od0
今回紹介いたしますのはこちら。

「男塾外伝 大豪院邪鬼」第5巻 原案・宮下あきら先生 作画・柳田東一郎先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、生き別れの弟であった覇王こと、豪鬼との決戦に挑む邪鬼。
独自の修練を積み続けていた豪鬼の力は強大で、あの邪鬼をして苦戦を強いられるのですが……!?



邪鬼との戦いが壮絶な決着を見た後、邪鬼は男塾へと戻りました。
すでに男塾の帝王として君臨していると言っても過言ではない邪鬼、三号生たちに囲まれて日々その牙を研ぐ毎日を過ごしているようです。
今回は、世界各国からも差が集まると言う大武道大会、喊烈武道大会への出場をかけ、死天王の面々が予選大会へと参加してきたとのこと。
勿論予選など邪鬼の手を煩わせる必要もありませんし、なんなら鎮守直廊三人衆の誰か一人の参加などでも大丈夫でしょう。
あっさりと本戦への出場権を獲得してきたのですが……その報告の時、センクウが妙なことに気が付きました。
三号生の数が少ない、ということに。
ですがそれは大きな事件ではなく、教員たちからのリクエストで、授業のために十数名貸し出しをしているのだとのこと。
その授業と言うのは……

季節は秋、男塾の学園祭的な催し、愕怨祭が間近に迫っています。
そこで鬼ヒゲは、その最大の目玉の一つである男塾名物、「羅惧美偉」の練習をしよう、と言いだしました!!
もちろん男塾名物のことなど知らないこの時の新一号生は戸惑うばかり。
これからルールを説明してやるから耳の穴を闊歩時ってよく聞け!と飛行帽が怒鳴り散らしていますと、そこに見慣れぬ男が姿を現しました。
その男は、男塾では見かけない、学ランに学帽の小柄な男。
ココがどこだと思っているんだ、とその男を怒鳴りつけますと……男は、全く怯むことなく
od1
俺は桐生巌丸、と名乗ります。
突然乱入してきた無礼な男に、塾生の何人かがいきり立って襲い掛かります!!
が、巌丸はその小柄な見た目に相反した実力を持っておりまして、跳びかかっていった一号生たちをたった一人で蹴散らして見せたのです!!

そんな巌丸の大暴れは、たまたま授業の手伝いに行っていた三号生を通じて、すぐ邪鬼の耳へと入りました。
そこで、その対応を任せてくれと自ら名乗り出たのは……鎮守直廊三人衆の一人、独眼鉄だったのです!!
od2
巌丸が勝ち誇るその場に現れた独眼鉄は、巌丸に
羅惧美偉の練習に参加するように指示。
そこで結果を出せば、巌丸が求めている男塾への入塾を認めようと言うのでした。

巌丸は一号生チームに入り、独眼鉄は三号生チームへ。
しかも独眼鉄がゴールをがっちり守るとのことで、巌丸がトライをすることは万が一にもない、とのこと。
独眼鉄が余裕の笑みを浮かべるなか、戦いは始まりました。
そのルールは武器の使用も認められた何でもありの球場の中で、重さ三十キロの鋼鉄のボールを先にトライした方が勝ち、というシンプルなもの。
さすがにのちの本編「男塾」で関東豪学連と行った時のような毒薬服用はないようで、とりあえず安心してみていられそうです!
試合開始の合図が出ると同時に、両軍はもう相手を殺さんばかりの勢いで飛び出します!!
が、その中で一番早くボールに飛びついたのはやはり巌丸でした!!
しかも素早くキャッチしたばかりか、次々に襲い掛かる塾生たちの攻撃を、目にもとまらぬ軽やかな動きでかわし続けるではありませんか!!
さらに巌丸の凄さは、スピードだけではありません。
目の前に巨漢が立ちはだかれば、とっさに羅惧美偉ボールを武器代わりに頭をカチ割ってノックアウトすると言う反応と機転の良さ。
そして、これ以上の大暴れはさせじと複数の塾生たちがスクラムを組んで猛然とタックルをしてくれば、真っ向から組み止めて見せると言うパワーも持ち合わせているのです!!
しかも相手は三号生……!!
巌丸はそのまま複数の三号生をものすごい勢いで押し返し、そのままゴールへと一直線!!
まさかこのまま決まってしまうのかと思われたその時、独眼鉄が動いたのです!!
男とは何ぞや、命とは何ぞや!!
返答せい!!
そう言ってはなった一撃は、三号生もろとも巌丸を吹っ飛ばす、壮絶な威力を持っていました!!
遂に目の前に立ちはだかった骨のある強敵。
こうじゃなきゃつまらない、行くぜオッサンと巌丸は立ち上がり、鋼鉄のボールを顔面に向けて思いっきり投擲!
そのボールは猛烈な勢いで独眼鉄の顔面へ直撃!!
そしてすかさず巌丸は突進し、独眼鉄の体にすさまじい連打を放ちました!!
30キロの鋼鉄のボールが顔面へ直撃し、巌丸のパワーのこめられて連撃の直撃。
勝負は決まった、と巌丸は思ったのですが……
確かに鋼鉄のボールがぶつかった部分から、流血はしています。
していますが……独眼鉄は眉一つ動かさないまま仁王立ち!
od3
男とは何ぞや!と改めて問いかけながら、巌丸の顔面を張るのです!!

男とは何ぞや、という問いかけとともに、張り手に打たれる巌丸。
さすがの巌丸も三号生の戦闘グループである独眼鉄には太刀打ちができず……気絶してしまいました。
これにて勝負は決着。
巌丸の完全敗北となったのですが……独眼鉄はそんな巌丸の姿を見て言うのです。
気絶してなおボールを離さないとは。
それが貴様の答えか、と。
……独眼鉄が巌丸の「男」を見て導き出した、その結論は……!?




というわけで、新シリーズに突入した今巻。
喊烈武道大会編とでもいうべきこのシリーズ、今巻はこの巌丸の登場をプロローグとして幕を開けることとなります。
にぎやかで明るい系のキャラクターである巌丸、いうなれば本編における虎丸や富樫のポジションと言えましょう。
どうしても三号生がメインとなってしまう本作、基本的にみんな真面目(その見た目はともかくとしまして!)ですので、そう言った驚き役や賑やかし役がいないのがお話の構成上難しいところになっていました。
彼の登場によって、凄いバトルに「すごい!」と驚ける描写が入れやすくなり、お話がさらに膨らませやすくなったわけです!
さらにビジュアル面でも、仏頂面ばかりの三号生とは違ってコロコロと表情を変える巌丸の存在は絵面を変える役目も働いてくれます!!
演出のメリハリもつき、お話が一層彩り豊かになるのです!!

今巻は覇王との戦いの決着、巌丸の大暴れ、そしてさっそく始まる喊烈武道大会と、アクションシーンも大充実!
しかも今巻ではこの独眼鉄の活躍だけでなく、三人衆屈指の人気を持つあの人も活躍!!
脇役の活躍が楽しめるのはファンならば必見、三人衆が羅刹の次に好きな俺も大歓喜です!!
柳田先生も筆がノってきたのか、絵のコピー使用も減ってきたような気がします!!
柳田先生の丁寧かつ迫力ある絵柄で描かれる、邪鬼たちの戦いから目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!