ロシアンルーレットたこ焼きとか、流しそうめんと言った……いくらなんでも結婚式にはナイものばかり。
そこでみふゆの脳裏に、マグロの解体ショーなんてどうだろう、と言う妙案が浮かびまして、二郎も賛同するのですが……
値段を調べてみると、マグロ一本40万円とのこと。
職人さんを読んだりすることもも考えれば完全に予算オーバー、やっぱり普通でいいんじゃないか、となってしまいました。
そんな話をしていると、お腹が減ってきます。
今食べたいのはやっぱりお寿司、近くにお手頃なランチを出すお店があるとのことで、早速そこへと向かうことにするのでした。

意外に二郎、みふゆと二人カウンターでお寿司を食べるのは初めて。
そんな雑談をしている二郎の前に、大将の握った真鯛が出されます。
寿司は握ったそばからすぐ食べる!
勿論箸など使わず手づかみで。
片側に倒しネタを下にして、しょうゆはネタにつけて、そのまま口へ!
二郎おなじみのこだわりのこもったこの食べ方は、彼を心から満足させてくれるのです。
箸だとネタに醤油をつけづらいし、かといってシャリにつけるとバラバラになってしまう……
と独り言ちながら視線を隣に移しますと、みふゆは……
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予想通りと言いますか、やはり箸で寿司をつかんで食べているではありませんか!!
成長した二郎は怒鳴りこそしないものの、やはりどうして箸なのかを聞かずにはいられません。
みふゆは手でつかむとどうしても汚れてしまう事、おしぼりなどで吹いても匂いが残ってしまうことを気にしているようで。
この後みふゆはお仕事に行かなければなりませんし、そのあたりを考慮するのは仕方がないでしょう。
二郎も理屈では納得できますから、その場はそれでおさまるのですが……
脳内ではウニフラ……頭の中で考えていることを表す吹き出しの一種、ウニフラッシュが止まりません。
ちょっと手が汚れるくらい良くね?
だって例えばおにぎりを箸で食べるか?
箸なんかで食ったらおいしいわけがない、手づかみだからおいしいんだ!
職人さんが素手で握ってくれた寿司に対して、客が素手で応える。
それは寿司を通した職人さんと客との会話なのだ!!
なのに手が汚れるって何だよ!
ピザはどうなる、手羽先は?カニは?
寿司だってそれらと同様に手を汚して食べるものなんだ!
寿司は手づかみがおいしい、俺はそう信じる!
信じるが……
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強要はしない!
……ちょっぴり大人になった二郎。
今までのできごとから、食べ方にはそれぞれの哲学があるから、それを否定するのはその人の人格を否定することだ、と言う考えに行きついたのです。
それに手づかみの方がおいしいと言うのも感覚的なものだから確証はないし……などと考えていますと、みふゆからツッコミが入りました。
お寿司が渋滞を起こしてるわよ、と。
考えるあまり、全く寿司に手をつけていなかったのです。
いかんいかん、と手を伸ばす二郎。
ですがそこで思いなおし、箸で食べてみることにしました。
が、シャリが崩れてしまうなど、今一つ上手いこと食べられず、やはり手づかみの方がおいしいと言う結末に行きつくのです。
……実際は、考え事をしてて握ってから食べるまでの時間が長かったことにも原因がある気がしますが!

そんなこんなで、いつものように近藤さんに相談する二郎。
すると近藤さん、仲間と一緒にある場所に食事に連れて行ってくれました。
それは、本格的なネパール料理のお店。
そこではなんと、手づかみで料理を食べると言うのです!!
手を汚して食べる料理の極致と言っていい、手づかみでのネパールカレー。
日本の作法になれた二郎には、まるで砂遊びのようにぐしゃぐしゃと混ぜるその料理に最初こそ少し抵抗はあったものの……いざ食べてみますと、そのおいしさに驚くのです!!
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手で食べるのとスプーンで食べるのはまるで違う、これは思い込みなんだろうか……?
思い切ってネパール料理屋の店員さんに聞いてみると、その店員さんは言うのです。
わたしは手で食べる方がおいしいと思います。
ちゃんと理由あります、と……!!
そこで二郎は、いてもたっても入れずに問いかけました。
その理由を教えてください!



と言うわけで、今巻で完結となる本作。
今巻穂ほとんど丸一冊をかけて、結婚までのもろもろを描いていくことになります。
この披露宴の食事と、二郎の仕事に関しての大きな問題が描かれていきまして、本作は一気にクライマックスへと突き進んでいくのです!!
そんなクライマックスへの道程でも、食事問題は持ち上がってきます。
この手掴み食問題以外にも、酢豚に入っているパイナップルと言うそれは猛賛否両論なあれに関しておお話も収録し、そちらも読み応えあるものに!!
そんな様々な出来事に遭遇して最後にたどり着く披露宴の料理とは……!!
本作のいままでを、二郎とみふゆに降りかかった困難(と二郎のアレっぷり)を見守ってきたみなさんならば、思わず「そうきたか!」と唸ってしまう物となっています!!
是非ともその料理の内容は、皆様の目でご確認を!!
食べ方に関してのあるあるだけに終わらないフィナーレを迎える本作……必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!