ky
今回紹介いたしますのはこちら。

「鬼滅の刃」第14巻 吾峠呼世晴先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、刀鍛冶の里に襲来した二匹の上弦の鬼。
炭次郎と玄弥は上弦の四・半天狗と、無一郎は上弦の伍・玉壺と対決することに。
相手はさすがに上弦の鬼、それぞれすさまじい力を持っており、一同は苦戦を強いられてしまうのです。



半天狗の本体である、小さな老人体を発見した炭治郎。
素早くその首を切り落とそうと刀を振るったのですが、老人体の首は想像以上に硬く、首を切り落とすことができませんでした。
老人体はその瞬間、とんでもない大きな、悲鳴のような声を上げます。
そのすさまじい大音響に顔をしかめる炭治郎なのですが、このまま刀に更なる力を込めて攻撃を加えれば首を落とせる手ごたえも感じていました。
最後の一押し、とばかりに刀に力を込めようとする炭治郎。
ですがその瞬間、
ky0
背後に恐ろしい気配を感じたのです!!
これは今まで苦戦していた喜怒哀楽、どの鬼とも違います。
一体それは何なのか、どうするべきなのか?
炭治郎はそこで、このまま老人体の首を切る、という決断をしました。
背後に迫っているのがどんな鬼であろうとも、半天狗の現身である限りこの老人体さえ倒してしまえば無力化出来るはず。
炭治郎は力を籠めるのですが……老人体の首は予想以上に硬く、刀はわずかに食い込んだだけでそれ以上進まないではありませんか!!
これでは老人体の首を切り落とせません。
背後の鬼の後ろには、その鬼を追いかけてきた玄弥がいるようですが……炭治郎の立ち位置が悪く、玄弥の武器である銃を撃つことができず……
自らの判断ミスを悔いながら、とにかく背後の鬼を迎え討とうと体をよじる炭治郎。
その鬼は樹木を竜のような化け物の形に変化させ、炭治郎をくらい尽くそうとするのですが……
そこに禰豆子が現れ、炭治郎を助けてくれたのです!!
とはいえ、禰豆子の体力も限界寸前。
倒れこむ禰豆子を炭治郎は抱き寄せるのですが……背後にいた鬼は、こんなことをつぶやきます。
不快、不愉快極まれり。
極悪人どもめ。
……一体なぜ炭治郎たちが極悪人だと言うのでしょう。
その鬼の言い分はこうです。
「弱き者」をいたぶるからよ。
手のひらに乗るような「小さく弱き者」を切ろうとした。
なんという残虐非道、これはもう鬼畜の所業だ。
……その言葉を聞いて……炭磁路の怒りは沸騰します!!
小さく弱き者、誰がだ、ふざけるな。
お前たちの子の匂い、血の匂い!
食った人間の数は百や二百じゃないだろう!!
大勢の人を殺して食っておいて被害者ぶるのはやめろ!!
ねじ曲がった性根だ、絶対に許さない!
悪鬼め……!!
ky1
お前の頚は俺が斬る!!
一方その頃、無一郎は絶体絶命の状況に追い込まれていました。
玉壺の術、水獄鉢鳴水の結界に閉じ込められ、脱出が困難な状況に陥っていたのです。
無一郎の刀はボロボロ、水中と言うことで鬼殺隊の力の源泉である「呼吸」もできない。
無一郎は、もう半ばあきらめてしまっていました。
ダメだな、終わった。
応援が来てくれるといいけど。
親方様、俺は死ぬから攻めて二人柱を頼みます。
……ところがどうしたことでしょう。
その時、彼のすぐそばに炭治郎によく似た男の幻が姿を現したのです。
どうしてそう思うんだ?
先の事なんて誰にもわからないのに。
ky2
炭治郎の言葉ではないその言葉が男の口から発せられます。
炭治郎にこんなこと言われていない。
じゃあ、言ったのは誰だ……?

無一郎が幻の言葉を聞きながら、意識を薄れさせていたその頃。
玉壺は、鋼鐡塚が必死に刀を研いでいる小屋にたどり着いていました。
小屋の中に入れば、鋼鐡塚の姿は自然と目に入ります。
そして普通ならば、おぞましい鬼が小屋に入ってきたことに、中にいたものも気が付くでしょう。
ですが……鋼鐡塚は、全く玉壺が入ってきたことに気が付かないのです!!
おい、そこの人間。
そう玉壺が話しかけてなお、鋼鐡塚はまだ彼に気が付く様子がありません!!
ただただひたすら、刀を研ぎ続ける鋼鐡塚。
凄い鉄だ、凄い刀だ、なんという技術、素晴らしい。
作者は誰なのだ、どのような方がこの刀を、なぜ自分の名を刻まずこの「一文字」を……
あまりに高すぎる集中力!!
玉壺は、自分ですらこれほどの集中をしたことはない、芸術家として負けている気がする、と謎の焦りを感じ始めました。
そこですかさず攻撃を放ち、その集中を切らしてやろうと鋼鐡塚の体のあらゆるところに傷をつける玉壺!!
ところが全身が傷だらけになろうと、常に嵌めていた面が砕けようとも、鋼鐡塚はそれすら気が付かないではありませんか!!
ky4
これほどの刀に自分の名を刻まなかった理由、この一文字、この一念のみを込めて打った刀なんだ。
ただ一つこれだけを目的として打った刀……
うわごとのように繰り返し、刀を研ぎ続ける鋼鐡塚!!
……自分のことを認識してすらいない鋼鐡塚ですから、玉壺にかかればそれこそものの一秒もかからず殺すことができるでしょう。
ですが、それでは玉壺の気がおさまらないようです。
何とかこの男に刀を放棄させたい!
この集中を切りたい!!
……完全に当初の目的から変わっていってしまった玉壺。
一体こっちはどうなってしまうのでしょうか!?



と言うわけで、二体の上弦の鬼との戦いが描かれていく今巻。
炭治郎と玄弥の二人で挑む半天狗は、分裂をする上、本体の老人体の首をはねない限り倒せないと言う今までにない難敵。
どんどんと力をつけていて、ヒノカミ神楽も徐々にではあるものの使いこなしている炭治郎と、とあるとんでもない能力を持っている玄弥とはいえ、相手は上弦の鬼。
半天狗の方も得体のしれない新たな鬼を作りだしましたし、まだまだ力を隠し持っていることでしょう。
柱の助力でもない限り、簡単に勝てる相手ではないように思えるのですが……!?

そして無一郎の方はさらなる苦境に立たされています。
玉壺の術中に完全にはまり、もはやひとりでは完全に脱出不能。
かといって周りにいるのはせいぜい刀鍛冶の子供、小鉄くらい。
小鉄の力では絶対にこの術は絶対に破れませんし……
さらに玉壺はそれだけに飽き足らず、鋼鐡B塚の鍛冶を中断させようと奇妙な行動をとり……?
各所で行われている戦いの他、今後を左右するであろう気になる出来事も起きるなど、物語の鍵となりそうなあれこれも!
混沌にもほどがある戦況となった刀鍛冶の里での戦い、コミカルさとシリアスが交じりあった目の離せない戦いとなっております!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!