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今回紹介いたしますのはこちら。

「マイホームヒーロー」第5巻 原作・山川直樹先生 漫画・朝基まさし先生 

講談社さんのヤンマがKCより刊行です。


さて、家族を守るために殺人を犯してしまった哲雄は、何とか今まで通りの生活を取り戻すために様々な手段を講じます。
ですが哲雄が殺した男、延人の父親である麻取は、息子への深い愛情と同時に、その息子を手にかけた人物を家族ごと皆殺しにする、と宣言する冷酷さも持ち合わせる危険な男で。
哲雄は追い詰められていくのですが、同時に自分の疑いをそらし、監視役となっていた恭一に向ける準備を進めていて……!!



運命の時はやってきました。
恭一と関係が悪い、竹田をうまく利用。
延人と恭一がグルになって組織の金を盗み出した、という濡れ衣を着せることができました。
こうなれば竹田にとって、目障りな恭一を片付け、麻取に気に入られるチャンス。
竹田はここぞとばかりに恭一を追い詰めはじめるのです。

恭一、今からお前の家に行く。
お前には一年半前の現金輸送車襲撃の容疑がかかっている。
さっき匿名で、お前が延人と共謀して仲間を雇って襲撃したという内容のメールが届いた。
そして、その内容通り延人の家から現金輸送車の科ねと同じ番号の札が出てきた。
お前が無関係と言うなら証明しろ。
……恭一にとってはそんなこと、全く心当たりのないことなわけで。
いわれなき疑いをかけられて好き放題言われて、証拠を押さえるとまで言われている。
恭一は完全に頭に来ているようで、何も出てこなかったらどう落とし前つける?と敵意をむき出しにするのです。
竹田は証人として哲雄にも付いて来るように命令します。
恭一は、哲雄が竹田に何かを告げたことを察知。
何を言いやがった、とちぇつおの首根っこをつかみ上げるのですが、それを竹田が咎めるのです。
勝手に動くな、てめぇらの裁量権を持ってんのは俺だ、俺の許可なく行動すんじゃねえよ。
恭一を見下ろしながらそう告げる竹田……
こうして竹田が主導権を持っている、かのような状態で恭一の家に向かうのです。

恭一の家の前では、恭一のお焦がれの人物である組織の重鎮、窪がまっていました。
窪は一同を見ると、これから恭一の部屋で、延人殺しの犯人を恭一か哲雄のどちらかに決める、本当に恭一が延人と共犯なら、哲雄の代わりに死んでもらうと言いだしました。
組織には仲間意識はもちろんあるものの、そんなことよりも「けじめ」をつけると言う考えの方が重要のようで。
恭一が何を言おうとしても、もう時間がないんだから恭一に部屋に行くぞ、と有無を言わさぬ迫力を放つのでした。

一同は恭一の部屋に移動、金庫を検め始めます。
中には大金が入っているのですが、これは恭一がコツコツ貯めたもの。
昨日調べたときと特に場所が変わっていると言う事もなさそうですし、見られても問題はないと恭一は判断するのです。
が、竹田が自分を陥れるために何かをしないとも限りません。
恭一は竹田の動きにだけ注意を払い、様子を見守るのです。
……が。
そこで、
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恭一の見覚えのないもの、が金庫にあるではありませんか!
奇妙な紙袋……!!
竹田、てめえ仕掛けやがったな!!と恭一は怒りをあらわにするものの……
竹田はそれを見てむしろにやり口角を上げ、中に札でも入ってるのか、現金輸送車からとったままの札がよ?と笑います。
恭一の怒りは止まりません。
メールも、延人が金を持ってたってのも、紙袋も、全部てめぇの絵図じゃねえのか!?
胸倉をつかみ上げてそう怒鳴り散らすのですが……
そんな恭一を竹田から引きはがし、地面に放り投げたのは、ほかならぬ窪だったのです。
この紙袋の中身は、何か決定的なものである事は間違いない。
恭一もそう考えたのでしょう、あまりの球場に、哲雄にまで昨日金庫の中にこんなものなかったよな、と尋ねるのです。
……そこでの哲雄の返答は
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金庫自体恭一さんが明けてる間こっち見るなって言ってたから、僕は知らないです、すみません、と言うもので……!!
恭一がそう言ったのは紛れもない事実。
哲雄にはもう頼れないと、恭一は竹田に、全部自分を陥れようとしてやったのだろうと罵声を浴びせていきます。
しかし竹田にとってそれは、もう言い逃れのための演技にしか見えません。
じゃあ早速中味の札の番号を検めよう、と服との中味をぶちまけると……
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骨、が出てくるのです。
これが哲雄の繰り出した最後にして最大の決定打。
そう、あの人物の……骨なのです!!



というわけで、哲雄と恭一の戦いがいよいよ決着する今巻。
この戦いがどのような結果になるにせよ、哲雄か、恭一か、どちらかが破滅して終わる……と思われていました。
実際延人殺しの犯人と認定されれば、殺されるだけではない、非道極まりない仕打ちが待っているわけです。
哲雄は自分のことを完全に犯人だと疑っているのは恭一だけだと察知していますから、ここで恭一を犯人に仕立てられればすべて丸く収まると考えていまして。
逆に恭一は、ここで哲雄を真犯人だと暴けば、今後の自分の立ち位置や、将来の算段が大きく前進すると思っていまして……
そんな二人の心理戦、果たしてその結末は!?
そして哲雄はいかにして恭一を陥れようとしたのか……!?
全ての登場人物が一筋縄ではいかないこの物語、二転三転するストーリーと様々なトリックも相まって、どんどんと引き込まれてしまうのです!!

そしてVS恭一の後、物語は本当のクライマックスへ!!
哲雄たちの平穏を取り戻すための最後の関門となるのは、やはり……!!
おそらくこの哲雄の戦いが完結となる、第1部の完結が次巻第6巻で予告されておりまして、そこに至るまでの本作も注目せざるを得ませんよ!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!