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今回紹介いたしますのはこちら。

「後遺症ラジオ」第6巻 中山昌亮先生 

講談社さんのシリウスKCより刊行です。


さて、巷に蔓延る恐怖と、その恐怖の中心にいる「おぐしさま」の謎を描いていく本作。
徐々に明かされていくおぐしさまの実態と、現代で広がりつつあるその呪い……
今巻では一体どうなってしまうのでしょうか!?



ボロボロに朽ち果てた、今にも崩れ落ちそうな家。
玄関にはゴミの山が積み上げられていまして、とても人が住んでいるとは思えませんが……
それでも人が住んでいるという噂もささやかれておりまして、そんな噂に惹かれて少年三人組がその家に忍び込もうと企んでいるようです。
その中の一人の少年はやめた方がいいと説得しようとするものの、好奇心旺盛な少年たち、そんな言葉に効く耳を持ちません。
早速中に入ろうとするものの、その入り口に……髪の毛のようなものがピンと張ってあるのです。
いよいよお化け屋敷じみてくるな、とその髪の毛を引きちぎると……
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家の中から、おぞましい叫び声のようなものが聞こえてくるではありませんか!!
それはあまりにおぞましすぎて、「声」なのかどうかすらも怪しいくらいです。
ここに住んでる人の声じゃないか、いや今のは人間の声じゃないだろう、と少年たちはさすがにひるみながらざわつくのですが……
やがて少年たちは、もっと恐ろしいものを目撃することになるのです。
それは……廃屋の窓に映る、
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巨大な顔……!!!
その恐ろしいものを目撃した少年たちは、さすがにもう一歩も動けなくなってしまいました。
そして追い打ちをかけるように、その家の中に入ってはならないと言う光景が目の前に広がるのです。
家の中から立ち上る、どす黒い何か。
それはまるで、髪の毛のようで……

その後のまた別の日のこと。
数名の中年の男女が、その家の前に集まっていました。
リーダー格のおばさまの手の中で、カリカリと音を立てているのはガイガーカウンター。
0.71マイクロシーベルトと、直ちに危険はない数値ではあるものの、何もないはずの場所としては高い数値が出ています。
子供たちが危ないだろう、何があるのか確かめるべきだ。
そう声高に宣言するおばさま達ですが、さすがに自分たちが入る勇気はないようで。
押し付けられそうになっている2人のおじさんは、勝手に入るのはよくないだろう、となんとか中に入らず住むようにしようとするものの、20年以上もほったらかしの家なんだからきっと家主だってなくなってる、大丈夫だ、とムチャクチャな理論で押さえつけ、結局おじさんたちの中に入らせるのです。

この年になって廃屋探検だなんて、子供たちに見られたら示しがつかない、とぼやきながら調べ歩く二人。
この計測器がおかしいんじゃないか、そう言えば昔古い機械の部品に反応したって話もあった、などと言いながら、とにかく叔母様たちが納得するものを見つけようと歩くのです。
そうやって家の中を歩き回っていきますと、やがて一番反応の強い部屋に行きあたります。
そこは……床の間のある和室でした。
床の間には掛け軸や蜂が飾られていまして、昔はそれなりに立派な部屋だったような感じも受けますが、とにかく今は荒れ放題、かつての様子をうかがい知ることがはできません。
計測器を頼りにさらに詳しく場所を調べてみますと、どうやら倒れていた襖のしたから反応があるようです。
襖をどかせてみますと、下の畳に大穴が開いていまして、
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その穴の中に木の小箱が置いてありました。
どうやらこの箱の中身に計測器は反応を示している様子。
ですが、その反応は2マイクロシーベルト近くまで上がったり、0.2近くまで下がったりと、上下を繰り返しています。
まるで、呼吸でもしているかのように……
その箱、お札のようなもので封印が施されていまして、反応以外の部分でもよくない雰囲気を醸し出しているのですが……
おじさんの一人は、そう言うことに全く頓着のない人物のようで。
あけてみますか、と言って木の箱に手をかけるのです!!
お札が貼ってあるみたいだけど大丈夫かともう一人のおじさんは心配の声を上げるのですが、笑いながら大丈夫でしょうと取り合わず。
計測器がさらに大きな反応を揚げ始めたことにも気が付かず、木の箱を開けると……そこには……!!!



というわけで、またも「髪の毛」を一つの鍵とした恐怖が描かれる今巻。
この後、木の箱の中身が発かれ、そしてその中に封じられていたものが描かれます。
まだそれがおぐしさまに関係しているとは限りませんが……髪の毛が鍵になっている以上、関係ないとは思えません。
おぐしさまの呪いは、拡がってしまうのでしょうか。
それはどこまで……?
恐怖の連鎖は、やむことはなさそうです……!!

そしてもちろんこのほかの恐怖も描かれていきます!
かつて存在したおぐしさまを祀る村の物語が描かれ、いまだ謎深いおぐしさまの実態に迫っていく重要なエピソードをはじめとしまして、関連性のの見られる連作的なお話、一話完結型の恐怖と、様々なエピソードを収録。
中山先生お得意のおぞましいクリーチャーや、ぞっとする登場をする存在、そこからおそらく始まるであろう恐怖の「予感」をビンビン感じさせてくれるお話が続々!!
今巻も読者をとことん恐怖させてくれるお話ぞろいなのです!!

そして前巻で幕を閉じたはずの、中山先生の体験した恐怖譚、そのまさかの続きも収録されています!!
終ったはずの恐怖、それがまた描かれると言うことはつまり……?
こちらも必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!