ik0
今回紹介いたしますのはこちら。

「遺書、公開。」第2巻 陽東太郎先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行です。


さて、謎の「序列」に支配されているクラスで突然巻き起こった、序列1位の女生徒、姫山椿の自殺。
公私ともに順調であったように見えた彼女の突然の自殺は、クラスメイト達にショックを与えます。
が、その後クラスの全員に姫山からの遺書が届けられるのです。
その遺書を一人一人後悔していくことになったのですが、その遺書の文面には、このクラスのどろどろsとした闇が暗示されていまして。
姫山が自殺したのは、このクラスに問題があるのではないか?
そんな疑念が渦巻く中で、遺書の公開は続いていくのです。



遺書の公開が始まってから、クラスの雰囲気はみるみると変わっていきました。
姫山の自殺の原因が、クラスにあるかもしれない。
そう考えると、今まで気にも留めなかった些細な行動も、姫山を追い詰めたきっかけになっているのではないか?という不安が鎌首をもたげてきて……
同時に、誰かの遺書には真相が書いてあるかもしれないことを考えると、勝手な予想を口に出すのもはばかられる。
全員が全員、心の中に何かを抱えたまま流れていく時間。
遺書の公開が進んでいくこの後、何が起こるのか?
それは誰にもわからないのです。

序列26位、沢渡すずこは悩んでいました。
それは……彼女あての遺書に原因があるようです。
不穏な空気はあるものの、何事もなく終わった一日。
その放課後に、沢渡は何か決心をしたようで。
放課後、ある人物を呼び止め、その人物と人気のない橋の下へと向かいます。
そして沢渡は、自らの遺書をその人物に見せ……問いかけました。
それが私あての遺書の内容。
積極的に発表するつもりはないけど、私嘘と化付けないし、公開の順番が来たら読まなきゃいけないから。
だから、私の認識が間違ってないか教えてほしくて!
勘違いだったから困るから……!!
するとその人物は、沢渡の遺書を……握りつぶしました!!
そして……
ik1
その人物は沢渡を昏倒させ、遺書を奪って立ち去ってしまうのです……!!
火曜日。
沢渡は学校に来ていませんでした。
……担任教師によれば、朝連絡があって体調不良で欠席だ、とのこと。
どうやらあの件は大事には至らなかったようですが……事情を知らないクラスの大半のメンバーは、最近いろいろあったために疲れがたまったのかもしれない、と心配はするもののそれほど深刻には考えていないようです。
沢渡本人はといいますと、あの事件の後、自分が離しを持ちかけたあの人物が、あんなことをするなんてと大きなショックを受け、恐怖のあまり学校を休んでしまっていました。
そんな不安に苛まれる彼女のもとに、仲の良い友人から心配のメッセージが届けられ……
そして、沢渡は意を決してメッセージを返したのです。

メッセージを受け取って動いたのは、序列25位の峠谷陽茉莉。
彼女はクラスのみんなに、はっきりと言いました。
沢渡さん、昨日、遺書を誰かに奪われたって。
誰かは聞いても教えてくれない、なんかその相手のことをすごく怖がってるみたいで……
するとクラスは再び重苦しい空気に支配されてしまい。
そんな中でこの状況をむしろ楽しんでいるような表情を浮かべる序列19位の千蔭は、ここぞとばかりに語り始めるのです。
これでハッキリしたよね、遺書のことはこのクラスの人間しか知らない、この中に遺書を後悔されたら困ると思うやつがいるってことだよ。
つまり、自分が姫山さんに恨まれてるんじゃないかって心当たりのある人間がさ。
……重苦しい空気が、さらにずんとのしかかってきます。
やがて、序列3位の御門が口を開きました。
こうなったらもう徹底的にやって、はっきりさせようよ。
誰が悪いのかを。
私は椿が誰かを恨んでるなんて思ってないけど、そう思っている人はいて、椿に対して悪いことをしたって自覚があるわけだよね?
だったらそいつを引きずり出してやろうじゃない?
その言葉をきっかけとして、他のクラスメイト達もそれに賛同し始めます。
とにかく全員が後悔するしかない。
やましいことがなければ後悔することに支障はないはずだ。
だからここで公開できないなんてやつがいたら……
ik2
そいつは絶対、何かを知ってるってことだ。
……皆で協力しようと始まったはずの遺書の公開は、こうして「犯人探し」へと明確に変わってしまいました。
クラスの一同はそれぞれ思い思いの考えを抱き、それぞれその時のための覚悟を決め始めているようです。
このクラスのメンバーは、自分たちが思っている以上にお互いのことを知らない。
遺書の公開が進むにつれ、浮き彫りになっていく事実。
……そんな歪み切った教室の中で……移動教室の前のわずかな時間にたった一人残ったある人物が、自分のカバンの中にあるものを見つめていました。
「沢渡すずこ様」。
そう書かれた遺書。
ik3
それを見つめているのは……序列2位、赤崎理人だったのです……!



というわけで、新たな展開を迎える本作。
この後物語は、沢渡あての遺書、自ら公開を立候補した人物あての遺書、そして赤崎を中心に進んでいくこととなります。
赤崎のバッグからは、沢渡あての遺書が出てきました。
ですが出てきたからと言って、赤崎が本当に沢渡を襲った人物であるとは言い切れないでしょう。
誰かが赤崎を陥れるために紛れ込ませたと言う可能性も否定できません。
この赤崎は序列2位、クラスでも目立つポジションにいるだけでなく、姫山の恋人でもあった人物。
普段の行動や、姫山と付き合っていたことから考えるに、クラスが探している「犯人」である可能性は低いようにも見えます。
しかしそう言う関係だからこそ問題があったと言うことも十分考えられますし……
この後、遺書の公開が行われ、物語はさらなる急展開へ!!
沢渡を襲った人物は誰なのか?
新たに公開された遺書に書かれている内容は?
赤崎は……?

じわじわと、時に一気に物語の色が変わっていく本作、今巻でも最後の最後まで何が起こるかわからない物語運びが描かれます!
公開が進むにつれ、少しずつ暴かれ、そして深まっていく2-Dの闇。
今巻でも色を濃くしていくその闇の中で、真実は見つかるのか?
これから先の展開も見逃せませんよ!!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!