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今回紹介いたしますのはこちら。

「わがままハニイホリック」第2巻 みなもと悠先生 

秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。


さて、クラスの底辺として扱われていたまといが、クラスの女王格である美少女、ハニイとお付き合いすることになって幕を開けた本作。
ですがその実情は、サキュバスであるハニイが恋人ならば堂々とキスをして精気を吸うことができる、という計算からくるものでした。
当初はまといからハニイへの想いはともかくとして、ハニイはまといのことを単なる餌としか思っていなかった節があったのですが、恋人っぽくデートなどを繰り返していくうちに、徐々に変化が現れていって……?



ハニイとの関係を始めてから、変わり始めてきたのはハニイだけではありませんでした。
まといもまだほんの少しですが、憧れの男番長のように男らしく振舞うことができるようになりつつあります。
そのおかげで疎遠になっていた人物とまた昔のように仲良くなれたり、クラスメイトからもただの底辺ではないのかもしれないと一目置かれ始めたりと、その扱いも徐々にではあるものの改善していっていたのです。

まといがいつものように自宅の銭湯の番台に立っていますと。そこにハニイがやってきます。
よーく見て、あたしの夏服姿!どう?かわいいでしょ?
夏の装いに身を包んだ自分の姿を見せびらかすようにポーズを取るハニイ。
まといは恥ずかしいやら、バンダイのカウンターの上に座り込むハニイに困るやらで慌てて、すごく可愛いから、そこ降りてよと必死に懇願するのです。
クラスの人気者であるハニイ、すでにその恰好はクラスのみんなから褒めそやされていましたし、自分が魅力的であることはハニイ自身もよくわかっているはず。
まといも可愛いなんて確認しなくたって自分でもわかってるでしょ、と言うのですが……
ハニイは頬を膨れさせ、わかってない!とまといを番台の中にはいりこんで押し倒すのです!
そのまま口づけして精気を頂戴しつつ、ハニイはこう言いました。
わかってない、あんたの言葉で聞かせてよ、もっと近くで聞かせて。
ハニイはまといの耳に舌を這わせながら、そう囁き……

幸いちょうどお客さんが来ましたので、それ以上の進展はしませんでした。
落ち着いたところで、まといはなぜハニイがそんなに焼きもちを焼くのか、と改めて尋ねます。
そもそもハニイは、サキュバスが人間を虜にしてしまう能力「催淫」を自分に使っているはず。
それならば、ハニイを袖にして他の女性に目を奪われてしまうようなことはないでしょう。
しかも実際は、二人がつきあい始める前からまといはハニイのことを想っていたわけで……
そんなことを言うまといを、ハニイは一発殴って、本当にわかってない!と言い残して立ち去っていってしまいました。
なぜそんなに怒られるのか全く理解できないまといは、男らしくって難しいな、と考えながら彼女の後ろ姿を見送るしかないのでした。

銭湯から出たハニイは、ぶつぶつと漏らしながら家路についています。
何が「催淫にかかってる」だ、知識だけで分かった風なことを言って。
……催淫なんて……
物憂げな表情でそう呟いたハニイはつぶやくのですが……その瞬間、背後から声がかけられました。
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「催淫なんて、そんな便利な力が本当に使えたら……」
かわいそうにね、ハニイ、催淫の使えない欠陥品のサキュバスさん。
背後に立っていたのは、黒髪をツインテールにまとめた、小柄な少女でした。
彼女を見たハニイは……顔色を変えます。
何しに来たのよ、メイプル。
メイプルと呼ばれた少女は、メガネをかけながら怪しく笑い、言いました。
そんな怖い顔しないでよ、できそこないの姉の様子を見に来てあげたっていうのに。

メイプルは、通りすがりのお姉さんに「催淫」をかけ、手早く精気を吸い取りました。
老若男女関係なく相手を自分の虜にし、かかっている最中のことは「夢の中の出来事」として本人の中で処理される。
そんな人の精気を食事とするサキュバスが安全に栄養を取るのに最適な能力を、ハニイは持っていないのです。
その昔、サキュバスの中には人の世に踏み込み過ぎて命を落とすものも多くいたと言います。
だから今はサキュバスの学校まで作ってルールを徹底させ、人の世に隠れ住む同胞を守ろうとしているのですが……
誰も愛さず、誰からも愛されない種族であるはずのサキュバス。
だと言うのに、いまハニイが行っている行動は全くの正反対!
メイプルは、ものすごく迷惑だとハニイをにらみつけるのです!!
そして……
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あなたが大事にしているあの人間、あれを没収しちゃいましょう。
これ以上他のサキュバスに恥じかかせないでよ。
それともあなたの催淫の真の力でも見せてくれるっていうのかしら?
それは他のしみね、ハニイ。
そう言って、いやらしく笑いながらメイプルは去っていってしまうのです。
ハニイはそんなメイプルに何も言い返すことができず……

その頃、まといいじめの銭湯に立っていたいじめっ子、二宮は悶々とした思いを抱えながら入浴中。
ハニイをはじめとして、このクラスには自分より目立つ女がたくさんいる。
まといも友人も、最近はハニイに奪われてしまって自分のコントロール下に置けないし、何よりも……秘かに思いを寄せているクラスの超イケメン、王司の隣に立っているのがハニイである事が面白くないのです。
お金持ちのご令嬢であり、美少女である二宮は今まで多くのものを労せずして手に入れ、注目を浴びる日常を過ごしてきました。
だと言うのに……本当に見てほしい人がいる時に限って、女王にはなれない……
ハニイを蹴落として、王司の隣に立ちたい。
そう考え、うつむいていますと……
突然、背後から声が聞こえてきたのです!
だったら、奪い返してやればいいんじゃない?
あの女が持ってるもの、奪って行ったもの、一つ一つ羽を千切っていくように。
そしてその羽を身にまとい、新たなる女王となるのは……
そう囁いたのは、メイプルでした。
ですが、二宮が振り向いた時にはすでに底に彼女の姿はありません。
代わりに、ひとつの瓶が転がっていたのです。
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それは……サキュバスの力である、催淫の力が込められた薬。
その薬を使って二宮は……まず、まといを奪い取ろうと狙うのです!!



というわけで、メイプルが本格登場し、ハニイを陥れんとし始める今巻。
この後メイプルの思惑通り、二宮はまといのことを篭絡しようと動くのです!
まといに襲い掛かることになる、「催淫」の力。
果たしてまといは、初めて体験する催淫を前にして、ハニイに操を建てることができるのでしょうか!?
そしてメイプルはこの後更なる作戦に打ってでます。
ハニイを追い詰め、魔界に連れ戻すために決行するその行動とは?
メイプルの容赦ない攻めや、ハニイの辛い過去なども垣間見える、注目のシリーズとなっているのです!!

そんなメイプル編の前にはまといの成長の見られるエピソードも収録。
もともと内に秘めたるものはあったのでしょうが、徐々に成長していくまといの勇姿が見られます!!
さらにメイプル編のラストのあたりでは、今後の展開を示唆する気になる要素が見えてきまして……!!
サービスシーンや心情が細やかに描かれていく、可愛らしい女性キャラたちのあれこれはもちろんのこと、ビジュアルはともかくとしてとっても男らしいまといと言ったキャラクターの活躍、さらに目の離せない展開のドラマにも注目必至の内容となっているのです!!



ちなみに個人的には二宮さんには幸せになってほしいところ。
王司にどうも裏がありそうなのが気になりますが……頑張って!二宮さん!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!