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今回紹介いたしますのはこちら。

「巨蟲列島」第5巻 原作・藤見泰高先生 漫画・RED ICE先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、上陸してきた海上保安庁と猟友会のチームと合流することのできた睦実達。
これでようやく脱出の目が見えたかと思いきや、そんな海上保安庁のメンバーすらも歯の立たない凶暴な巨蟲が現れてしまうのでした。



睦実たちの前に現れた巨蟲たち。
猟友会のおやっさんが片腕をもぎ取られてしまうという大ダメージを負ったものの、保安庁のメンバーであり、おやっさんの娘である涼子と合流、森を抜けることができました。
これであとは船を目指して進むだけ、と思いきや、そこに恐るべき新たな蟲が現れたのです。
それは……21対、42本の脚を持つ、オオムカデ。
それも、今まで巨大化してきた虫たちなど序の口にすぎないとでもいうような……体長何十メートル、嫌百メートルは越えようかと言う超、超巨体の!!
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猟友会のメンバーたちは、クマ狩りの要領で行くぞ、と包囲するように動きながら一斉に射撃を始めます。
ですが、イノシシを仕留めるために使うスラッグ弾は、オオムカデの硬い表皮にはじかれてしまい、効果が見られません。
巡視船は放水をしてオオムカデに高圧の水を当てていくのですが、そんなものが効くはずもなく。
猟友会の人は大砲をぶっ放せと怒鳴りつけるものの、保安庁の職員たちは及び腰なのです。
保安庁はその立場場、許可なく発砲の類はできません。
特におやっさんの娘である涼子はその考えががちがちに凝り固まってしまい、目の前に圧倒的な胸囲が押し寄せていても命令待ちの姿勢を崩さないのです。
オオムカデはとうとう、その凶悪な牙を振るい始めました。
次々に強靭な顎で猟友会の人々を食い散らかしていきます。
その惨劇を前にして、睦実は確信するのです。
この個体が、ハンミョウたちをおびえさせ、中城や地蜘蛛たちを食い尽くした答えだ、と。

オオムカデの殺戮ショーは続いています。
涼子も命令にないことはできないとはいうものの、それでもできることをしようと仲間の元へ駆けだそうとしました。
が、それを睦実は厳しい口調で止めるのです。
あれは百足の中でも柔軟で強固な体と猛毒を持つオオムカデの仲間、今の私たちには勝ち目がありません!
凄まじい顎の力、堅い表皮、その上毒まで持っている。
そんな最悪ともいえる蟲を前に、睦実たちにできることは……息をひそめて隠れることだけ。
そうしている間にもメンバーは続々と倒れていきますが、異常に気がついているであろう他の巡視船まで全く動かないのはなぜなのでしょうか。
美鈴が問い詰めると、涼子は絶望的な現状を明かしました。
未知の危険がある以上、本部からの命令があるまで他の感は動かない、と……

助かったかと思った直後の絶望に、流石の一同も落胆を隠しきれません。
自分から船のほうに向かうことはできないのかと考えても、どんな生物がいるかもわからないのに泳いで巻までたどり着けるとは思えません。
涼子も火木案に暮れて涙を流すばかりだったのですが、そこでおやっさんが涼子にこう告げたのです。
生き残れる可能性があるものを優先しろ、それが俺が生きてきた山で生きる者の掟だ。
父の言葉を聞き、何とか気持ちを立てなおした涼子。
自分に船を動かす権限はないものの、それでも自分がここに上陸する前に見かけた漁港へ誘導する、と。

また移動となりましたが、ここでおびえ続けるよりはずっとましでしょう。
息をひそめて移動し、何とか何事もなくその漁港へたどり着くことができました。
ですがなんということなのでしょうか、
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停泊していた漁船が全て、沈んでしまっているではないですか!!
その船には、びっしりと巨大化したフジツボが張り付いています。
どうやら、以前見たときよりもさらに巨大化したフジツボの重みで、全ての船が沈んでしまっているようです。
かろうじて浮いている船もあるにはありますが、電気系統が塩水に使っている為お釈迦に。
結局船に乗って艦まで向かう作戦も断念せざるを得ませんでした。
ですが、これで睦美は確信します。
事態は一刻を争うことを。
様々な虫たちが、さらなる巨大化をしている。
そしてそれはまだまだ止むことなく……
いずれ、いや今にも、島を本当に支配する蟲、が姿を現すかもしれない……!!
涼子も現在の状況を見て、ぐずぐずしているわけにはいかないと覚悟を決めたようです。
本部とも連絡が取れなくなった今、自らの判断で民間人の救護優先で動く。
漁船が使えない以上、多少のリスクを冒してでも巡視船に戻る、と!!

巡視船に乗りこめさえすれば、操縦者ではない涼子でもオート機能を使って船を海に出すこともできるかもしれません。
それができなかったとしても巡視船には最新の救命艇が搭載されているから、それを使えばいい。
一同は再び覚悟を決めなおし、巡視船へと向かいます。
なんとか巡視船にたどり着きますと、そこには無数の遺体が散乱する地獄絵図が拡がっていました。
その地獄の中、オオムカデに警戒しながら船へと向かうのですが……
一同はその地獄絵図がさらなる絶望で塗りつぶされる、とんでもない光景を目の当たりにすることとなるのです。
ようやくたどり着いた巡視船。
そこに
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オオムカデが巻き付いている、と言う……!!



と言うわけで、最悪の蟲が動き始めてしまった今巻。
今までの蟲は、銃器があれば退行できたものも少なくありませんでしたし、睦実の知識で追い払ったり、他の蟲をけしかけることで難を逃れることもできました。
ですがこのオオムカデは話が別!!
天敵らしい天敵もおらず、撃退する手段もなし。
ですがこのままでは、わずかな希望も実ることはありません。
睦実はその知識を総動員して、オオムカデを巡視船から引きはがす事ができるのでしょうか?
オオムカデとの戦いが幕を開けるのです!!

そんなメインのお話も手に汗握るものとなっているのですが、その他の部分も見逃せません。
睦実によって示唆された、さらなる脅威の存在はどうなるのか。
睦実を面白く思っていない何名かの人物はこのまま大人しくしているのか……?
常識をゆうに超えていく蟲の脅威、その中でも渦巻き続ける人間の欲望。
どちらを向いても油断のならない本作、睦実たちに明るい未来は訪れるのか?
今後の展開も目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!