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今回紹介いたしますのはこちら。

「マイホームヒーロー」第4巻 原作・山川直樹先生 漫画・朝基まさし先生 

講談社さんのヤンマがKCより刊行です。


さて、哲雄は恭一とともに延人を探すことになりました。
ですがいくら探しても延人が見つかるわけがないことはわかっている哲雄、何とか捜査の目をそらすため、持ち前のPCとネットの知識も生かして偽装工作を繰り返します。
ですが恭一も哲雄を疑っている人物のため、ことは簡単に進まず……



自分たちが助かるためには、誰かに罪を擦り付けるしかない。
そしてその擦り付ける対象として最もふさわしいのは、自分たちを最も疑っていて、最も危険な人物でもある……恭一。
歌仙は恭一に罪を被せるため、延人を殺め、偽装工作をした証拠となるアイテムをその自宅に置き、恭一の組織の誰かに発見させようとするのです。

そこでやって来たのは、恭一の実家でした。
通販のプレゼント企画が当選したと嘘をつき、恭一の母に接触した歌仙。
ですが家の中に通してもらい、いろいろ話を聞いていくうちに……恭一の人となりが徐々に見えてきました。
自分の損得しか考えない冷徹な男かと思われていた恭一なのですが、なんでも今は何の仕事をしているのか隠したまま、母にたくさんの贈り物をしつつ、お金がたまったら店をやろうと言ってくれているのだとか。
恭一の父は依然大衆食堂をしていたのですが、暴力団的な組織によって圧力をかけられ自殺してしまった、という背景があるようで。
その後精神的に打ちのめされて死んだようになっていた母を、支えようとしてこんなアウトローな組織に入って金を稼いでいる……
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恭一の母は恭一の仕事を知らないがため、息子の献身的な行動に涙して喜んでいます。
……その事実は、歌仙に葛藤を生み出しました。
恭一に罪を被せれば、組織によって恭一は消されてしまうことでしょう。
そうなれば心の傷から立ち直りつつあるこの母親を、再びどん底に落とすことになる……
ですが、歌仙はそれを十分にわかったうえで、自分の決意を揺るがさないように再び自分自身に言い聞かせるのです。
最初からわかってた、覚悟してた。
零花ちゃんが一番大事だって、覚悟してたじゃない、と。

恭一の家に来てみたものの、ほとんど家に帰っていないと言うことが母との会話でわかりました。
現住所も知らないと言うことで、ここに犯人に仕立て上げるための証拠を置いていっても意味がありません。
恭一のメールに何か手掛かりはないだろうか、とハックした恭一のメールアドレスのやり取りを確認してみると……どうやら恭一は今まさに誰かとメールをしている真っ最中のようです。
別口でメールの内容を確認してみることにした歌仙ですが、そちらにはメールの内容が変換前のアルファベット表記で表示されているため、解読に時間がかかってしまいました。
その為……そのメールの相手は……零花である、ということに気が付くのにも、遅くなってしまったのです……!!

なかなかぼろを出さない哲雄ではなく、娘の零花から何か引きだせないかと考えていた恭一。
零花とのメールでの会話の中で、哲雄の頭の怪我についての話が出てきました。
一週間に二度頭を怪我していた、という零花。
その二度目の犯人は恭一なわけですが、問題はその一度目の怪我をさせたのは誰か、ということです。
零花には延人にやられたと言っているようですが、哲雄は延人が失踪してから会っていない、と恭一たちには言っています。
この質問を零花にすれば嘘が見つかるのですが、恭一自身は一度目の怪我が組織の仲間がやったものだと知っているため、その質問をしようと言うことすら考えつかないわけです。
ギリギリのところでその質問には辿り着かないのですが……会話の流れの中でそれがいつか出てしまってもおかしくはなく。
恭一は、その質問につながりかねない、お父さんが清掃業者から話を聞いたと言っていたか、という質問を投げかけてしまったのです。
勿論哲雄は、自分が清掃業者に扮してごまかそうとしたことなど零花に言っていませんし、それを行ってしまえば娘を自分たちの闇に巻き込んでしまうことがわかっていて避けているのでしょう。
恭一はそのあたりに何か引っかかりを感じたようで、近いうちに両親のいないところで離せないか、と零花にアプローチしてきたのでした!!
すぐに歌仙はそれとなく恭一と会わないようにというメッセージを送りましたが、零花はそんな言葉を聞く気はありません。
延人から自分を守るためにお母さんたちは何か隠している、自分だけ蚊帳の外なのは納得がいかない。
そう考え……最悪意地でも待ち合わせ場所に指定されたファミレスから外に出なければ危ない目には合わせられないだろう、と恭一に会う約束を取り付けてしまうのです!!
いつまでも子供じゃないんだ、と延人の問題に向き合おうとする零花の決意。
そして、他の誰も気づいていないが延人の件の犯人は哲雄たちだ、時間切れじゃなく自分がきっちり犯人として葬る、とその若さゆえのはやりを見せる恭一。
……その二人の動きが……歌仙に完全なる覚悟を決めさせるのです!
日和っている場合ではなかった、零花と恭一を合わせてはいけない。
やはり哲雄の言った通り、家族の平和のためには
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恭一が一番邪魔……!!
恭一が礼は七二会に向かったあと、すぐ哲雄の元に歌仙から連絡が入ります。
そして、歌仙の危機を改めて知り、哲雄は天を仰ぐのです。
家の中の囲っていれば、何も知らない零花だけは守れると思っていた。
……そんな零花は、恭一にこんなメールを送っていました。
会います、両親が何か隠しているんなら知りたいです。
家族なんで。
何か最近ツラそうなんで。あいつら(笑)
哲雄は、逃げ出さないようにと繋がれた手錠から、せっけんを使って強引に手を抜きます。
そして……自分の危険も顧みず、動き出すのです!!
零花だけは、守らなきゃって思っていた、たとえ僕たち夫婦に最悪の結果が訪れても。
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零花は、僕達の一人娘なんだ。



というわけで、哲雄たちの大勝負が始まる今巻。
もはや延人を探すタイムリミットはあと1日にまで迫っています。
あと一日で、誰かに罪を擦り付けられなければ哲雄は終わり、家族もただでは済まないでしょう。
果たしてそのわずかな時間でどうにかすることができるのでしょうか!?
唯一の付け入る隙は、恭一がタイムリミットが来て哲雄が消される、というのを良しとしていない事。
哲雄のしっぽをつかむためにするあれこれを逆に利用して、その間に恭一を陥れることができれば……
どちらにしても厳しい道であるその唯一の助かる道、そこに辿り着く為に哲雄と歌仙はこの後も様々な手を使うのです!!
まずはこの零花との接触のために留守にしている間に恭一の現住所に証拠をセッティングできるか、というミッション。
恭一はGPSで哲雄の位置を把握していると思い込んでいますが、そこはいくらでもごまかすことができます。
しかし問題なのは、恭一がいつ帰ってくるのかはっきりとわからないところ、そしてそのどのくらいかもはっきりしないわずかな時間で恭一の住所を突き止め、侵入し、証拠を置いてくると言う数々の関門がある事……!!
しかも零花を恭一と接触させてはいけないという問題もあり、困難が困難を気話まえる状況と言えるわけで。
難問に向かった哲雄と歌仙はどうするのか?
ミステリマニアの哲雄と演技の得意な歌仙、二人の息の合った、心の通じ合ったコンビネーションとコミュニケーションは必見そのもの!!
息詰まる展開の連続する最後の1日は、最後の最後まで予測不可能な展開の連続になっています!!
一つの山場を迎える今巻、そしてその山場が決着しそうな次巻。
必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!