jr0
今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄楽」第3巻 賀来ゆうじ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、不老長寿の仙薬を手にするため、極楽浄土と呼ばれる島へとやって来た画眉丸。
ですが捜索隊は死罪となった悪人たちの集まり。
裏切りやだまし合い、殺し合いも当然行われる危険な集団で、素直に協力して仙薬を探そうとはならず。
さらにそこには得体のしれない怪物や、人語を離す謎の存在も現れ、次々と捜索隊のメンバーは倒れていくのでした。



画眉丸たちはこの地獄で、思いもよらない存在に出会う事になります。
その存在から、様々な情報を得ることができました。
この極楽浄土と呼ばれる地獄が、コタクと言う名である事。
非時香実(ときじくのかぐのみ)と呼んでいた不老不死の仙薬は存在し、その名は「たん」と言うものである事。
この島は湾岸や森の「えいしゅう」、その内部の「ほうじょう」、そして中心部の「ほうらい」の三層に別れていて、たんはほうらいにあると言う事。
この島にはその不死の体現する、死なず、老いず、永遠に美しい完璧な存在である「てんせん様」がいる事。
そしてこの島に入り込んだものは、あの跋扈する怪物「竃神(ソウシン)」だけでなく、そのてんせん様が皆殺しにする、と言う事……
不老にして不死、美しく人知を超えた力を持つてんせん様。
それは男であり、女でもある、あの亜左兄弟を一方的に痛めつけたあの存在であることは間違いないでしょう。
そしてその存在は……今、ヌルガイと典坐の前に降り立っていたのです!

どこからともなく、と言う形容詞がふさわしいのではないでしょうか。
突然、波打ち際にぱしゃりと小さな音を立てて、それ……「てんせん様」は降り立ちました。
森が騒がしかった、珍しいことだ。
多くの竃神の死体を見た、これも珍しいことだ。
jr1
お前らの仕業か?
てんせん様は、その顔に明らかな敵意を浮かべ、その体を女のものから男のものへと変じます。
一目でその異様を感じ取った二人は、すぐさま踵を返して逃げ出しました。
なぜ逃げる?
無駄なのに。
てんせん様はそう言い終える間に、まるで瞬間移動するかのように高速で移動し、逃げ出した典坐たちの前へと回り込みます!!
そして天坐の胸に、強烈な一撃!!
別にいいんだけど、いつもと何か違うと気になるだろ?そう言うの嫌なんだ。
そんなごく普通の言葉とともに、てんせん様はヌルガイへも攻撃を仕掛けました!!
ですがヌルガイもここに送り込まれるほどの人物ですから、その攻撃をむざむざともらったりはしませんでした。
直前でヒラリと身をかわし、距離を取りながら典坐の元へと駆け寄ったのです。
その身のこなしは、てんせん様からしても感心するものだったようで。
良く動くな、人間のくせに、と漏らすのですが……
その瞬間、立ち上がった典坐がてんせん様の目を切り裂いたのです!!!
ダメージは大したものではないでしょう。
ですが、視界は奪えたはずです。
典坐は倒すことは考えず逃げる、と決断。
ズタ皆はないがスピードには自身がると言う典坐、猛烈な勢いでそのままてんせん様を切り刻み、ヌルガイの合図でその場から一目散に逃げだしました!!
が。
てんせん様は体がバラバラになりかけながらも、
jr2
服が破れた、最悪だ、とダメージを感じさせない言葉とともに二人に追いすがってきて……!!
どうあがいても逃げることはできないのか。
そう絶望仕掛けた瞬間のことです。
jr3
てんせん様の首が完全に切断されたのは!!
そこにやって来たのは、山田浅エ門士遠。
典坐の師に当たる、処刑人です!!



と言うわけで、てんせん様が侵入者狩りに動き始めてしまった今巻。
その力はまさに圧倒的!
一人一人がとんでもない達人であるはずの捜索隊が、数名束になっても手も足も出ないのです。
ヌルガイ達も、逃げの一手さえ許されないその神速と剛力、処刑人が一人増えたところで戦局を覆すとはとても思えないのですが……?
てんせん様とヌルガイ達三人の戦い、その結末は……!!

そんなヌルガイ達の動向も気になるところですが、やはり画眉丸たちの方も気になります。
このコタクの地で出会った予想外の存在によって、情報を得ることができました。
この情報を得たことで、一緒に行動していた画眉丸と佐切、杠と仙汰の4人の仮初とはいえ一応の団結が崩れてしまうことも考えられます。
何せ無罪放免の褒美をもらえる罪人はただ一人。
罪人同士で奪い合いの戦いが始まることも、十二分に予想できること……!!
そしててんせん様の方も、画眉丸たちを放ってはおかないはず。
画眉丸たちの旅は、ここからが正念場と言えるでしょう……!!

そんな戦いの数々は、相変わらずのド迫力の筆致で描かれております。
派手な技が飛び交い、構図も様々な外連味ある戦闘シーンは引き込まれること必至!
画眉丸以外のキャラクターの掘り下げも進みつつあり、戦闘以外でもよりいきいきと活躍してくれます。
さらにこのコタクの全貌も徐々に明かされていき、倒さなくてはならない存在も明らかに。
個性的でそれぞれドラマを背負うキャラクター、迫力満点の戦闘、そして確実に進んでいくストーリー。
ますます勢いを増す本作から目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!