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今回紹介いたしますのはこちら。

「TAMATA(タマタ)」第2巻 茅ヶ崎麻先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、父の残した喫茶店を守るため、たった一人で切り盛りしていた田俣さん。
ですが謎の組織の工作によって喫茶店は閉店に追い込まれてしまいました。
その謎の組織、太陽協会には行方知れずになっていた父が所属しているようで……!?



田俣さんは、家庭教師になっておりました。
喫茶店が潰れたから転職……と言うわけではありません。
家庭教師先は、太陽協会の副会長を務めている男の家。
家庭教師として合法的に副会長宅に入り込み、好きを見て太陽協会の会員証を盗……もとい、借りる。
そして太陽協会が裏で行っている弱者排除の事実を明るみに出して太陽協会を潰そう、という計画の実行のためなのです。
まずそのために、家庭教師として怪しまれないように生徒に受け入れられる必要があります。
田俣さんはなんとか家庭教師相手となる副会長の息子の少年に気にいられようとするのですが……
その少年、ショーゴはそんな田俣さんに今までこの家にやって来た家庭教師たちの誰にも感じたことのない感情を感じていました。
全然集中できない。
可愛くてキレイでムチムチって、てんこ盛りすぎ!
ショーゴ君……いろいろな意味で田俣さんが気になってしまっているのです……!
ショーゴの悶々など知る由もない田俣さん。
ずいっと机の上に身を乗り出し、全然進んでないですが?と尋ねるのですが……ナチュラルにお胸が強調されるような体勢になってしまいまして、ショーゴはさらに固まってしまうのです。
様子が普通でないことに気がついた田俣さんですが、何故そんな風になっているのかまではわからないご様子。
さっきから顔が赤いですね、もしや風邪ですか?と、おでことおでこを合わせて熱を測るアレをやってしまうのです!!
大丈夫です、違います!とたまらず田俣さんから逃げるように距離を取るショーゴ。
勿論それは彼が激しく感じている胸の高鳴りを少しでもごまかすためなのですが……
田俣さんはその態度をそっけない、と取り、自分は壁を作られてしまっているのかと勘違いしてしまいます。
どうすればいいのか、と手に持っていた何やら怪しげな本を調べ始めると……なんかショーゴに手を伸ばし、
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抱擁しましょう、ととんでもないことを言いだし始めました!!
打ち解け合うにはそれが言い、とその本に書いてあったそうなのですが、そんなことをしてしまえばよりショーゴはとんでもないことになってしまうわけで。
ショーゴは田俣さんに落ち着いてくれとお願いするものの、田俣さんは落ち着くどころか、アマレスの高速タックルのように抱擁せんと飛びかかってくるのです!!
なんとかそれから逃げ出すショーゴですが、田俣さんはまたも勘違い……
捕まえっこですか?戯れも一興、せいぜい逃げ回りなさい、と謎のプレッシャーを放つのです!

親睦と言うのは少しずつ深めていくもので、いきなり抱き着くとかそう言うのはどうだろう。
ショーゴの絞り出したその言葉を聞いて、とりあえずは納得した田俣さん。
なのですが、今度は隣に座って手と手の指を絡ませ合ってくるのです!
手を離してもらおうとしても、これもダメなんですか?と田俣さんのしょげたような顔を見せられては強く出られず……
ショーゴは抱擁と比べれば全然楽、むしろ美人先生と手をつなげてラッキーじゃないか、と自分に言い聞かせることで正気を保とうとするのです。
が、すぐ横にとても魅力的な田俣さんが座って話しかけてきて、ギュギュっと指を絡ませて来るのですから、落ち着いてなんかいられません!!
やっぱりあり得ないよ!と値を上げて部屋を飛び出してしまうのです!!
お母さんに言うべきか?
でも先生も悪気があるわけじゃないだろう。
あんな先生がいるだけで焦るのに、手なんて繋がれたら……
そんなことを考えるあまり、普段とは感覚が違ってしまっていたのかもしれません。
ショーゴの脚はもつれてしまい、身体が宙に舞ってしまいます。
叫び声を上げる間もなく転倒するショーゴなのですが……地面に激突する寸前に、
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あら危ない、と田俣さんがその体を抱き留めてくれたのです!!
確かにそのおかげでショーゴは傷一つなく無事。
ですが、密着した脚やお胸の感覚が容赦なく襲い掛かり、別の意味で無事ではなくなってしまいました!!
完全に硬直してしまうショーゴですが、ここで田俣さんはさらなる追い打ちを仕掛けてきちゃうのです。
ああ、ちょうどいいですね。
そう言って、
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抱擁をしたのでした!!
……完全にノックアウトされ、くたっと力を失ってしまうショーゴ。
田俣さんは、これで仲良しになれた、と第一目標クリアと勝手に納得。
手ごたえを感じるのですが……これでいいんでしょうか……!?



と言うわけで、家庭教師編となるこの第2巻。
基本的に人間性能が高い田俣さん、第1巻の喫茶店の仕事では八面六臂の活躍を見せてくれていました。
天然な部分はあったものの、それを補って余りあるパワフルな活躍で読者を驚かせてくれたわけです。
が、今巻は勝手の知らぬ家庭教師稼業。
身体能力が活かされる場面もほとんどなく、なんだかポンコツぶりばかりが目立ってしまう形になってしまうのです!!
この後もどんどん、奇行としか言えないとんでもない教育(?)をしていく田俣さん……
そんな田俣さんの天然さ、ポンコツぶり、そしてショーゴも目を奪われるあんな姿やこんな姿を茅ヶ崎先生の卓越した画力で堪能できるのが見どころ、ではあるのですが、それだけで反ございません。
本来の目的のほうもちゃんと進んでいきますし、田俣さんに翻弄されるショーゴ君のほうも、それだけではないドラマが用意されているのです!
このシリーズで敵となるのはショーゴの父である副会長。
ですが副会長には田俣さんの面が割れているわけですから、対面するだけでアウトになってしまいます。
そんな厳しい条件の中で、田俣さんはミッションを完遂できるのか?
ショーゴにとってもすごく大きな存在である副会長……
ショーゴと副会長、田俣さんと副会長、そして副会長と田俣さんと言う、三者三通りの関係性が絡み合うクライマックスは見逃せないものになっているのです!!

さらに今巻で家庭教師編は決着し、今巻のラストでまたも新展開に。
その新展開は、予想外なくらいに物語が一気に進む驚くべきもの。
わずかながら明かされる田俣さんの過去もとんでもないことになっていますし……
キャラの魅力だけではない、先の予想できないワイルドなストーリーテリングも本作の欠かせない魅力!!
田俣さんにいろいろな意味でときめき、ショーゴ君の決断に感嘆し、物語の展開の驚愕する……そんな盛りだくさんの一冊に仕上がっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!