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今回紹介いたしますのはこちら。

「ピーター・グリルと賢者の時間」第3巻  檜山大輔先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、世界最強の男となった日から、様々な種族から最強の遺伝子を求められるようになってしまったピーター。
オーガ二人にエルフ、オークと4人にいいよられ、欲望に抗いきれず、結局いたしてしまうのです。
ですがピーターには将来を誓い合った意中の君、ルヴェリアがいるわけで。
なんとか彼女とその父であるギルド長にばれないうちに、4人との関係をどうにかしたいピーターなのですが!?



異種族交配条約。
それは、ひとつしかないピーターの体を、一種族一日交代で分け合うと言う4人の取り決めです。
一週間でそれぞれ2日ずつ割り当てられ、残った一日はピーターの体を休める休息日となる。
つまりその日はピーターの身は自由!!
ようやくやってきた安息日に、ピーターは喜び勇んでルヴェリアを誘い、デートとしゃれこむのです!!

三ツ星を獲得するレストラン、エンジョイ&エキサイティング。
なんだか人生を楽しく刺激的にしてくれそうな名前のそのレストランで、ピーターはルヴェリアと食事を楽しんでいました。
久方ぶりに感じる、心穏やかな、幸せな時間。
ルヴェリアと一緒のこの心安らぐ時間が、ずっと続けばいいのに。
ピーターは心の底からそう思っていたのですが……そううまいこと物事は進まないのです!
そこにいるのはセンパイじゃないっすか、こんなところでお会いするなんてまさしく奇遇っすねえ!そう言って突然現れたのは、ミミです。
……明らかに奇遇ではなく、狙ってやってきたとしか思えないミミ。
今日は条約で定められた休息日のはず……一体何のつもりでここにやってきたのでしょう?
たまらずピーターはミミの角を握って、ルヴェリアに聞こえないように迫ります。
今ルヴェリア先輩といい感じだったんだから邪魔しないでもらえるかなぁ!
今日はお互い干渉しあわないように定められた安息日のはず、それは理解できてるよな!?
するとミミ、馬鹿にしないでくれ、そんなこと勿論百も承知、と返しました。
が、その後こう続けるのです。
今日は条約で定められた絶対不可侵の安息日、だからこそ!

他の奴らを出し抜いて先輩の子種を一人占めできるんじゃないっすか!
……最初から全く条約を守る気なんて、無い……!!
それを思い知ったピーター、とりあえず何とかこの場を切り抜けることに注力するのです!
毎晩お世話になっていると言うミミのとんでもない発言を、毎晩武術の稽古をつけてやっているとごまかし、なんとかかんとかトイレに引き摺ってルヴェリアから引き離しました。
そしてトイレで改めて、頼むからルヴェリア先輩とのデートを台無しにしないでくれ、と耳に懇願するピーター。
するとミミ……そんなつもりはなかった、と平謝り。
なにせ基本的にはアホの子であるミミ、この辺りは本当に気がついていなかったご様子。
とはいえ、じゃあ大人しく引き下がりますと言う性格でもありません!!
とりあえず「一発」いただけるんでしたら、それで今は引き下がるっす!
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……ピーターに断る術と、時間はありませんでした。
パパッと「一発」差し上げまして、お帰りを願い……後ろめたい思いを抱えながら、ルヴェリアの元へ帰ります。
すると今度は、ビーガンがいるではありませんか!!
今日は安息日なんだから放っておいてくれ、と先ほどのような言葉をかけますと、帰ってきたのはやっぱり先ほどのような言葉だったり。
今宵が条約で定められた安息日であることに疑いの余地はない、だからこそ他の者どもに邪魔されず主の子種を一人占めできるという寸法ではないか!
そして先ほどのようにトイレに連れ込んで説得を試みますと、帰ってきたのは先ほどのような……
とりあえず軽く「一発」もらえたならば立ち去ってやらんこともないぞ?
と言う言葉なわけで……

慌ててルヴェリアの元に戻りますと、皆様もうお判りでしょう。
リサがいました。
そして(以下略)

せっかくのデートはさんざんの結果で終わりました。
幸いド天然なところのあるルヴェリア、ピーターの女性関係を疑う事すらしませんでした。
そして別れ際、今度は任務以外でどこか旅行にでも行きたいな、二人きりで、どこか落ち着ける場所に、と言い残して二人は別れたのです。
一人になったピーター、重い足取りで歩きながら、アイツらの襲撃を乗り切りながらルヴェリア先輩との関係を保っていけるだろうか、とこの期に及んでこの修羅場じみた状態が丸く収まると思っていやがる様子。
そしておうちにたどり着きますと、そこには……ピグリットが待っております。
安息日だとわかっているねと念を押しますと、やっぱり当然わかっていると言う反応。
そして、お食事を用意しに来ただけで他意はない、豪勢な食事を用意してくれていたのです!
さらにピグリット、今日の一連の出来事でピーターが落ち込みまくっていることはしっかりと察知!
俺は最低な男なんだ、と今日のことを打ち明けますと、ピグリットは優しい言葉でピーターを慰めてくれではありませんか!
かわいそうなピーター様、さぞやお辛い目に遭われたのですね。
けれど安心してくださいませ、私だけは決してピーター様を傷つけるような真似は致しません。
さあ、今だけはつらいことや将来への不安は忘れて、存分に甘えていただいて構わないのですよ。
このピグリットが全てを受け止めて差し上げますから……
そっとピーターをその豊かな胸に抱くピグリット。
その優しくあたたかな感触に誘われまして……
結局ピーターは、ピグリットと共一発してしまうのでした。

自己嫌悪に苛まれるピーターですが、公開や懺悔をする暇もありません。
事が終わったばかりの部屋に、リサ、ミミ、ビーガンが襲来!!
それぞれがみんな抜け駆けするつもりであったことがわかりますと、自分の事を棚に上げて他のメンバーを糾弾する……と言う事もなく、みんな開き直っちゃいました。
こうなってしまったからには仕方ない、定められた条約に乗っ取り、全員平等に
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子種をいただかなくては。
……流されてしまったピーターが言える立場ではないかもしれませんが、流石にキレずにはいられませんでした。
安息日とは一体何なんだ、条約は申請にして不可侵なものではなかったのか?
せっかく話し合いを重ねて条約を結んだのに、これじゃまるで意味をなしてないじゃないか!!
そんなピーターの訴えに、4人はこう言うのです。
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罰に破ったからと言って、これと言った罰則が定められてるわけでもないんで、と……
結局自分に安息の日はない。
条約に結局抑止力は皆無。
そして何より手を出してしまった自分が悪いのは疑いようもない事実。
追い詰められに追い詰められたピーターは、とうとうここで、もういろいろと取り返しのつかない状況なんじゃないか、と言う事に気が付き……
そしてピーターは降りしきる雨の中
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半裸でその場から逃げ出してしまうのでした……



と言うわけで、面白いように四人に翻弄されるピーター。
とうとう自分でも取り返しがつかない段階に来てしまったことに気が付き、こうして逃げ出してしまいました。
とはいえ、戦闘力以外はまるでアレなピーター、本気で何もかも捨てて逃亡することなどできるわけがなく。
この逃走劇は思わぬ出会いを生み、そこから物語は思わぬ方向へ!!
あの人物の意外な素性が判明したり、ピーターからすればなぜそうなってしまったのかと嘆きたくなるバトル展開が待っていたりと、
なし崩し的に子種を提供するだけではない、難儀なトラブルも豊富に用意されてございます!!

今巻では最初のお話で件の条約が結ばれるお話が収録。
その後紹介させていただいたお話をはさみ、さらなる事件が待つ新展開へと繋がっていく、一冊で1シリーズが詰め込まれた読みやすい一冊になっております。
新ヒロインも登場しないお話重視の一冊になっている為か、サービスシーンや本作のお約束「朝チュン」は少し控えめ。
ですがその分コミカルな成分は増量していますし、バトル要素もあったりなかったり!?
前巻にもまして楽しめる内容になっていると言えましょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!