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今回紹介いたしますのはこちら。

「殺戮モルフ」第1巻 原作・外薗昌也先生 漫画・小池ノクト先生 

秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、自身の筆による「鬼畜島」とともに、漫画原作業も積極的に手掛けている外薗先生。
「蟲姫」に続いての漫画原作となる本作は、こちらもオリジナル作品と、逆に原作付き作品を同時に手掛けることも多い小池ノクト先生とのタッグとなります!
その内容は、最近の外薗先生の十八番となっているスプラッタホラー!!
つかみはこんな感じになっております!!


女子高生のまどかは、友達と池袋に遊びに来ていました。
楽しく過ごしていたものの、一緒に来た友達は彼氏へのお土産を物色したり、電話でやり取りをしていたりしていまして。
まどかに彼氏はおりませんが、どうしてもお焦がれと言うものは湧いてきまして……
私に彼氏はいつ現れるんだろう、と思わずにはいられないのです。
……が。
彼女の前に現れたのは、そんなロマンチックなものではありませんでした。
布を縫い合わせた頭陀袋のようなものをかぶった、作業着の男。
その両手には、大ぶりの鉈を携えていて……!!
そしてその男は、無造作に歩きだし、白昼堂々街角で
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男性の頭をたたき割りました!!
男は、目の前で男が惨殺されて恐怖の悲鳴を上げた女性に更なる凶刃を振るい、頭部を切断。
それだけでは飽き足らず、地面に転がった頭部を踏みつけてぐちゃぐちゃにし始めたのです!!
騒然とする池袋の街!!
居合わせた人々は、悲鳴を上げて一斉に逃げ出しました!!
そんな中まどかは……あまりの出来事に身動きできず、立ち尽くしてしまうのです!!
男はまっすぐにまどかのほうへと走り来るのですが……
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なんと、まどかには一切目もくれず、通り過ぎてしまうではないですか!!
可と言って逃げるわけでもなく、そのまま別の逃げ惑う人々を次々に手にかけていき……!!
マドカは呆然と、その惨劇を見続けるのです……
これは現実なの?
なぜそんなに殺せるの?
そんな思いでただただ惨劇を見つめていたまどかですが、とうとう男はまどかに意識を映したようです。
頭陀袋に開けられた穴から覗く目は、不気味な力を湛えておりまして、まどかはその目に見据えられると動くことができません。
友人たちの逃げろと言う言葉もむなしく、まどかはそのまま立ち尽くし……男は、ゆっくりとその前に立ちました。
そしてついに、その右手に握られた鉈を振り下ろさんと振りかぶったのです!!
凶刃がまどかに向かって一直線に振り下ろされる!!と言うその時でした。
警察が駆けつけ、男を取り押さえたのは!!
流石の男も数名の警察官に取り押さえられてはどうにもなりません。
男の身柄を完全に確保したところで、警察官の一人がまどかに大丈夫かと尋ねるのですが……
張りつめていたものが一気に解放されたためでしょう、まどかはそのまま気を失ってしまったのでした。

マドカの体は幸い何ともなかったようですが、一応入院となったようです。
一人だけ置いて逃げてごめん、と謝ってくる友達に、私こそとろくてゴメン、と逆に謝り返すまどか。
和やかな空気の中で、あの助けてくれた警官が、また何か思いだしたことがあったら教えてください、と挨拶をして去っていきました。
礼儀正しい警官に見えますが、友達たちはそのビジュアルがイケメンであることに食いついていました。
気絶したまどかを受け止めてくれたのも彼ですし、これは出会いかもしれない、とはしゃぎまわります。
そんなはしゃぎ声がわずかに聞こえていたその警官は、あれだけ元気なら大丈夫だな、と笑顔でそのまま立ち去るのですが……あの殺人鬼が、何故まどかを無視して他の人を殺めていったのかという引っかかりを感じてはいるようです。
……それは、まどかも少なからず疑問なのかもしれません。
気晴らしとばかりに病室を出て歩いていますと、ロビーではテレビのニュースが流れておりまして、ちょうどその事件のことを報道していました。
またおかしな事件がおきた、日本は大丈夫なのか?
こんな奴は死刑にすればいい!
そんな人々の声を聞きながら、ため息をついてその場から離れようとするまどか……なのですが。
なんということでしょうか。
その目の前に、にわかには信じられないものがいるではありませんか!!
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間違いなく警察に拘留されている……あの、頭陀袋の殺人鬼が……!!



というわけで、惨劇の幕が開く本作。
頭陀袋の殺人鬼、と言ういかにも外薗先生と言った感じの怪人が出てきての開幕となったわけですが、この後もやはり外薗先生らしい血潮飛び散る惨劇が待ち構えております。
その惨劇を描くのは、グロテスクなシチュエーションはお手の物な小池先生なのですからもはや死角なし!!
二人の魅力が存分に発揮される容赦ない惨殺劇、外薗先生らしい殺人鬼の活躍、小池先生のグロテスクでありながらもスマートさと女性キャラのかわいらしさを兼ね備えたビジュアルと、それぞれの持ち味が存分に発揮される作品になっているのです!!

そんな惨劇だけでも十分興味深い所ですが、本作の鍵となるのは警察に拘留されているはずの殺人鬼が、まどかの目の前に現れた、と言う謎でしょう。
この謎は今巻の内に明かされはするのですが、その謎が明かされたからこその恐怖がその後待っているわけです!!
今までにない、一人の殺人鬼による大量殺戮が始まりそうなその謎……
食い止められるものはいるのでしょうか!?
そして、こちらはまだ明かされないまどかが殺人鬼に見逃された理由も気になるところ!!
こちらも物語の大きな軸になっていきそうで、そんな要素からも目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!