「アイアン・ゴーストの少女」第2巻 三家本礼先生
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。
さて、人形に魂を憑依させ、悪霊を退治する人形使い・ミオ。
彼女は依頼人である杉村を助けるため、仲間たちとともに敵の組織、闇の騎士団(ダーク・セインツ)の元へ向かうこととなりました。
ようやく杉村を侵す毒を治療できる敵、ブラック・ミルクを確保できたものの、その時杉村を守っていたマリアと京の元にダーク・セインツの刺客がやって来ていて……!?
刺客は5名、対するマリアたちの中で戦えるのは京だけ。
マリアはその絶望な状況に心の底からおびえてしまう……と思いきや、泣き叫び、ぶち切れながら澪に電話をかけていました。
マリアが「京くんは実はバカだったのが判明した、去るより少し賢い程度のやつなんだ」と言い切ってしまうその理由は……
なんと、5人相手にレンガ片手に飛び出していった、と言う蛮勇!!
早く帰ってきて、アタシだけじゃあんたの体だって守れない、と懇願していたその頃、その今日はと言いますと……
5人を相手に、俺は小学二年生の時三数で学年4位になったことのある男だ、と謎の自己紹介をしていました。
そしていきなり、いいものをみせてやるから30秒くれ、と言いだしまして、足元に小石を二つ置きます。
その石の上に手にしていたレンガを置きますと……
我が拳よ、証明しろ!!
そう言って右こぶしを思い切りたたきつけたのでした!!
……レンガには傷一つ突いておりません。
いけねー、いつもの拳に布を巻く神聖な儀式を忘れてた、とまたも謎の照れ隠しをするのでした。
誰かハンカチ持ってない?と尋ねる京……
敵から渡されたのは、ハンカチではなく
無数の銃弾でした……意味不明な邪魔が入りましたが、気を取り直してミオの肉体を回収しようとする敵達。
ですが、5名いるはずのメンバーが4名しか見当たらないではありませんか。
あわててその消えた一名を探していますと……その生首が突然背後から投げつけられたではありませんか!!
首を投げつけた人物は……京です。
京は……
人間の皮をかぶって人間に化けていた、アイアン・ゴーストだったのです!!京の力は本物で、4名の敵にも引けを取りません。
ですがいくら強いと言っても、身体は一つしかないわけで。
相性の悪い相手をぶつけられ、手間取っているうちに残りの三人がミオの体を狙いに向かってしまいました。
それを見て今度こそ絶望するマリアなのですが……そこに杉村が現れます。
杉村は、マリアに裏口から逃げろと言いました。
マリアはアイアン・ゴーストの匂いを察知できますから、そこから遠ざかるように逃げれば逃げ切れるはず。
確かにそれはそうなのですが、それはつまり杉村を見捨てると言う事になってしまいます。
ですが杉村は言うのです。
もうあきらめた、と。
傍から見ると眠っていたかのように見えていた杉村ですが、その間も意識はずっとあったのだと言います。
その間ずっと……腕に打ち込まれた毒から生まれた人面瘡と戦っていた、と……!
しかしもうそれも限界だと言う杉村。
今この人面瘡は眠りについているものの、また目覚めて襲い掛かってきたら、もう耐えられないかもしれない。
そう言って杉村は、外に出て行こうとします。
どうせ失われる身だから、時間を稼ぐ。
杉村は、シャベルを手に3名の刺客の前に立ちはだかりました。
果たしてこの窮地、ミオは間に合うのでしょうか!?
そしてマリアはどうするのでしょうか……!!
と言うわけで、クライマックスを迎える本作。
オカルト要素を加えたバトル漫画をいくつも手掛け、長期連載作も多い三家本先生ですが、残念ながら本作はこの第2巻で完結となりました。
打ち切り、なのかどうかはともかくとしまして、この第2巻でダーク・セインツとの戦いはきちんと決着!
ちゃんと物語のひと段落はつけてくださいます!!
その戦いの過程も、打ち切りだからと急いでいる……のかもしれませんが、そうとは感じさせない二転三転するドラマが用意されております!!
三家本先生の持ち味であるバイオレンス、驚きのある展開、そして勢いの三点をバッチリとおさえ、もちろん欠かすことのできないコミカルな要素も加えられた作品となっているのです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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