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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄鍋のジャン!!2nd」第2巻 西条真二先生 

富士見書房さんのドラゴンコミックスエイジより刊行です。


さて、あの秋山ジャンの息子、その名もそのまま秋山ジャンがその姿を現した前巻。
打倒父の想いを抱きつつ、五番町飯店で腕を磨くジャン。
ですが運命なのか何なのか、息子のほうのジャンも神の下を持つ男・大谷と対立してしまうことになってしまいました。
大谷はジャンを潰すため、血縁者らしい4人の刺客を呼び寄せて……?



ジャンは五番町飯店で、刀削麺を披露していました。
父も得意としており、さらに母からも徹底的に仕込まれた刀削麺の腕はまさしく抜群!
記事を頭の上に載せ、両手に刃を持って鍋に麺を投入していきます!!
素晴らしいスピードと正確さにお客さんたちは感嘆の声を漏らすのです……が、その作業を止める男が現れたのです!!
腕をむんずとつかんだのは……大谷一族の一人、帯刀でした!
実はこの少し前、ジャンはたまたま大谷一族に鉢合わせておりまして。
大谷一族は目の前にいる少年が標的であるジャンとも知らず、五番町飯店はどこにあるか知っているか、と尋ねてきたのです。
そこでジャンは、めちゃくちゃな道を教えてからかったのです。
ようやくたどり着いた大谷一族はご立腹!
帯刀はその巨体にふさわしい力を見せつけるように、ジャンの胸倉を片手でつかんで持ち上げて怒りをぶつけてきます。
が、その最中、ジャンはずっと帯刀にデブデブデブデブと罵倒の言葉を投げかけ続けているのです。
帯刀はジャンのことをチビ呼ばわりするのですが、ジャンはちびは遺伝だがデブは自己管理がなっていないだけ、と罵り続けて……
帯刀はジャンを地面に放り捨て、俺はデブでも困ってない、そもそも「料理は体力」だ、お前はデブの力を甘く見ているタワシチビだ、と罵り返し……
「デブの力」を見せてやるよ、勝負だチビ!!
そう吐き捨て、早速二人の戦いが始まったのでした!!

勝負内容は、刀削麺を作る速さ比べ。
先に40人前を作った方が勝ちとのことで……ジャンも相当な速さなのですが、帯刀はそれを見たうえで勝負を挑んでいるのですから自身があるのでしょう!
奇しくも試合開始前の二人の前準備はほとんど同じ。
自分の周りに円を描くように複数の鍋を用意する配置をしています。
そして、左肩に生地を担ぎ……勝負開始!!
するや否や、帯刀も先ほどのジャンのように頭の上に生地を乗せ換え、両手に刃をもって生地を刻み始めます!!
そして
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そのまま回転し、次々に鍋に麺を入れていく帯刀!!
ジャンに勝るとも劣らない二刀流の刀削麺、さらに回転して複数の鍋に流れるように麺を投入していく……
そのスピードはさすがとしか言いようのないもの!!
帯刀自身も勝利を確信しているようです。
勝負の直前、ジャンは肩に生地を担いでいました。
つまりジャンは、頭に乗せて二刀流をしながら回転はできない!
二刀流の回転麺ができなければ体力のある俺には勝てるわけがない!
帯刀はにやりと笑いながら、ジャンの様子をうかがうのですが……
ジャンの手元、なんだか妙です。
確実に片手で面を切っているにもかかわらず、帯刀よりも……速いではないですか!!
よく目を凝らしてみますと、なんと言うことでしょうか。
ジャンは
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片手に4枚の刃をもって、一気に四本の麺を切り出していたのです!!
1対2だと思っていたのが、4対2に……!!
帯刀の顔は見る間に青ざめ、そして……瞬く間にジャンは40人分の刀削麺を作り上げてしまいました。
結果はジャンの圧勝。
もはや帯刀は、ジャンのデブと言う悪口に対しても何も言い返すことができなくなってしまいました。
大谷一族もまた、情けない奴だと帯刀を罵倒するのですが……そこでジャンがこんなことを言うのです。
そこのデブを非難するのはかわいそうだ、そいつが悪いんじゃないんだから。
全てはこの俺が、誰よりも素晴らしい料理人だったと言うだけのことさ!!
勿論残りのお前たちよりもな!!
完全に勝ち誇っているジャンは、次の相手はどいつだと早くも他の一族に喧嘩を吹っ掛けました。
何でもいい、何でも勝ってやる。
完全に調子に乗っているジャン。
そんなジャンに、早速次なる挑戦者が名乗りを上げてきました。
帯刀のデブは体力しか自慢できないノロマヤローだ、そんなのに勝っても自慢にならない、やっぱり料理は速さよりも味だろう。
そう言って、ジャンに挑みかかったのは……モヒカン風ヘアの眼鏡の男、主水です!!
主水は、お前のようなはなたれではなく、この見せて一番の料理人を出せ、とこちらも自信満々な挑発で噛みついてきます。
バカか、この店の一番は当然この……と、ジャンは自分自身を指そうとするのですが……
そりゃボクだ、と
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ジャンの同僚、小此木マリオが手を上げたのです!!
ジャンがそんなマリオの言葉を受け入られるはずもありません。
以前の勝負ではボクの勝ちだった、いや俺の勝ちだ、悪くても引き分けだろう、とどちらが強いかと言う論争はやむことがなく……
そこで、るぅいが提案するのです。
だったら3人で勝負すればいいと思う、と!!
……ポンと手を叩くジャンとマリオ。
主水も異論はないようで……ここで、まさかの三つ巴の料理バトルが始まることとなるのでした!!



と言うわけで、大谷一族とのバトルが本格化する今巻。
第1巻で行われた千年との戦いはあくまで序曲にすぎず、この第2巻からが本格的な始まりと言うわけです!!
主水や帯刀の他にも二人いる大谷一族、その実力は未知数。
その二人と戦う舞台は、大谷によって整えられることとなります。
実際にはジャン、すでに自分が最強なんだし、そんな舞台に上がってまで戦うつもりはないというスタンスだったようなのですが、ある出来事がきっかけとなって状況は一変!!
ジャンと大谷一族、そしてジャンよりも優れた料理人であると自負するマリオをはじめとして、あんなキャラやこんなキャラのゆかりの料理人たちが続々姿を現し、そしてその戦いに参戦していくことになるのです!!
ちんたらやっていられないとばかりにガンガンお話が進んでいく本作、今巻で早くもジャンシリーズ恒例のあのシリーズに突入。
今までの単なるじゃんVS大谷一族と言うわかりやすい構図から、もっと規模の大きい、それでいてわかりやすさはそのまま、そして一層熱い戦いが幕を開けます!!

今巻に収録されている、味の想像は難しいもののとにかくおいしそう感はもりもりつたわってくる料理ももちろん本作に欠かせない見どころです。
それはそれで十二分にそそられるのですが、やはり続編者の楽しみの一つである前作ゆかりのキャラに注目しないわけにはいかないでしょう!!
すでにあんんとるぅいや、マリオと言うキャラクターは登場していますが、そのさらなる掘り下げが待たれるところ。
さらにそれに加えて、先ほど書いたように様々なキャラが登場するのですが……まさかのあのキャラの娘が登場するのには度肝を抜かれてしまいます!!
初代ジャンでも個性的だった面々のゆかりの人物たちが、どんな活躍をしてくれるのか?
そのあたりも楽しみでなりませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!