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今回紹介いたしますのはこちら。

「ボスレノマ ~囚人リク外伝~」第2巻 瀬口忍先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、第27木工場のボスになるため、現在のボス、膳所を倒そうと奮闘するレノマ。
ですが膳所はまともにレノマの相手をせず、部下を使うなどのらりくらりとレノマを弄ぶようにかわすのです。
そこでレノマは、外堀を埋めて膳所が戦わざるを得ない状況を作ろうと、ニーナナの実権を握るために動き始めるのですが……?



様々な駆け引きや戦いの末、とうとうその時はやってきました。
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レノマVS膳所……完全なるタイマンです。
レノマが膳所を鋭い目つきでにらみつけますが、膳所はこんなことを言うのです。
おまえはおもちだ。
その言葉の意味するところは何なのでしょう。
ですが……そんなことは、レノマの知ったことではありません!!
方向とともに膳所に跳び蹴りを見舞うレノマ!!
そのスピードはすさまじく、ギャラリーも思わず息をのんでしまうのです!!
さらにレノマはその勢いのまま背後に回り、背中に膝蹴り、そして高等部のももう一発膝蹴りを見舞いました!!
流石の膳所もこの出会いがしらの連続技に大ダメージを負った……かと思いきや、笑顔を浮かべているではありませんか!
そして膳所は言うのです。
違うと思う。
おもちはお前の方。
ぺったんぺったんするのは俺の方!!
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言葉と同時に見舞われる、強烈極まりない頭突き!!
もちをつく杵の如き一撃に、レノマはたまらずのけぞってしまいます。
膳所はそこにぺったん、と更なる追撃!
止めとばかりに、もひとつおまけにぺったんこ!と自分の体重をかけて倒れこむような強烈なヘッドバッドを見舞いました!!
が、そこはレノマ、ギリギリのところで回避!
まだその目には闘志が燃えていますが、膳所も闘志は満々。
はいつくばって逃げるレノマを、連続でヘッドバッドしながら追いかけて行くのです!!
そしてとうとう、ジャンプしてのかかと落としでレノマに追いついた膳所!!
レノマはそのかかとをしっかりと両腕でガードするものの、膳所はそのままガードされた足でレノマを踏みつけつつ、右の拳を振り下ろしてきました!!
しかしレノマもさるもの、その拳はとっさに突きだした左足裏でガード。
そして膳所が踏みつけている左足に自らの足を絡ませ、ドラゴンスクリューのように足をひねって体勢を入れ替えることに成功しました!!
そしてジャンプして膳所に跳びかかるレノマ。
そんなレノマの足をつかもうと手を伸ばす膳所なのですが、レノマはその膳所の狙いを逆手に取る作戦を考えていたようです!
膳所の手が伸びる前に足を畳み、その手が空ぶった隙をついて顔面に膝を見舞ったのです!!
が。
空ぶった腕で今度は逆に払い、レノマに思いきりぶつける膳所!!
そのパワーは絶大で、まともに浴びたレノマは思い切り壁にたたきつけられてしまいました。
レノマの攻撃は膳所に通じず、膳所の力はレノマをはるかに凌駕している。
それを存分に見せつけた膳所は、大見得を切って誇るのです。
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どうだ、俺こそがボスだろう、と。
固唾をのんで見守っている、ニーナナの面々。
その仲の一人午ぼそりと言うのです。
でもやっぱり、俺は佐々木がいい。
……レノマは、膳所とタイマンをする単に、様々な手を使ってきました。
ですがそれは膳所のような、ただただ恐怖を振りまくものではありません。
恐怖は恐怖で与えておきながら、同時にニーナナの面々が欲しくてたまらないものを与えていたのです。
自然とギャラリーからは声が上がり、それが大きくなっていきました。
佐々木、立ってくれよ!
佐々木、佐々木、佐々木!!
そんな面々の声に……レノマは答えるのです。
誰だ。
呼び捨てで呼んだ奴ぁ……
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俺のことはボスと呼べ。
レノマの目は全く死んでいません。
立ち上がったレノマには、ギャラリー全員からの佐々木コールが降り注ぎます。
膳所……
ニーナナはてめぇのもんじゃねえ。
俺のもんだ。
まっすぐに膳所に向けられる視線。
……倒したはずのレノマは立ち上がり、自分の力を見せつけたはずのニーナナの面々はみな一様にレノマへ声援を送る……
膳所のの怒りは頂点に達し……そして……!!



と言うわけで、レノマ外伝が完結となる今巻。
この外伝では、極楽島にぶち込まれたレノマがニーナナのボスになるまでが描かれていきます。
この後「囚人リク」本編に繋がっていくわけですから、本作を読むまでもなくレノマが膳所を倒し、ボスになることは皆様よくわかっていらっしゃるはず。
ですがその結果を知っていてなお、読むものを惹きつける力を持っているのが瀬口先生作品なわけです!!
本作では本編でも感じさせてくれた厚さはもちろんの事、レノマと言うキャラクターならではのクレバーさもたのしめます。
そしてボスの座を射止めると言う物語上、バトルシーンもふんだんに盛り込まれていまして。
この膳所との最終決戦だけではなく、その前にこれまた個性的な曲者とのバトルも収録!
こちらも見逃せない内容となっています!!
さらに本作を締めくくるフィナーレには、あの男も登場!
最後の最後までファンを楽しませてくれる一作となっているのです!

レノマの背景をしっかりと描き、本編でも活躍した彼の人となりを一層掘り下げてくれた本作。
本作を読んでからまた本編を読めば、また一味違うレノマ像を感じることができるでしょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!