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今回紹介いたしますのはこちら。

「リトルウィッチアカデミア」第2巻 左藤圭右先生 

KADOKAWAさんの角川コミックス・エースより刊行です。



さて、憧れのシャイニィシャリオのような、皆を笑顔にできる魔女を目指す少女、アッコの奮闘を描いていく本作。
残念ながら魔法の才能には欠けていると言わざるを得ないアッコですが、その心の中には熱い思いと彼女にしかない才能のきらめきが輝いています。
魔女の学校ルーナノヴァで、アッコは多くの出会いを経て成長していくのです!



ある日のことです。
アッコが一人、図書室で机に向かっておりました。
どうやら勉強をしている様子。
普段のアッコからすれば想像もできない行為ですが、たまたま通りがかったアマンダも同じように感じたようで。
お前が勉強なんて何の冗談だよ、熱でもあんじゃねえのか、と大笑いしてくれました。
アッコは怒ってアマンダを図書室から放り出してしまいます。
先日起きたとある事件のおかげで、アッコの退学はとりあえず免れたものの、いまだアッコの成績はほとんどが最低レベル。
本腰を入れて勉強しないと、いずれ本当にこの学校を去らざるを得なくなってしまう……
そう考えて、アッコはこうして自主的に勉強に打ち込むようになったのです。
と言っても勉強をしたから急に成績が上がるわけもなく、以前ほとんどちんぷんかんぷんなまま。
こんなので本当にシャリオみたいになれるのか、いや、私ならできる。
会ってみたいなぁ、シャリオに。
アッコはそうつぶやくのでした。

と、そこに再びアマンダがやってきました。
そろそろ勉強飽きてきたんじゃね、とあまりにタイムリーなささやきを聞いて驚くアッコ。
平静を取り繕って、集中してたんだけど何の用だ、と問いかけますと……アマンダは悪い顔をしてアッコのすぐ近くまで顔を寄せ……こうささやいたのです。
いいもの持ってきたんだ。
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次のテストの、答案だ、と!

アマンダは学校のいろいろなところに忍び込んで、悪さをする盗み癖……もとい、悪戯好きな癖を持っています。
その能力を利用して、職員室か何かに忍び込んだのでしょう。
アマンダの技能からして、普通にできても全くおかしくはないことです。
テストの答案があれば、間違いなく赤点は回避できるでしょうし、それどころか満点だって夢ではありません。
こいつを使えばラクショーに成績アップだぜ、と悪魔のささやきを仕掛けてくるアマンダ。
アッコは生唾を飲み込み、そっとテストの答案に手を伸ばし……
いらない!と、そっぽを向いたのです!!
内なる煩悩め、去れ!!と自分の中に沸き上がる欲望を抑え、歯を食いしばるアッコ。
アマンダはどれだけ囁いてもアッコがその答案に手を伸ばさないことを理解すると……
いい子ちゃんぶりやがってとつぶやき、魔法なんて勉強したってどうすんだよ、と面白くなさそうに言い残して立ち去って行くのでした。

部屋に戻ったアッコは、スーシィとロッテに相談します。
それは目の前に迫る赤点のことでも、アマンダの去り際の態度が気になってのことでもありません。
立ち去っていったアマンダが置いて行った、テストの答案のことについて、です!!
勿論中味は見ておりませんが、置いていけば騒ぎになるでしょうし、持ったままでもあらぬ疑いをかけられることは目に見えています。
知らないふりをしていても、もしアマンダが答案を盗んだことがばれでもしたら……!?
スーシィは無責任に、アマンダなら足の着くようなへまはしないだろうし、使えばいいじゃんと言うのですが、そうはいきません。
危険ではありますが……アッコはたった一人で、こっそり職員室に忍び込んでテストを返してくる決意をするのです!!

マジメに勉強していた自分がなんでこんな苦労をしなくちゃならないんだとぼやきながら、見回りの目を盗んでテストの返却を敢行します。
ですがアッコが何のトラブルもなく作戦を遂行できるはずもありません。
目的の部屋にたどり着く前に、何やら妙なものを踏んでしまいました。
途端に広がる、魔法の煙。
気が付くとアッコは、掌に乗るくらいの大きさに縮められてしまっていたのです!!
どうやら侵入者を防ぐための魔法トラップの様子。
アッコは押し寄せて来る見回りの気配を感じ、慌てて身を隠しました。
小さくなったことが幸いして発見はされませんでしたが、目的地にたどり着くまでの道程は果てしなく遠くなってしまいました。
それでも行かなくてはなりません。
このままでは自分に濡れ衣が着せられてしまうだけでなく、アマンダが絡んでいることがばれてしまった時に、彼女の今後にも大きな影を落とすことになるのですから!
意を決して再び足を踏み出すアッコ。
なのですが……その時のことでした。
後ろからかさかさと、生理的な嫌悪感を催す音が聞こえてきたのは。
そこにいたのは……そう。
ただでさえ気分を害する脂ぎった光沢のある黒い体を持っている、ヤツが。
今のアッコから見れば、かなりの巨体となって迫っていたのです!!
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そのころ、アマンダ達の部屋では。
アッコの癖にまじめに勉強しやがって、魔法なんて下らねーよとアマンダが別途に寝転んでぼやいていました。
今の時代じゃ無用の長物、結局ろくでもないことにしか使わないんだから、とアマンダの不満は止まりません。
どうやらアマンダ、あまり面白くない家庭の事情でこの学校に通うことになったようで。
そのせいでどうしても魔法に対して斜に構える様な態度をとってしまうのです。
黙って聞いていたヤスミンカですが、突然アマンダにこう問いかけます。
じゃあ、私たちも嫌い?
アマンダは慌てて飛び起き、なんでそうなるんだよ、と強く否定します。
ヤスミンカにコンス、そしてアッコたちは、アマンダにとって何より大事な友人なのですから!!
ヤスミンカはそのまま続けました。
アッコは良い子、でも今のアマンダ良くない子。
魔法の良いも悪いも使う人次第だよ?
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アマンダは、魔法が嫌いなの?
……バツが悪くなり、横を向いてしまうアマンダ。
するとそこに、ノックの音が聞こえてきます。
扉を開けると、そこにいたのはロッテとスーシィで……!!



と言うわけで、アマンダとロッテの二人に焦点を当てたエピソードを収録した今巻。
原作では話数の関係もあってあまり掘り下げることができなかったアマンダですが、ここに来て完全に公式とは言えないものの、過去の掘り下げが行われるのはうれしいところ!
あのエピソードの後、このお話のような事件があって一層仲良くなったんだな、と言う補完にもなって、原作と本作が両方面白くなっているわけです!!
またこのエピソード、原作の方できっと最後の方で見せ場があるんだろうなと思わせておいてそうでもなかったあの人のカッコいいところが見られるのも注目点!!
そうそう、原作でもこう言うところが見たかったんだよ、と思わず唸って読み終えることのできる、珠玉のエピソードと言えましょう!!

その他のお話も見逃せないものぞろい。
本作は原作をなぞったお話と、オリジナルのお話を織り交ぜて展開していきます。
原作の5話と6話をオリジナル要素ふんだんに交えて再構成したお話が収録されているのですが、その他のオリジナルのお話にも要注目!!
まさかのアンドリュー達男連中しかまともに登場しないお話に、小さなネズミたちの中にネズミになったアッコが混じってガンガンガンバる、某ネズミの大冒険をリスペクト(?)に溢れたお話が収録。
どのお話も頭身低めなアッコたちがいきいきと暴れまわる、コミカルで意表をつく興味深いエピソードとなっております!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!