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今回紹介いたしますのはこちら。

「刃牙道」第17巻 板垣恵介先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。



さて、国に対しての戦を始めてしまった武蔵。
国家権力VS一人の侍と言う、結果の見えている戦い、その先にあるのはおそらく……多くの屍。
バキたちはこの戦いを、武蔵を止めることはできるのでしょうか!?



機動隊に取り囲まれてしまった武蔵。
ですが武蔵は暴徒制圧用の圧縮ゴム弾の一斉掃射を切って捨てたばかりか、これならば切ることはできないだろうと放たれた高圧放水すらも、その放出口を放水車ごと断ち切るという荒業でぶった切って見せたのです。
その絶技を見て、一様に押し黙ってしまう機動隊たち。
そんな一同を見て、武蔵は俺の強さがばれたのか、とつぶやきます。
怖気づいた、と見たのでしょうか。
それを聞いた機動隊の隊長、岩間はその言葉を捨ておけませんでした。
その剣の冴えは見事に尽きるが、本物の戦闘となれば話は別だ。
我々が身に着けるこの武具、耐久性、軽さ、そのどれを見ても戦国時のそれとは比較にもならない。
さらにはこの数だ。
数十人を相手取ったと言われるあんたの武勇伝は現代にも伝わっているが、それは「神話」の類だ。
この圧倒的「現実」、どうするね。
武蔵の前にぞろりとをそろう、完全装備の機動隊たち。
確かに普通ならばこの線直鎖は絶望的以外の何物でもないでしょう。
ですが……武蔵は、この状況で笑うのです。
動かんな。
誰一人として動かんな。
……武蔵は、見破っていたのです。
この状況で、誰一人身動き一つしない。
それは、絶対的優位に立つゆえの余裕ではありません。
そして優秀な武具なしで武蔵の前に立つことができない負い目……でもないのです。
武具をまとおうが、数をそろえようが、武蔵にはかなわないと感じている……弱者の勘……!
答えのわかり切った質問を、武蔵は投げかけます。
さて、どっちだ!!
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その叫びの尾様な問いかけに、機動隊は怯みます。
が、その言葉で逆にエンジンをかけたのが岩間でした。
あいにく、こっちだ。
そう言いながら、懐から一丁の銃を取り出しました。
武蔵に向けて、迷いなく引かれる引き金。
その銃口から出てきたのは、銃弾ではありません。
予想していなかったものが出てきたため、武蔵の弱点ともいえる「興味」がわいてしまったのでしょうか。
そのとびでてきた何かを避けることもなく、甘んじて受けてしまいました。
するとどうしたことでしょう。
武蔵の体にすさまじい電流が走ったではありませんか!!
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この銃は、テーザー銃と呼ばれる相手に電撃を伝えるためのもの。
空気圧でケーブルを発射し、厚さ5センチまでの衣服を突き破って5万ボルトの電流が流れるという非致死性の武装です。
トリガーを引いている間電流は続くのですが、今回使っているのはその電圧を10倍の50万ボルトに引き上げている特別性!!
十分人間を死に至らしめる威力を持つその電流を、岩間放ち続けるのです!!
その威力はやはりとんでもないもので、まるで漫画のように骨が透けているように見える錯覚まで感じさせます!!(そう言うことにしておきましょう!)
その痛みはさすがの武蔵も堪え切れるものではなく、地面にあおむけにダウン。
それでも岩間は電流を流し続け……部下に精されてようやくトリガーを離すのでした。

肉の焦げる匂いまで漂う武蔵の体。
脈を見ろ、救護班を呼べ!
そう言って武蔵を取り囲む一同ですが……武蔵は死んでなどいませんでした。
突如むくりと起き上がり、同時に刀を抜いてテーザー銃のケーブルを切断したのです!!
毒か、これほどのものは初めてだ。
矢が触れるや突如の痺れ、突如の回復。
妖術……捨ておけぬ。
次の瞬間です。
武蔵の刀がひらめき
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岩間の頭部が、地面に落ちたのは……!!



というわけで、機動隊をもひるませる武蔵の無双が始まる本作。
この後も、武蔵が戦国を駆ったその規格外の力で、国家権力を翻弄していくことになります。
正直言ってこのVS機動隊、武蔵が苦戦するビジョンすら見えません。
それは皆様も同じ感想を持つのでしょうが、グラップラー以外の普通の人々で歯が立たないという描写をすることによってバキたちの参戦を自然にしつつ、こんな人殺しを何で国は放っておくんだよと言うツッコミを回避するためにも必要なイベントと言えるもの。
ひたすら続いていく武蔵の大暴れを、ここはひとまず楽しむしかありません!!
そしてバキたちもその牙を研ぎ始めていきます。
死刑囚たちとの戦いを経て、なんでもありの戦いに対する覚悟は固めている一同。
ですから、いざ勝負!と向き合うのではなく、街角で偶然会ったらそこでスタート、と言う形にしようとしているのかもしれません。
彼らの内の誰が、どのように武蔵と出会うのか。
どうやって武蔵に立ち向かうのか。
そして、負けるにしろ勝つにしろ、五体満足で終わるのか、命はつながるのか……?
これからもp油断できない展開が続くのは間違いなさそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!