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今回紹介いたしますのはこちら。

「虎子、あんまり壊しちゃだめだよ」第2巻 ぬじま先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、超怪力娘、虎子が飼育部の不良娘たちとトラブルを巻き起こしながらも徐々に距離を縮めていく本作。
今巻でも虎子がトラブルを巻き起こすのは間違いないのですが、思いもよらない事件が起きてしまうようで……?



虎子たちは、新幹線で遠出中。
と言っても仲良しの旅行ではありませんで、全校での校外学習に向かっているのです。
学校全体でゴミ拾い、と言う感じのイベントなのですが、それでも虎子はウキウキ状態。
こうして友達(鷹野は友達なんかじゃないと言い張っておりますが)と一緒に旅行みたいなことをすると言うのは初めての体験で、楽しみでならないのです!
皆と一緒だから嬉しい、とにこにこ顔の虎子を見て、鷹野は変な奴、と言いながらもつい笑顔が漏れてしまいます。
今回もトラブルはありそうですが、楽しいイベントになる……と思われていた、その時のことでした。
トンネルの中を通っている最中の新幹線を、突然襲う振動と轟音!
その振動で額を痛打してしまう鷹野、そんな鷹野を虎子が危ないとかばおうとした……
そこで、一同の意識は途切れてしまうのです。

鷹野が目を覚ますと、そこにいたのはローターでした。
あたりを見れば、あたりはうすぼんやりと見えるくらいの暗闇で……ところどころが破損しております。
この新幹線が何らかの事故を起こしてしまったのは間違いなさそうですが……
ローターは鷹野につきっきりで様子を見てくれていたようで、そこからもちょっとした、とは言えない重大な事故である事をうかがい知れます。
体を起こそうとする鷹野でしたが、そこで自分が大きなけがをしていることに気が付きます。
肩と肋骨、脚……それらに大きな打撃を受けてしまっているようなのです。
それでもワルで名を売っていた武闘派の鷹野、喧嘩で怪我は成れている、と気丈にふるまってローターに心配をかけさせまいとするのです。
あげくにローターに怪我がないようで良かった、とまで言ってくれて……飼育部のリーダー格としての器を見せつけました!
その後にエンマたちの様子を気に掛ける鷹野なのですが、そのエンマが血塗れの姿で鷹野に泣きついて来るではありませんか!
怪我したのか、と心配する鷹野なのですが……怪我をしたのはエンマではありません。
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スズメが腹部に裂傷を負ってしまっていたのです!!
けがの程度は専門家がいないのでわかりませんが、とにかく出血が多すぎます。
このまま血を流し続ければ大変なことになってしまう……
飼育部の顧問でもあるゴリセンが必死に傷口を抑えて出血を少しでも軽減しようとするのですが、これでは時間の問題と言わざるを得ません。
勿論けがをしたのはスズメだけではなく、ゴリセンもスズメだけにかまっていられず……
鷹野はそこで、自分の荷物に救急セットがある事を思い出し、すぐに荷物を取りに行くことにしたのです。

ローターとともに自分の座っていた席に戻った鷹野。
ですがその席は、巨大な岩がごろりと転がって座席を完全に潰してしまっています。
おそらくトンネルが崩落か何かして、落ちてきた岩が電車を直撃してしまったのがこの事故なのでしょう。
まさに九死に一生だった鷹野。
不幸中の幸いとはまさにこのことで、そこに加えて荷物が無事だったのも僥倖と言えましょう。
救急セットの入った荷物を抱えてスズメの元に帰ろうとするのですが……その荷物の底の方に、大量の血液が付着しているではありませんか。
その量からして、鷹野のものではなさそうです。
さらにその荷物を汚した血液は、落石の下のあたりから拡がっています。
……この席に座っていたのは鷹野で、直撃したら間違いなく死んでいたでしょう。
でも、直撃はしませんでした。
何故直撃しなかったのでしょうか……?
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……そう、隣に座っていたのは、虎子です。
虎子は……虎子は、どこにいるのでしょうか!?

……新幹線全体に、金属のきしむ音が響いています。
落石のせいで歪んだ車体が軋んでいるのでしょうか。
いや、違います。
それは、新幹線の車体の先端を
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虎子が掴んで、引っ張っている音なのです!!
大丈夫ですよ、安心してください。
私が、助けるんだ……!!
トンネルの出口まではおよそ100メートル。
虎子は……今まで抑えてきたその力を全開にして、新幹線ごと皆を救いだそうとしていたのです!!
自らが負っている大怪我も気に留めず……!!



と言うわけで、まさかまさかのシリアス極まりないクライマックスを迎えてしまう本作。
果たしてこの後、スズメたちはどうなってしまうのでしょうか!?
そして、今までひた隠しにしていた本当の力、本当の姿を見sてしまった虎子がする決断とは……!?
本作で味わえるとは思わなかった(失礼!)、感動のフィナーレは必見ですよ!!

そんなシリアスなファイナルエピソードももちろん必見ではありますが、そこまでの通常営業の日常パートも楽しめますのでご安心を。
リーダー格で武闘派ながら、ポンコツ気味で乙女なところもあったりする鷹野は、今巻で彼女に関係するキャラクターの登場もあって更なる魅力を見せつけてくれます。
マスコット的存在だったスズメの意外な能力が発揮されてみたり、虎子にゆかりのあるキャラクターも登場したりと、物語は一層騒がしく、コミカルになっていくのです。
雑誌の休刊の問題もあって本作は残念ながら今巻で完結となってしまいまして、その分エンマあたりのキャラクターの掘り下げが不足気味だったのがもったいないところですが……!

そして忘れてはいけないエロス要素も、推し過ぎない程度にしっかりと盛り込まれているのでご安心召され。
特にエピローグとして描き下ろされている豪華12Pのおまけ漫画では、主要5キャラクターの生まれたままの姿がバッチリと描かれ放題!!
最後の最後に見られる彼女たちのお姿をご堪能くださいませ!!
ちなみに大オチとして、とある人物の意外すぎる正体が明かされますので、そちらもお楽しみに……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!